月別アーカイブ: 2012年3月

『One Day』David Nicholls

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/N/6
Title: One Day
Author: David Nicholls

デクスターとエマ、二人それぞれの1988年から2007年までの20年間、20回の7月15日の1日を20章で書いた物語。
エジンバラ大学の卒業式の日(7月15日)に出会ったデクスターとエマは意気投合し、酔った勢いで一夜を共にする。ハンサムでプレイボーイのデクスターと、地味なエマは朝になって流されたことに後悔し、一日で別れてしまう。
1年後、デクスターはローマで英語教師のアルバイトをしながら、派手で「絵になるような人生」を目指し、エマは小劇団で働きながら小説家を夢見ている。
2年後、3年後・・・
二人は時々めぐり会うこともあり、それぞれにパートナーとも出会うが、エマは折々に「君が40になっても独身だったら結婚しよう」といったデクスターを思い出す。

『What I Wish I Knew When I Was 20』Tina Seelig

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/SE/6
Title: What I Wish I Knew When I Was 20 (20歳のときに知っておきたかったこと)
Author: Tina Seelig

スタンフォード大学 ティナ・シーリグ先生の『20歳のときに知っておきたかったこと』の原著です。20歳向けにやさしく書かれているので、英語でもそれほど難しくはありません。
ティナ・シーリグ先生は心理学から神経科学へ転向し、現在では経営工学を教示している異色の教授です。彼女が教えているのは起業家精神とイノベーションですが、つまりは、「常に新しいことを考える方法」です。
どうすれば既存の概念にとらわれずに発想し、行動することができるのか、どうすれば失敗を成功に変えることができるのか。
シーリグ先生は、鍵となるのは「entrepreneurship(起業家精神)」であるといいます。
これからを生きる20歳の諸君、読んでおきませんか?
英語で読めば今後の人生にとって、更にプラスになることに間違いはありません!

『The Black Swan』Nassim Nicholas Taleb

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/TA/6
Title: The Black Swan
Author: Nassim Nicholas Taleb

 「白鳥」は白いもの。
この常識は、オーストラリア大陸で「黒い白鳥」が発見されたことで非常識になりました。
この本の標題となっている「ブラック・スワン」とは、起きる可能性が非常に低いことが、ある日突然起こることを指して、著者のタレブ氏が名づけた言葉です。
 タレブ氏がこの本で「市場には『不確実性』という名の地雷が埋まっており、過去から未来は予測できない。」と、警告を発したのは2007年。そして、実際に2008年に世界通貨危機が起き、一気にベストセラーになりました。
 世界通貨危機にしろ、東日本大震災にしろ、統計上からみて100年に1度、1000年に1度しか起きないとされることが、実際には結構な頻度で起こっています。
人はなぜ「ブラック・スワン」を予測できないのか。
「ブラック・スワン」に備えるにはどうすればいいか。不確実な世界に生きる我々への提言です。

『JUSTICE』 Michael J. Sandel

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/SA/6
Title: JUSTICE (これから「正義」の話をしよう)
Author: Michael J. Sandel

 日本でもベストセラーになったハーバード大学 マイケル・サンデル先生の『これから「正義」の話をしよう』の原著。
 「正義」は、裁判や法令にのみ必要なのでなく、我々の日々の社会生活の中で常に問題となっています。
サンデル先生の『Justice』は、紀元前から現在に至るまでヒトが考え続けた「正義」について、分かりやすい事例を紹介しながら解説する「教科書」として作られました。
 サンデル先生ご自身は、コミュニタリアン(共同体主義者)なのですが、功利主義(Utilitarianism)や、自由主義(Libertarianism)、カント、ロールズ、アリストテレスなど、西洋哲学における主要な説が均一に紹介されていて、できるだけ一つの主張に流されないようになっています。
つまり、「何が正しいのか」は、我々自身が過去を学び、これから考えていかなくてはなりません。

『The Immortal Life of Henrietta Lacks』Rebecca Skloot

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/SK/6
Title: The Immortal Life of Henrietta Lacks
Author: Rebecca Skloot

 ヘンリエッタ・ラックスという人を知っていますか?
 ・・・知りませんよね。
20世紀前半、タバコ農園で働いていた貧しい黒人女性で、特に何かを成したわけではありません。けれど、我々は、彼女が居たからこそ、彼女が癌になったからこそ、今の医療を受けることができるのです。
 1951年、ヘンリエッタに無断で採取された癌細胞は、無限に分裂を続ける「不死化した細胞」となり、彼女の頭文字をとって「HeLa(ヒーラ)」と名づけられた。世界中の研究室で培養された「ヒーラ」は、医学、生物学、薬学などの様々な研究に使用され、世界中の研究室に高額で売買されている。
 けれど、細胞の提供者であるヘンリエッタには何の見返りもなく、彼女の子どもたちは医療さえ満足に受けられる状態ではなかった・・。
 科学の発展と倫理を社会へ問いかけ、ベストセラーとなったノンフィクション。
邦題 「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」

『11/22/63/』 Stephen King

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 837/KI/6
Title: 11/22/63/
Author: Stephen King

 1963年11月22日は、アメリカ大統領 ジョン・F・ケネディが暗殺された日である。
ケネディの暗殺については、様々な憶測が飛び交っているが、スティーブン・キングのこの小説は、事件の謎を解くものではない。
キングがテーマにしたのは、「もし、歴史を変える力が与えられたら、お前はそれを使うか?」という問いである。
 1960年頃のアメリカは、プレスリーの流れる “アメリカン”な時代であった反面、深刻化した冷戦によって核戦争の危機にさらされていた、不安な時代でもある。
ケネディ大統領が暗殺されたことで疑心暗鬼になったアメリカは、その後泥沼のベトナム戦争へとつき進むことになり、結果、癒えることのない大きな“痛み”を引きずっている。
だから、もし、ケネディが暗殺されなかったら・・・。
 主人公ジェイク・エッピング(Jake Epping)は35歳の平凡な高校教師である。
ある日、友人のアルが、彼の家の物置に1958年につながるタイムホールが開いていると告白する。そのタイムホールをつかって、アルはケネディ暗殺を阻止する計画を立てていた・・・