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共通教育センター 長谷川 雄彦先生へのインタビュー

文学部 3年生 畑田 亜美さんが、共通教育センター 長谷川 雄彦 先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.普段どのくらい本を読まれますか。

A.最近は減ってしまい月に1冊読めるかどうか。図書館に入った頃は知らないといけないと思い週に2冊程読んでいたが、読みたい本は限られているので1年ちょっとで諦めた。中身をちらっと見るのは週に何十冊としていたが、ゆっくり読むのは図書館に入ってから逆にできない。速読は苦手。草津にいた時、平野啓一郎さんのスローリーディングに関する講演があった。丁寧に行間から主人公の感情の機微を読み取る、そういう読み方もある。こちらの方が合っている。量は関係ない。如何に自分が感じるように読むか、それが本との向き合い方。速読のすすめのような本は沢山あるのでチャレンジしてみたが合わなかった。合う人は本当に早くなる。開き直って今は読みたい本だけ。最近は図書館に関する本が多い。

 

Q. 甲南大学の図書館で1番好きなところはどこですか。

A. 今の図書館は私が大学生の頃とはだいぶ違う。データベースはあるがOPACはなかった。現在の2階の雑誌スペースの間の机のところはすべて目録カードで、それを引くのが好きだった。今の図書館はあまり使っていないが、昔のイメージでいうと友達と話せた2階のロビー上のスペースが好き。よくあそこで集まって駄弁っていた。図書館は本当に勉強する場所も大事だけれど、人と出会う場所として使っていた。そのような図書館も構わないと思う。その方がたくさん使ってもらえる。ちょっと寄って本と出合う、そんな図書館がいい。

 

Q. 公立図書館でおすすめの場所はありますか。

A. サービスでいうと浦安の図書館。有名になってから大分経った2000年頃に行った。その頃からサービスがよく、蔵書が沢山あった。開架書庫、書庫であるが利用者が自由に入っていい方式を採用。

 

Q. 最近の若者の読書離れについてどのように考えていますか。

A. 読書離れというが昔から若者は本を読まない。特に中高生は忙し過ぎ、年代別に見たら明らかに公共図書館に来ない。本を読む時間もない。最近はもっと他に興味を引く物がたくさんあるということもある。

 

Q. 大学生に薦めたい本は何ですか。

A. やはり専門なので図書館に関するもので竹内悊の『生きるための図書館:一人ひとりのために』。新書なので読みやすい。図書館に興味を持って、困った時に図書館を思い出してほしい。

 

感想: 質問内容以外にも神戸市の図書館について様々なことを教えて頂きました。書庫の構造や歴史など知らないことが多かったので、興味深かったです。図書館学の授業での少しは学びましたが、個人的に話を伺う方が面白いです。そして、研究室にある図書館関連の本に気になるものがたくさんあったので今度借りようと思います。

 また、本を読む速度に関しては今まであまり気にしたことがありませんでしたが、少し考えてみようかと思いました。特に速読にチャレンジしてみたくなりました。

 

<長谷川 雄彦 先生おすすめの本>

竹内 悊著 『生きるための図書館:一人ひとりのために』 岩波書店 , 2019年

(インタビュアー:文学部  3年  畑田 亜美  )

オンライン学生選書を実施しました!(2021年度第1回)

 例年夏に書店の店頭にて実施しているブックハンティングツアー(学生店頭選書)は、新型コロナ感染症の影響から今年も中止せざるをえない状況です。
 そこで、KONANライブラリサーティフィケイトのエントリー学生を対象に、学生が読みたいと思う本を自由に選んでメールで申請してもらうオンライン選書の2021年度第1回を実施し、多数の学生が参加してくださいました。ご協力ありがとうございます!

 すでに所蔵している本などを調査し、最終的に発注したのは142冊となりました。昨年度に比べて、実施方法を工夫したところ、学生が選書した図書が大幅に増えました! 
 発注した図書は、7月中旬には図書館に配架される予定です。

 今年度はあと2回オンライン選書の実施を予定しています。
 今後も学生の皆さんの積極的な活動を図書館も支援していきます!

→発注リストはこちら

(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画)『#おうちで読書』

KONAN ライブラリ サーティフィケイトの学生企画
『#おうちで読書』

甲南大学図書館公式Twitterの企画「#おうちで読書」は楽しんでいただけたでしょうか。おすすめの本を紹介して下さったのは、KONANライブラリ サーティフィケイトに参加されている文学部3年 畑田亜美さんです。
皆様、いいね、リツイート、ありがとうございました。

企画の仕上げに、畑田さんが 「#おうちで読書」で紹介された本を図書館入り口の特設コーナーで展示してくれました。
皆様が、Twitterでツイートしてくださった本も集めています。

お気に入りの1冊を見つけて、おうちでも、大学でも、本を楽しんでください!

