5-2.教員インタビュー」カテゴリーアーカイブ

ベーシックキャリアデザイン 中山 一郎先生へのインタビュー

文学部3年生 佐伯 菜奈実さんが、ベーシックキャリアデザイン 中山  一郎先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本はよく読まれますか?

A.本は読みますね。一日にかけて7,8冊の本を同時に読みます。朝・通勤時間・大学の研究室・隙間時間・帰り・家のソファ・ベッドそれぞれの時間帯で本の種類を変えて読んでいます。決めていることがあって朝は木戸孝允の日記を読むことにしているんです。今日は3月6日だったと思います。文章が長かれ、短かれ1日分だけ読むようにしています。

 

Q.読書の中で印象に残るフレーズはありますか?

A.生涯愛情について悩むことがありまして、ずっと森の中を彷徨うように悩んでいたんです。その時、学生時代甲南大学の教授が死ぬまでに読んだらいい本を言っていたのを思い出して、『愛するということ』(エーリッヒ・フロム,1956) (改訳・新装版,紀伊國屋書店,2020.9)を手に取りました。「愛情は技術」だということばが私を救ってくれました。愛情は天から与えられると思っていました。しかし、大工や医療のように自分の技術として磨くことができるのだと思いました。

 

Q.本を買う決めては何ですか?

A.これに決める!というよりかは偶然が多いですかね。本屋に行き、ページをパラーっとめくって一行やフレーズが直観的にいいなと思えば、即本を購入します。目的のためというよりかは偶然な出会いが大きいです。

 

Q.ベーシックキャリアデザインで紹介された『青い鳥』(重松清,2007.新潮社)の好きな場面を教えてください。

A.人間の中が意識―心―魂の3段階に分けられていたとすれば、命といってもいい魂の段階のSOSに村内先生が寄り添ってくれるところですね。単に励ましたり、癒したりするわけでもないそのままでいいということを感じさせてくれます。

 

Q. 本の魅力とは何でしょうか?

A.自分の知らない世界の現実と離れて没頭できることですかね。活字中毒だと思います。魅力というと本は特別だというように感じますが、私にとって読書はごはんを食べるようなことで当たり前のような存在です。

 

Q. 進路に悩む学生におすすめの本を教えてください。

A.『エピソードの就活』(中山一郎,2017.晃洋書房)です。今の就職本はこんなエントリーシートを書けばよいという答えを与えるものが多いです。しかし、この本はすぐに答えは出ないけれど今後の考えを広げるために書きました。いわゆる、無人島に行き魚を持つ漁師に魚をもらうのではなく、釣り方を教わるということです。すぐに答えはでないけれど、どこかで役に立つはずです。

 

感想:中山先生の「読書はごはんを食べるようなことで当たり前のような存在」というお言葉が印象的でした。生活のリズムやアクセントを生み出す読書。私も誰かの日記を読んでみたいです。

(インタビュアー: 文学部3年生 佐伯 菜奈実 さん )

経済学部 佐々木 優先生へのインタビュー

経済学部 1年生 Kさんが、経済学部 佐々木 優先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?

A.本はいつも読んでいます。

 

Q.週に何冊読みますか?

A.数えきれないくらい読んでいます。仕事で本を読むことが多いです。

 

Q.どのようなジャンルの本を読んでいますか?

A.仕事に関係がある本を中心に読んでいます。そのため、小説を読むことは少ないです。

 

Q.先生が好きな本を教えてください。

A.『天才たちの日課』という本です。私が彼女と雑貨屋さんにいた時に、小さな本棚にあったその本がふと目に入りました。この本はアインシュタインやピカソなどの天才達がどのような生活をしていたのかを書いたものです。私は、天才の生活には共通の特徴があるかも知れないと予想をして、読書をはじめました。しかし、私が読後に得た結論は、予想外の物でした。天才たちはそれぞれのスタイルで思い思いに生活をしていて、そこに共通点はなかったのです。だから、私は、自分に合った生活を送るのが1番良いと感じました。自分の好きな通り生きて行こうと思いました。朝早起きするか、夜更かしをするか、朝ご飯を食べるか食べないかなどは、自分にフィットしたやり方で進めていっていいんだと自信を持ちました。この本は、その見つけ方もそこから得た教訓も、思いがけないセレンディピティ(偶然の出会い)に満ちたものだったので、とっても強く印象に残っています。

 

