2-1. 学生オススメ」カテゴリーアーカイブ

住野 よる著 『君の膵臓をたべたい』

知能情報学部   4年生  Iさんからのおすすめ本です。

書名 : 君の膵臓をたべたい
著者 : 住野 よる著
出版社:双葉社
出版年:2015年

始まりは、クラスの人気者山内桜良が書いていた「共病文庫」を拾って読んでしまった。日記には、膵臓の病気によって余命半年と書かれていた。彼女の「僕」に対する想いがどんどん変わっていく面白い小説だ。

設定として、人気者の山内桜良といつも本ばかり読んでいる「僕」というところで名前もなく僕となっているのが面白く感じた。しかし、登場人物によって呼び方が変わっていく。秘密を知っているクラスメイトや大人しい生徒、地味なクラスメイトと変わっていく。桜良の秘密を知ってからよく話しかけられるようになった。そして、デートに行くことになったが焼肉だった。膵臓の病気だが、ホルモンを好んで食べるジョークも混ざりつつ話が進んでいく。

恋愛ものと思っていたが、意外とジョークなども出てきて読みやすかった。九州旅行に行った際に、ホテルで酔った勢いに任せて本音を聞こうとゲームをする姿が可愛く高校生らしいと感じた。

映画を見てから本を読んだが、映画と変わらずに読みながら泣くことができました。特に本の最後の部分では映画とは異なる内容だったため余計に涙が出てきた。本を読んでいて映画に沿ったストーリだったが、また違った受け取り方ができた。是非、読んで欲しい一冊だ。

クリストファー・ピーターソン著 ; 宇野カオリ訳 『幸福だけが人生か? ポジティブ心理学55の科学的省察』

知能情報学部   3年生 Kさんからのおすすめ本です。

書名 : 幸福だけが人生か? ポジティブ心理学55の科学的省察
著者 : クリストファー・ピーターソン著 ; 宇野カオリ訳
出版社:春秋社
出版年:2016年

この本を選んだ理由はタイトルとしか言えません。
このタイトルを見た時、私はもちろん幸せになりたいけどポジティブに生きられた事は無いしこの性格が治ることは一生ない幸せにはなれないのかなと思ったけど、ポジティブに生きているからといって本当に幸せな未来を掴めるのかなとも少し自分でも考えてしまいました。大学で心理学を学んだことは無いですが、そこに触れることによって何か考え方や生き方が変わるかもしれないと思いとりあえず読んでみようと思いました。

著者であるクリストファー・ピーターソンは本書のタイトルにもあるポジティブ心理学の創始者のひとりで、心理学者として世界的に有名な方だそうです。

この本には幸せを研究対象とするポジティブ心理学についての研究結果が具体例と共に書かれていました。
米国の人気心理学サイト「サイコロジー・トゥディ」で大人気であった連載に最新の研究結果を織り交ぜ作成されています。良い生き方について、幸福はいいことなのか、不幸は悪いことなのかが基本的に中立の立場で書かれていました。

頑張ってポジティブになれるものでもないし、かと言ってネガティブなオーラを振りまいて他人を嫌な気持ちにさせたくないので、私はとりあえず表向きだけでもにこにこしてポジティブを装って生きています。なので、”できないならできるふりをすればいい”という引用には救われました。私のこの生き方は間違っていなかったのだなと思えました。

タイトルにある「幸福だけが人生か?」という問いかけに対する答えはどこにも書いて無かったけど、この本を通して私の中での答えはなんとなく見つかった気がします。ポジティブ思考の方も、ネガティブ思考の方も良い生き方について考えるいい機会になるので1度は読んでみる価値はあると思います。
とりあえず”良い一日”が自分に相応しいものだと思って生きてみようと思いました。