展示期間:2021年 6月29日(火)~8月上旬

(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画)『#おうちで読書』

青山 美智子著 『お探し物は図書室まで』

 

文学部 3年生  畑田 亜美さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  お探し物は図書室まで
著者 :  青山 美智子
出版社:ポプラ社
出版年:2020年

コミュニティセンターにある小さな図書室、そこにはレファレンスコーナーがあります。担当している司書さんは愛想が良いとは言えない女の人ですが、「何をお探し?」と穏やかで凛とした一声をかけられると心の内を打ち明けてしまいたくなります。偶々訪れた人々が彼女にレファレンスをしてもらい、おすすめの本と付録を貰って自分の悩みの答えを見つけていきます。

この図書室を訪れる人は婦人服販売員や家具メーカー経理部の人、元雑誌編集者、ニート、定年退職者と様々です。しかし、みな社会生活を送る中で上手くいかないことや、不安なことなど悩みを抱えています。私たち学生にも当てはまることもあります。自分にとって不都合で嫌なことが起こった時、どのように考えていますか。気分が落ち込んだ時、人の視野は思っているよりも狭くなっています。少しのヒントを得て見方を変えるだけで、新しい捉え方ができるようになり悩みが解消されるかもしれません。

また、レファレンスをしてくれる司書さんの応答は司書を目指す人から見ると理想的で羨ましく思えます。ポイントは2つです。1つ目はその人の話をよく聞いて、レファレンス質問で聞かれた本以外にも適切な本をすぐに提供できることです。その図書室のことを把握していたとしても、1人1人に合った本を即座に選ぶのは難しいでしょう。それを難なくこなし来館者に喜ばれる様はレファレンス担当者の理想と言えます。2つ目は好きなことをしながら多くの人に慕われていることです。彼女はレファレンスカウンターにいながら羊毛フェルトのマスコットを作っています。これがレファレンスの付録です。このような自由は公共図書館ではなかなかできないことだからこそ羨ましく感じます。そして、彼女の居場所は図書室ですが他のコミュニティセンターの利用者や来館者、司書補の女の子に慕われています。その関係性もまた理想的で憧れるような司書の姿です。

最後に、この本は今悩みを抱えている人や司書を目指している人に是非読んでみてほしいです。将来が少し明るく見えたり、救われたりするかもしれません。

小林 義祟著 『すみません、金利ってなんですか?』

 

文学部 3年生  畑田 亜美さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  すみません、金利ってなんですか?
著者 :  小林 義祟
出版社:サンマーク出版
出版年:2020年

 経済の基本事項は高校の現代社会等で習ってきました。しかし、実際に日常生活で使う金利や預金などが何かというとよくわからないということは多いです。私は大学生になるまで自分で銀行に行くこと、さらにはATMを利用することは殆どありませんでした。そのため、初めて使うときは戸惑いました。また、アルバイトを始めてから年末に貰った年末調整の表もよくわかりませんでした。正直なところ、経済はややこしいので好きではないです。しかし、知らないままで良いかと言われると不安に思います。この本は税を中心に基礎事項を丁寧に教えてくれます。

 特に印象に残ったのは預金と年金です。将来のことを考えると預金をしておいた方が良いとは思いますが、どうするべきかよくわかりません。よくわからないままとりあえず貯金しています。この本を読めばお金の貯め方や運用の仕方がよくわかります。様々な預金形式や組織、投資などがあり、どれを選ぶかは自由です。それぞれのメリットとデメリットを知り、正しく選ぶことのできるようになると感じました。

 次に年金に関しては、将来もらえなくなるのではないかなどと言われているため、現役世代からすれば不安要素です。その回答を得られるだけでも良かったと思えます。そして、学生時代の免除制度や払い損ねてしまった場合の起源やどうなるのかについても言及されています。これに関しては、払い始めたところの学生は知っておくべきことだと感じます。私は詳しいことを全然知らなかったので、学ぶことができて本当に良かったと思いました。

 以上のことから、本書は社会人になるまでに読んでおきたい1冊だと感じました。学生のうちはまだしも、社会人になれば周りは当たり前の様に知っていて尋ねにくくなってしまうと思います。この本の企画、編集を担当された梅田直希さんのように何も知らず聞く機会を逃したまま社会人になる人は非常に多いでしょう。だからこそ多くの学生に読んでもらいたい本です。

石原顕光著 『トコトンやさしいエントロピーの本 』

理工学部  1年生 石山 遥希さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : トコトンやさしいエントロピーの本
著者 : 石原顕光 著
出版社:日刊工業新聞社
出版年:2013年

化学の授業で初めて「エントロピー」と言われた時、まったく何を言っているのかわからなかった。授業が終わった後、何度教科書をみたがやはりわからなかった。
そこでエントロピーについて詳しく書かれた本を図書館で探していた時、この本に出会った。
最初は「トコトンやさしい」という題名に惹かれ、この本を読みだした。するとびっくりするくらいわかりやすく書かれていて、自分がわからなかったところもピンポイントで解説してくれており、この本を最後まで読み終えたとき、エントロピーの全体像がつかめていました。
理系の人は嫌でもエントロピーを学ばないといけないので、理系学部の人はぜひとも一度手に取ってみてください。