Q. インターネットが進んでいる一方で、大学生が本を使うべきメリットはありますか?

A.私はインターネットと本、つまりデジタルとアナログの両方を駆使するべきだと思います。大学生がレポートを書く際に、パソコンを用いて参考になる本を見つけるスキルは必須です。ただ、それだけでなく、アナログの方法も重要です。買う本の予定もないが、本屋さんに入店して、ふと手に入った本が今後の人生に影響を与えるかもしれないので、積極的にセレンディピティ(偶然の出会い)に出会うべきです。

 

感想:質問に丁寧に答えていただき、ありがとうございます。私は先生の好きな本が先生の専門分野についての本ではなくて、エッセイだということが予想外で面白かったです。私もセレンディピティ(偶然の出会い)を体験したいと思いました。甲南大学の最寄駅にも本屋さんがあるので、電車を持つ数分でも本を手に取り、眺めてみようと思いました。そのようなことを考えると、明日も楽しくなってきました。

(インタビュアー: 経済学部 1年生 Kさん )

マネジメント創造学部 真崎 克彦先生へのインタビュー

マネジメント創造学部 3年生 西山 天美さんが、マネジメント創造学部 真崎 克彦先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?

A.読書は大好きです。最近は仕事のために読むことが多いです。

 

Q.どのようなジャンルの本をよく読みますか?

A.仕事に関わるものがほとんどです。専門が国際協力論、開発研究なので、それにまつわる様々な本に目を通しています。

 

Q.本を買うときに重視しているポイントは何ですか?

A.「一期一会」です。ふらっと書店に入り、何気なく気になった本を手に取ります。そうして手に取った本が、講義や研究を行う上で思わぬアイデアの源泉になることがあります。他にも、新聞の書評やAmazonのオススメで出会う書籍が「一期一会」になることがあります。

 

Q. 好みの読書スタイルは、電子書籍ですか、それとも紙の本でしょうか。

A.紙の本です。手でページをめくりながら、興味を持った部分に手にペンを持って線を引く。視覚や頭だけではなく、体の色々な感覚を使いながら私は本を読んでいます。

 

Q.最近読んだ本で気に入っているものは何ですか?

A.本田由紀先生の『「日本」ってどんな国?:国際比較データで社会が見えてくる (ちくまプリマー新書)』です。この方は教育社会学の第一人者で、日本と他国を比べた様々なデータを用いて、政治や経済、ジェンダーなど多岐に渡って日本社会が抱える問題を明らかにします。

 

Q.大学生にオススメの本はありますか?また、その理由は何ですか?

A. 工藤 尚悟先生の『私たちのサステイナビリティ:まもり、つくり、次世代につなげる(岩波ジュニア新書)』です。この本では、サステイナビリティ(持続可能性)について、いくつか実例も交えながら丁寧に説明されており、しかも専門的かつ若者にも分かりやすく書かれていて、学生さんにオススメです。

 

Q.読書の魅力とは何だと思いますか?

A. 知らない視点や考え方などにふれることで、自身の世界を広げてくれることです。比較的時間の自由が利く学生の間に「これ面白そう」、「これは何のこと?」と、探求心を持つのは大切です。特定の考え方に縛られずに、知識を得ていくのは楽しいですし、精神的余裕が生まれます。せっかく大学の図書館が使えるのですから、フル活用して、そうした時間をもっと作っても良いのではないでしょうか。

 

感想:興味深い話を沢山聞かせて頂きました。学生であることを使って、色々な方の話を聞いたり、CUBEのメディアセンターにもっと足を運んだりしてみようと思いました。

(インタビュアー:マネジメント創造学部 3年生 西山 天美 )

共通教育センター 西川 耕平先生へのインタビュー

知能情報学部 4年生  団野 和貴さんが、共通教育センター  西川 耕平先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.電子書籍と紙の本,それぞれ長所と短所がありますが,先生の意見を聞かせてください

A.電子書籍の良さは,購入して届くまでの時間が,ほとんどがゼロということ,大量に持ち運びできること,読んでいる本にリンクがあれば,クリックして,すぐにそのサイトに飛べるなどが良さですね.

電子書籍の逆の面について,1つめは,推測ですが,電子書籍は,読みやすい形に本の構成や文体が変わっているのではないかと思うことです.例えば,アマゾンキンドルには「想定読了時間」という表示が出ますが,エディターや出版社が,早く読める文体に編集しているのではないかという気がします.量は読めるかもしれませんが,単に効率的にインプットする媒体になってしまいますので,本来の書き手の意図と違うものになる気がします.

