2.おすすめの本」カテゴリーアーカイブ

[藤棚ONLINE]経済学部・足立泰美先生 推薦『「家飲みビール」はなぜ美味しくなったのか?』

図書館報『藤棚ONLINE』
経済学部・足立泰美 先生 推薦
『「家飲みビール」はなぜ美味しくなったのか? -コテコテ文系も学べる日本発の『最先端技術』』

「家飲みビール」はなぜ美味しくなったのか?

 緊急事態宣言により外出自粛や時短営業となり巣ごもり需要が増えるなかで、いわゆる「家飲み」が定番に。居酒屋で飲むからうまいはずだったビールが、家で飲んでも意外にうまいというお話。みなさんもお聞き及びでありませんか?

 その美味しさの秘密には、日本発の最先端技術、東京大学の藤田誠教授らによる結晶スポンジ法に起因します。しかしながら、実用化されるまでには、研究者による根気よく、ひとつのことを追求し、何度も繰り返し失敗し、諦めることなく、前に進め続けた地道な時間が存在しています。

 本書を通じて、日常の生活に隠された「なぜ」という疑問から、発明に至るまでの原動力。その科学者の本音と姿勢に触れてみませんか?

[藤棚ONLINE]理工学部・須佐 元 先生 推薦『科学の発見』

図書館報『藤棚ONLINE』
理工学部・須佐 元 先生 推薦
『科学の発見』

本書は、昨年残念ながら他界されたノーベル物理学者のスティーブン・ワインバーグ氏による科学史に関する本です。

20世紀を代表する理論物理学者のうちの一人である著者が、古代ギリシャから現在までの、物理学・天文学を中心とした科学の歩みを講義してくれます。既に多くの書評があって、過去の科学者にダメ出ししているかなり激しい側面を多く取り上げています。確かに過去の科学者たちの考え方がいかに現在の科学的価値観と隔たったものであったかを、厳密に取り上げています。しかしながら著者も述べている通り、これによって「科学」それ自身が数千年にわたって紆余曲折を経ながら進化してきたこと、その過程で多くの科学者が苦闘し、それによって形作られてきた現在の科学の価値および未来への教訓を伝えようとしているのだと思います。

途中やや専門的で難しいところもありますが、サイエンスに携わる・志す人々一般にとって、手にとってみる価値はある本であると思います。

【第4回 甲南大学書評対決】A・A・ミルン著 石井 桃子訳 『クマのプーさん』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

経済学部  寺尾 建先生からのおすすめ本です。

書名 : クマのプーさん
著者 : A・A・ミルン著  石井 桃子訳
出版社:岩波書店
出版年:2000年

 クマのプーさん(Winnie-the-Pooh)のことを知らない人は、いないと思います。しかし、クマのプーさんのことを知っている人の数に比べると、この原作を読んだことのある人の数は、はるかに少ないのではないでしょうか。

 原書は、1926年にイギリスで出版されました。現在までに30以上の言語に翻訳されていますが、日本語訳が出版されたのは1940年、太平洋戦争が始まる前年でした。ちなみに、ディズニーが「プーさん」の商品化権を獲得したのは1961年のことで、その後、「プーさん」の初のアニメーション作品を公開したのは1966年のことです。

 以降、現在に至るまで、世界的にみると、ディズニーの影響力の方が原作の影響力よりもはるかに大きなものとなっているせいで、「プーさん」といえば、「かわいくて、明るい笑いを誘う愉快な存在」であると広く受け止められています。それは、まったくの間違いというわけではないのですが、大きな誤解もしくは曲解であることもまた、否定できません。

 プーさんは、詩をつくるのが大好きで、自作の詩をよく口ずさみます。しかしながら、ディズニーは、プーさんから人や物事の本質をとらえる優れた能力を奪い取ることによって、プーさんをわかりやすいキャラクターへと変えてしまいました。

