暑いままで9月に突入しました。いつまで暑いものやら。早く涼しくなってほしいものです。
さて、このほど濱頭課長と一緒に、東京三田の慶應義塾大学で開催された、私立大学図書館協会 総会・研究大会に参加しました。200以上の私立大学から図書館長あるいは事務管理職の方などが参加され、2日間、盛大に行われました。
まずは、会場の様子から。
ここで、総会、記念講演、海外研修報告、研究助成発表、講演、事例報告が行われました。また、初日は場所をグランドプリンスホテル高輪に移して、意見交換会も行われました。
海外研修報告では、図書館員の方が協会の派遣で1ヶ月アメリカの大学図書館で研修を受けて来られたときのお話があり、興味深く聞かせていただきました。また、夜10時頃の大学図書館の中の写真を見せていただきましたが、多くの学生がまるで自分の勉強部屋で勉強をしているように真剣に勉強をしている姿を見て、かなりショックを受けました。日本の大学ではこういう姿はなかなか実現できないと言われています。
私が学生の頃も、図書館はそんな時間に開いていませんでしたが、下宿屋に下宿していた私は、自分の部屋の机で大きな紙にびっしり計算式を書いたり宿題の問題を解いたりした記憶があります。また、夜になると酒とつまみをもって20名ほどが下宿している下宿の中の部屋を渡り歩いて議論していました。全く違う姿ではありますが、それはそれで有意義な時間だったと思います。おっと、図書館の話からそれてしまいました。
さて、慶応らしかったのは、「三田演説館」という重要文化財でした。
通常は公開していないが、我々のために、特別に2日目の昼休みに開けていただいたということでした。福澤諭吉が建設したものだそうで、中は昔の学校の講堂風な雰囲気があり、演説台に立ってみました。
また、ここは慶応ですから、図書館には当然ながら福澤諭吉の様々な資料が保存・展示されており、大学の固有の歴史は極めて重要であると感じました。
「1-1. 図書館長より」カテゴリーアーカイブ
夏休みと読書
しばらくブログをサボってしまいました。今日は8月15日。いろいろな思いが交錯する時期です。
我々教員にとって、毎週の講義も会議もなく、1年のうちでこの時期だけ、のんびりすることが許される時期です。わずかに数日しかそういう気分を味わうことができませんが、だからこそ、何よりも貴重な時間と感じます。
最近、夏目漱石を読んでいます。こういう文学書を手に取るのは何年、いや、何十年ぶりでしょうか。大げさではなく本当に。日頃から本を読むのは好きですが、読んでいる新書や文庫はたいてい1日で読破しており、おそらく多くのことを読み飛ばしているでしょう。斜め読みができるのですね。それでも、あとから読み直してみても、あまり読み落としていないように思えます。しかし、いま夏目漱石を読んでみて、ずいぶん時間がかかると実感しています。ゆっくり本を読むことの楽しみ、それも長年忘れていました。ゆっくり読むのも、早く読むのも自分の思いのまま。それが読書の良いところでしょう。
ブリスベンから
みなさん、こんにちは。現在出張中で、オーストラリア・ブリスベンにいます。というと、サッカーを見に行っているのか?と言われても不思議ではありませんね。試合は明日(12日)の晩です。日本でチケットを買ってきたという日本人もたくさんいて、うっかりしていたなあというのが実感ですが、実のところ、結構朝晩は寒く(10度ちょっと)、毎日小雨が降っていて、夜の試合は行かなくていい口実ができることを内心願っていると自己分析しました。
何をしにオーストラリアにいるのかというと、ごく普通の理由、つまり、学会発表です。このところ、近場の、日本人の多い国際会議が続いていたので、今回は久しぶりの大規模な国際会議の参加です。耳が英語に慣れるまで、1日かかりました。最初はホテルやレストランなどで、何か聞かれても聞き返すことが多く、なんでこんなに英語が聞き取れなくなったのだろうと思いましたが、1日ほどで感覚を取り戻したように思います。到着翌日の発表はなかなかしんどいものがありました。日頃しゃべっていない言語は、口が動きません。何十回も国際会議で発表している私ですらそうですから、学生の発表は大変でしょう。場数を踏む、これしかないように思います。
では、面白い写真をアップしておきます。
図書館前のしだれ桜です
こんにちは。田中です。
先日、しだれ桜の写真をアップするとお約束しましたので、撮ってみました。単純な写真になったので、少しコントラストを強調しています。
ソメイヨシノはいま盛んに散っています。桜は見ていると大変美しいのですが、桜を見上げて空をバックに花を写真に収めると黒ずんでがっかりすることが多いようです。桜の色が空の明るさに負けるために、黒ずんでしまうのです。それを避けるためには、プラス補正といって、空が真っ白になることを覚悟で全体を明るくするか、暗い色のものが背景に写るところに自分の立ち位置を変えて写す必要があります。ものは、実態だけではなくて、周囲の環境によって引き立ったり埋もれたりするということを感じる瞬間です。
ではまた。
ご挨拶
甲南大学の学生の皆さん、こんにちは。図書館長の田中雅博です。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。いろいろととまどうことも多いでしょうが、わからないことは学生部や教務部、指導主任の教員に早めに聞いて、不明なことを残さないようにしましょう。また、入学早々暴風警報によりガイダンス等が流れてしまいましたが、変更の情報はきちんと把握していますか?大事な履修関係の情報を聞き漏らすといろいろと大変なことになりますから、くれぐれもきちんと確認してください。
私自身、図書館長にはこの4月に就任したばかりの、館長1年生です。本を読むのは昔から好きで、忙しいときでもなるべく週に1冊くらいは読むようにしています。本を読むということは、一方的ではありますが、著者と親しくなることです。年齢が近い著者だったら、まるで友人のように感じます。何十年も同じ著者の本を読んでいたら、書かれている本を見て、その著者の成長、成熟、そして、加齢を感じます。私の場合、そういう著者として、林望さん、藤原正彦さんなどがそれに該当します。その他、私がどんな著者が好きなのか興味を持っていただいた方は、学外サイトにて、最近読んだ本(全部ではありませんが)について、内容を一言ずつ備忘録として残していますので、ご覧ください。私のホームページからリンクを張っています。
甲南大学図書館の周囲はとても美しい場所です。もうすぐソメイヨシノが満開になります。個人的には、それに少し遅れて咲く、図書館入り口そばのしだれ桜が好きです。咲いたらここに写真をアップしようと思います。
田中修先生(理工学部・図書館長)「新聞を読もう!」
☆新入生向けの図書案内
2009年に、65の国と地域の15歳の男女47万人を対象に、国際学力調査が実施されました。昨年12月に、その結果が発表されました。それによると、世界のどの地域でも、新聞をよく読んでいる生徒ほど、読解力が高いことが明らかになりました。日本では、読解力を向上させるため、全国の小・中学校で朝読書や、新聞を読む取り組みを奨励してきました。その効果があり、読解力で、前回の15 位から8位に順位を上げました。世界的に、読解力を高めるために本や新聞を読むことの大切さが、再認識されたのです。
本学図書館とサイバーライブラリには、読売、朝日、産経、日経、ジャパンタイムズなどの新聞がそろっています。昼休みでも授業の空き時間でも、図書館を利用して、新聞を読む習慣をつけてください。社会や時代を知り、科学の進歩を見ることができ、予期せぬ情報を得ることもあります。新聞を読んで高められる読解力は、あらゆる学問の勉強に生きるはずです。
甲南大学図書館報 藤棚(Vol.28 2011) より