2つめは,書き込みがしにくいことですね.ハイライトを付けられますが,自由に書き込みができない場合が多いですね.1回読んで,深く納得することは少ないので,2回目,3回目に読むときのために,簡単に書き込める機能が,もっと充実すれば便利だろうと思いますね.

紙の良さは,新聞紙面のように一覧しやすいことですね.時々辞書を読み物のように読んで,メモを取って理解する事があります.こうしたときに,ページ全体を一覧して,関連用語が見えますので,辞書の上で「隣近所」の言葉も読みながら,関連性を想像する楽しみがありますね.

 

Q.学生は本を読むべきだと思いますか?本を読むメリットや読書を継続するコツも教えて下さい

A.一般的な言語能力を鍛える目的で,本を読むことは重要だと思います.アメリカの英語の先生に教えられた経験則に,「母語の能力以上に,第二言語の能力は上がらない」ことがあります.母語の文法や意味を深く理解すると,第二言語学習の際に違いが明確になり,「第二言語学習者」として,学ぶ方法が工夫しやすくなると思います.つまり「日本語をおろそかにしては,外国語を深く学べない」ということでしょうか.

また,同じく英語の先生から,「書いてある内容を文法的に正しく理解する能力は,小学校4年生までに,おおよそ形成されるので,それ以降は,文章から意味をつかみ取ること,つまり本来の目的に努力を集中するようになる」と聞きました.しかし文章を正しく理解する力は,意識しないと衰えていくと思います.意識的に書かれている文字から,文法的に理解する能力を維持していくことが必要でしょうか.言語能力を維持する点でも,本を読むことは大切と思います.

読書を続けるには,「この本から,何を手にするべきか」と意識しながら読むと良いと思います.単純に受動的な姿勢で取り組むと続かないと思います.小さい頃,「図書館の本を,全部読んでみよう」と思い立ちましたが,すぐ挫けた記憶があります.

読書の良い点として,表現が豊かになることだと思います.豊かな文章表現に触れると「感性の豊かな人」と感じて,「どんな人が書いているのか」と想像が膨らみ,魅力が増します.

最後に,書き手の立場からすれば,良い文章を書くには,模範にする良い表現を身につけるという意味で,文体や構成を丸暗記して,真似ることも一つの方法としてありうるのではないでしょうか?もちろん,そのままの文章を使うのはだめですが,それ以上に,表現の楽しみが薄れてしまうと思います.

 

感想 :西川先生はいつも様々な事象を客観的に捉えていて,「いつか先生とお話ししたい」と思い今回のインタビューが叶いました.ご自身の研究分野の視点でも読書に関する意見が聞けて,とても興味深かったです.これからも,読書以外のことについても話したいと考えています.

西川先生,改めまして,今回はインタビューにご協力くださり,誠にありがとうございました.

(インタビュアー:知能情報学部 4年    団野 和貴 )

文学部 髙石 恭子先生へのインタビュー

知能情報学部 4年生  団野 和貴さんが、文学部  髙石 恭子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本に接する機会はありますか?

A.自分の研究や学生相談に必要な文献を探すのは,常にありますね.趣味とか仕事や業務に直結しない本を読む機会は,仕事の忙しさと反比例します.そういった本は,余裕のある時(出張で新幹線を使うときなど)を見つけて読むのが,最近では多いです.

若い頃は,仕事に関係なく興味のある本を読んでいました.私の専攻する臨床心理学は「1人1人の人がどのように生きていくか」という人生のことに直結しているので,哲学,小説,児童文学,絵本,海外の小説とか古典文学など,手当たり次第読んでいました.人間は生きていると,簡単に解決できないことがたくさんあります.そういうものを抱えながらどのように考え生きていけばいいのかということを,本から得られると思います.例えば小説を読むと,その主人公の生き様から参考になるものたくさんあります.そこから,相談に来られたときに,自分の経験と本からその人の悩みを引き出して話を聞くことが可能になると思っています.

 

Q.学生相談の際に本を薦めることはありますか?

A.「こういうことについて悩んでいます.ヒントになる本はありますか」と言われたときは,要望に応じて探すことがあります.相談者の抱えている悩みがとても深くて簡単に解決策が出ないときは,私で答えられることも限りがあるので「この本が参考になるかもしれない」と薦めることがたまにあります.しかし,私がこういう意味だと思って読んだ本を,受け取った方が私と同じように感じられるとは限りません.また,薦めることによって「そのように考えないといけない」と思って,その人の自然な気持ちの方向を変えてしまう危険もあります.お薦めした方に「読んでみてどうだったか」と聞き,紹介して終わりということがないように心がけています.