 プーさんは、詩人です。ぜひとも原作を手にとって、プーさんの「わかりにくさ」に触れてください。

【第4回 甲南大学書評対決】 岸見一郎 古賀史健 著『嫌われる勇気』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

サッカー部チーム 経済学部  中島 佑希さんからのおすすめ本です。

書名 : 嫌われる勇気
著者 : 岸見一郎 古賀史健 著
出版社: ダイヤモンド社
出版年:2013年

 この本は、「心理学の三大巨頭」と称されるフロイト、ユングに並ぶ、アルフレッド・アドラーが唱える思想、「アドラー心理学」を少年と哲人の対話という物語形式を用いてまとめられている本です。

 アドラー心理学は、欧米で絶大な支持を誇っており、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という問いに、きわめてシンプルかつ具体的な答えを提示します。この人生の最大のテーマともいえる問いに対して、私はこの本を読みアドラーの思想を知っていくうちに、人生に対する見方や考え方が変わりました。

 印象に残っている言葉は、現在の状態は過去が原因ではなく、今自分がそうしたいから現状を維持しているだけという言葉です。理由をつけてやらないのは現状に自分が満足しているからだということを改めて考えさせられました。

 他にもたくさん心に響く考えがあります。私も悩んでいるときなどに読み返すことがあります。人生を変えるきっかけになると思うので是非読んでみてください。

【第4回 甲南大学書評対決】浜田廣介著 『浜田廣介童話集』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

経済学部  寺尾 建先生からのおすすめ本です。

書名 : 浜田廣介童話集
著者 : 浜田 廣介著
出版社:角川春樹事務所
出版年:2006年

 浜田廣介(はまだ・ひろすけ)は、1893年(明治26年)に山形県に生まれ、1973年(昭和48年)に東京で亡くなりました。坪田譲二(1890-1982)や小川未明(1882-1961)と並び称される、日本を代表する児童文学者の一人です。

 この本には、浜田廣介が書いた童話が計20話収録されていますが、泣く子も黙るほどの、というか、笑っていた子も思わず涙してしまうほどに圧巻なのが、この本の冒頭に収録されている「泣いた赤おに」(初版は1933年)という作品です。

 悲しい、寂しい、悔しい、あるいは、嬉しい──人が涙を流す理由は一つではありませんが、作中で最後、赤おにが涙する理由は、説明するのがとても難しいものです。しかし、赤おにが感極まって一人涙を流すことには、ほとんどの人が深い共感を覚えることでしょうし、「赤おにの涙にもらい泣きをしないような人は、人の心をもっていない!」という主張には、多くの人が同意するのではないでしょうか。

 「正しく」「強く」「朗らか」──これらの言葉を空語として口にしないようにするためにも、一読をおすすめします。

【第4回 甲南大学書評対決】 尾田 栄一郎作『ONE PIECE』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

サッカー部チーム 法学部  岡本 倖汰さんからのおすすめ本です。

書名 : ONE PIECE
著者 : 尾田 栄一郎 作
出版社: 集英社
出版年:1997年~

 僕がお勧めする本は、世界的にも有名なONE PIECEとゆう漫画です!今も続いている漫画で愛読してる方も多いかと思われますが、意外と読まれていない人も僕の周りにはいて、僕的には非常にもったいないと思います。

 この漫画は一言で言えば自由と仲間です。社会と仲間の選択を迫られた時に仲間あなたはどちらを選びますか。世の中のルールを盲信するのではなく、自分で善悪を判断するということが大事というのを教えてくれます。主人公自身がただ強くなっていくというよりかは、他者との関係性が強化されることで強くなっていき、目標に近づくという横のつながりを強調しているものとなっています。

 友情・努力・勝利という少年漫画の王道である枠組みを崩すことなく、横の関係性をここまで前面に出していることがこの漫画の1つの素晴らしいところだと僕は思います。

 思わずワクワクしてしまう展開や⾧期連載だからこそ可能な伏線などがあって、つい続きが気になり時間を忘れて読んでしまう漫画となってます。是非読んでみてください!