柳 広司著 『ジョーカー・ゲーム』

知能情報学部   4年生 Iさんからのおすすめ本です。

書名 : ジョーカー・ゲーム
著者 : 柳 広司 著
出版社:角川グループパブリッシング
出版年:2008年

この本は「スパイ」を題材としたミステリー小説となっています。あらすじとしては昭和十三年頃、魔王と呼ばれている結城中佐がD機関と呼ばれる諜報機関を作ります。当時陸軍内部からは「諜報活動など卑怯で卑劣な行為だ」という反発があり一時は他国スパイによる機密情報の漏洩が相次ぎ認められるかと思いきや、養成所でスパイとして教育される学生が軍学校ではなく一般の大学を出た者たちから選抜されるとわかると陸軍側からの反発は今まで以上に沸騰します。

そんな中でも奇妙奇天烈な選抜試験を通過し、想像を絶する訓練をうけた十二名は世界を相手にスパイとして活躍していくこととなります。一話完結の形でそれぞれ一人の人物の視点からその人物を語り手として話が進行していきます。中にはD機関のスパイではない人物の視点のものもあります。僕がこの小説で特に気に入っている部分はやはりストーリーです。ミステリーなので当たり前といえば当たり前ですが最後まで分からない展開や登場人物の驚きの背景は衝撃を与えてくれます。アメリカ、イギリス、上海、ドイツといった地域でスパイや軍隊と戦ったり、D機関として裏で暗躍したりといったハラハラドキドキを味わうことができると思います。

ミステリーという性質上あまり詳しい内容を書くことはできませんが、ミステリー好きだけでなく多くの人に読んでもらいたい作品です。このシリーズで他にも数冊出版されておりアニメや実写映画、漫画もあるみたいなのでこの本を読んでジョーカー・ゲームの世界をもっと味わいたいと感じた方はそちらも見てみてはいかがでしょう?

松井 利夫著 『起業の心得 : めざせ日本のビル・ゲイツ 』

 

知能情報学部   4年生 Iさんからのおすすめ本です。

書名 : 起業の心得 : めざせ日本のビル・ゲイツ
著者 : 松井 利夫 著
出版社:産能大学出版部
出版年:1999年

 

この本はタイトルにもある通り、起業するにあたってについて書いてある本です。ただ、僕は今まで起業というものに興味を持ったことがありませんでした。 今までの20年と少しの人生ではあまりリスクのない選択をしようと思いながら生活をしていました。そのため起業というものについてあまり知らず勇気のいる行動だというぐらいの認識しか持っておらず、あまり興味を持つことがなかったからです。その考え方自体はこれから社会人となって生活していくにあたって変わっていくことはあるかもしれないですが、現状ではそういった考えの中で僕はこの本を読みました。

しかし、この本にはそんな僕にでもいくつも重要なことを教えてくれる、そんな本でした。読む前はまさか自分の生まれた年に発行された本が今の僕にここまでいろいろなことを教えてくれるとは思っていませんでした。

特に人材育成に関する章はこれから社会人生活をしていくうえで必要な心構えや、考え方について考え直すきっかけとなりました。 なかには 株式に関する部分や起業家の支援といった今の僕には少し難しく全部理解するのは厳しい部分もありましたが知識としては吸収することができたと思います。それに最後の戒め、指針部分の内容は 単純に人として生活していくうえでも重要な生き方、考え方について書いてありました。現状この本を読んだことによって起業する気になったかと言われればそこまでのことはないけれど、この本は起業ということだけではなく、実際に生きていくうえでも重要なことが多く書かれたとても良い本だと感じました 。

なので、正直この本が本屋で並んでいて読みたいと思うことはあまりないかもしれないけど起業に興味のある方はもちろん、社会人になることに不安を抱えている方などは一度読んでみてほしいと思います 。

住野 よる著 『君の膵臓をたべたい』

知能情報学部   4年生  祝  陽大さんからのおすすめ本です。

書名 : 君の膵臓をたべたい
著者 : 住野 よる著
出版社:双葉社
出版年:2015年

 