 

Q.学生は本を読むべきでしょうか?

A.学びには本が必要であることはこれからも変わらないと思いますが,10年後がどんな時代になっているのかわからないので「近未来の人全てが本に親しまないといけない」と断言はできないと思います.でも,本は今まで人間が,人間の情緒や生き様を表し言葉にして後世に残してきたものです.日々生きていく上で上手く言葉にできないことを,どのように言語化したらいいか,自己理解したらいいか,人に伝えたらいいか,そういう手がかりを本が教えてくれると思います.例えば,自分の気持ちを相手と共有するときに,すぐに「私の気持ちはこのようになっています」と喋ったり書いたりできるケースは少ないでしょう.苦労して言葉にして,どんな風に嬉しいのか悲しいのかということを言葉で表すほかないと思います.人間はいきなり進化するわけではないので,若いときに「言葉」に触れられる本に出会うことがとても大事ではないかと私は思います.

ただ,時代によってやるべきことが異なり,今の人は昔にはなかったものを取り込まないといけないので,そのエネルギーと時間を考えるとなかなか「言葉」に触れることは難しくなっていると感じます.例えば,SNSなどで短い言葉をやり取りする機会が最近多いですが,長い文章で自分を表現することが今の日常ではなかなかありません.でも,時代が流れても人間の根幹は変わらないと思うので,少しでも「言葉」に触れ自分自身のことを「言葉」にする機会を作ってほしいです.

 

感想 :今回の髙石先生とのインタビュー,キーワードは「言葉」ですね.髙石先生の研究テーマでもある「人がどのように生きていくか」という視点で,読書を考えることができました.人間が急に変化しないことを考えると,これからも「言葉」を介したコミュニケーションは続いていくと思います.誰もが知っている共通の「言葉」で自分をどう表現できるか,ということはこれからも重要になります.社会人になっても読書を継続したいと強く感じました.

非常に楽しい時間でした.髙石先生,改めましてお時間をいただき,ありがとうございました.

(インタビュアー:知能情報学部 4年    団野 和貴 )

マネジメント創造学部 BLAKER Andrew D先生へのインタビュー

マネジメント創造学部 3年生  西山 叶子さんが、マネジメント創造学部  BLAKER Andrew D先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?また、どのくらいの頻度で本を読みますか?

A.大好きです。毎日は読みませんが、1週間に5日は読みます。

 

Q.どのようなジャンルの本をよく読みますか?

A.どんなジャンルの本も大好きなので、1カ月ごとにジャンルを決めて、サイクルするようにして読書を楽しんでいます。特にファンタジーものが好きです。

 

Q.本を買うときに重視しているポイントは何ですか?

A.友人やインターネットのレビューを基に購入することが多いです。

 

Q.どのくらいの頻度で書店や図書館を利用しますか?

A.電子書籍を利用することが多いので、あまり利用しません。 実は、私の母はニュージーランドで司書をしているので、ニュージーランドの図書館にはほぼ毎日通っていました。日本の図書館はあまり利用しませんが、書店は1カ月に1度程度、新しい本を探しに行くために利用します。

 

Q.最近読んだ本で気に入っているものは何ですか?

A.Terry Pratchettが書いた、『Equal Rites』というファンタジーの話が面白かったです。

 

Q.現在の分野を専攻するきっかけとなった本はありますか?

A.Bill Brysonの『The Mother Tongue』という本です。

 

Q.大学生におすすめの本はありますか?また、その理由は何ですか?

A.Albert Camusの『The Myth of Sisyphus』がおすすめです。私が大学生の時に読んで面白かったし、学生にも読みやすいと思います。

 

Q.読書の魅力とは何だと思いますか?

A.まず、ノンフィクションの小説は、新しいことを知ることができるため、その過程がとてもわくわくします。フィクションの小説は、非日常空間体験をすることができるため面白いです。例えば、今自分が辛い状況であっても、楽しいフィクションの小説を読むことでリフレッシュできます。特に、大学生は本を沢山読む方が良いと思います。学生生活が終わってしまうと、どうしても読書から遠ざかってしまうからです。今のうちに読書に親しみ、学生生活を有意義に過ごしてほしいです。

 

感想:お忙しい中、快くインタビューを引き受けてくださったため嬉しかったです。本に対する教授の考えや思いを伺うことができ、貴重な経験になりました。

 

<BLAKER Andrew D先生おすすめの本>

Albert Camus著 『The Myth of Sisyphus』 Amereon Limited,  2012年

(インタビュアー:マネジメント創造学部 3年  西山 叶子 )