最初この本を読もうと思ったきっかけが映画でした。最初原作と映画は全然違うものだと思っていたけど読みだすとすぐその世界に引き込まれ本の宣伝文句どおりに号泣してしまいました。自分の生き方について考えさせる、深くて真面目な小説でした。

最初はタイトルを聞いた時に膵臓をたべたいと書いていたので何かファンタジーの小説かなと思っていました。ですが後半にいくにつれてこの題名の意味がわかっていきとても面白かったです。

物語の中で、他人と一切関わろうとしない主人公は、ヒロインの突然の死をきっかけに、友達を作ろうとします。主人公は、大切な人を亡くし、落ち込むだけではなく、今までの彼ではありえなかった行動をとりました。そして「きっと誰かと心を通わせること。」という言葉で主人公も変わっていきました。私もこの世界に私だけが住んでいたら「生きている」という感じはしないと思います。私がここにいる と思えるのは、友達が声をかけてくれるからだと改めて感じさせてくれました。喧嘩をしたり、一緒に泣いたり笑ったりしてくれる友達や家族が一緒に生きてくれている人たちに感謝したいと感じました。たくさんの人に囲まれて生きている私はとても幸せ者だとこの本を読んで感じました。

伝えたい事は伝えられる内に伝えるべきへ、友達とか恋人とか型に嵌めずに純粋に相手を必要とする、運命や偶然はなくて全て自分の選択の結果を自分も傍観者ではなく当事者になれるように、人に影響を与えられるように、全てのポジティブ要素に反応していきたいと強く思った。

ここまで原作でも泣かされ本でもう一度感動させられるものは今までなかなかないと思うのでこの本をこの機会に読めて本当に良かったです。ありがとうございます。

瀬尾 まいこ著 『そして、バトンは渡された』

 

知能情報学部   4年生  祝  陽大さんからのおすすめ本です。

書名 : そして、バトンは渡された
著者 : 瀬尾 まいこ著
出版社:文藝春秋
出版年:2018年

 

この『そしてバトンは渡された』という作品は、実写化もされており本を読んだことのない私でも内容がとてもわかりやすく伝わってきました。親の死や再婚や離婚で4度も名前が変わった主人公の森宮優子が主人公となっており、親と関わりながらどう成長していくのかを描いた物語です。物語は、優子の小さい頃から、大人になり結婚するまでが描かれています。親が頻繁に変わったり死亡してしまたりする子どもとだけ聞くと、辛い境遇で育ちの悪い方向に行ってしまうのかなという先入観を持ってしまっていましたが、この物語の登場人物はみな愛で溢れていて人の優しさにちゃんと感謝できる女性に成長していきます。そのためこの作品はどこかユーモアもあり明るくて温かい気持ちで次々読み進めることができました。親と子の在り方、家族とは何か、血の繋がり以上に愛情や一緒にいた時間の大切さを感じ、家族を大切にしたいと改めて思わせてくれる作品です。

特に最後の親である、森宮との関係には温かい気持ちなりました。森宮が優子のことをとても愛しているのかが会話の中からも伝わってくるが、友人との関係にも悩みが生じだす年頃の優子自身も森宮との関係を大事にしているからこそ、踏み出せない葛藤状態にも複雑な気持ちになりました。優子の「親が違う=不幸」の像を不快に感じるのは愛がしっかり届いていたからだと感じました。私はこれまで、家族は家族だからこそ、どこか離れられないと考えていましたが、大切なのは肩書ではなく、愛情が存在しているかどうかなのだと改めて気付かされました。

最後にこの作品を読み今はもう忘れてしまっている当たり前だったあの頃の大切さ、温かさを思い出させてくれるとても素晴らしい作品だと感じました。この本を読んだ後は母親のなんてことのない料理がどこの料亭にも負けない料理になっていて素直に普段伝えられないありがとうが伝えられる様になっていました。