月別アーカイブ: 2022年10月

【第5回 甲南大学書評対決】 村田 沙耶香著 『コンビニ人間』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 経済学部2年 松田 小鳥さんからのおすすめ本です。

書名 : コンビニ人間
著者 : 北村 良子
出版社: 文藝春秋
出版年:2016年

 皆さんの考える「普通」とは何ですか?
 この本の主人公、 古倉恵子は36歳の独身女性。 小さい頃から少し周りと違うといわれていた恵子は、これまで彼氏がいたことがなければ、就職もせず、コンビニのアルバイト歴は18年目。現代の言葉を使えば社会不適合とも呼ばれるような、社会にあまり馴染めていない女性です。この本では、そんな主人公が葛藤しながらも自分の生きる世界を見つけていくという物語です。

 私はこの本を読み、「普通」とは何なのだろうということを改めて考えさせられました。
現代社会における私たちは、人と同じような生き方をすることが「社会の普通」となっているように感じます。 しかし、一人一人考え方や感じ方は違い、生き方に正解なんてない。 自分の人生は人に決められるものではなく、自分自信が好きな道を胸を張って生きていけばいいのだと背中を押してくれる作品です。

 皆さんも是非この本を読み、自分の生きる道を探してみてください。

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

ペンネーム りゆあいさん  法学部法学科 1年次生

2022年10月11日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました!

『多読チャレンジ』へのきっかけは、夏休みの宿題で合計50,000字読むというものがあり、その授業において多読チャレンジを紹介され、それをするなら登録しようと思ったそうです。
読む本を選ぶときに、途中でつまらなくなって読むのをやめるくらいであれば、本選びに時間をかけ、読みやすくて内容が面白そうなものを探し、最後まで読み進められるように工夫されていました。また、単語をひとつひとつ読んでいくのではなく、頭の中でイメージとして浮かべながら読み進める多読法を意識しながらチャレンジされていました。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』達成の感想や達成のために工夫したことを教えてください。
また、現在チャレンジ中の「多読チャレンジャー」の方へのメッセージがありましたらお書きください。

A.本を読むことに時間をかけるのではなく、本を選ぶことに時間をかけるべき

Q.『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

A. 英語でも意外と読むことができるのだと、自信がついた。
知っている物語でも英語で読むと違った感じがあっておもしろさを感じた。

Q.チャレンジする図書はどのように選びましたか?

A.ぱらぱら内容を見て興味があるものを読んだ。

☆おすすめの本として“National geographic”(レベル3)のシリーズを紹介してくれました。世界のニュースや出来事が写真や絵とともに紹介されており、とても興味深いシリーズです!


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

経済学部 佐々木 優先生へのインタビュー

経済学部 1年生 Kさんが、経済学部 佐々木 優先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?

A.本はいつも読んでいます。

 

Q.週に何冊読みますか?

A.数えきれないくらい読んでいます。仕事で本を読むことが多いです。

 

Q.どのようなジャンルの本を読んでいますか?

A.仕事に関係がある本を中心に読んでいます。そのため、小説を読むことは少ないです。

 

Q.先生が好きな本を教えてください。

A.『天才たちの日課』という本です。私が彼女と雑貨屋さんにいた時に、小さな本棚にあったその本がふと目に入りました。この本はアインシュタインやピカソなどの天才達がどのような生活をしていたのかを書いたものです。私は、天才の生活には共通の特徴があるかも知れないと予想をして、読書をはじめました。しかし、私が読後に得た結論は、予想外の物でした。天才たちはそれぞれのスタイルで思い思いに生活をしていて、そこに共通点はなかったのです。だから、私は、自分に合った生活を送るのが1番良いと感じました。自分の好きな通り生きて行こうと思いました。朝早起きするか、夜更かしをするか、朝ご飯を食べるか食べないかなどは、自分にフィットしたやり方で進めていっていいんだと自信を持ちました。この本は、その見つけ方もそこから得た教訓も、思いがけないセレンディピティ(偶然の出会い)に満ちたものだったので、とっても強く印象に残っています。

 

Q. インターネットが進んでいる一方で、大学生が本を使うべきメリットはありますか?

A.私はインターネットと本、つまりデジタルとアナログの両方を駆使するべきだと思います。大学生がレポートを書く際に、パソコンを用いて参考になる本を見つけるスキルは必須です。ただ、それだけでなく、アナログの方法も重要です。買う本の予定もないが、本屋さんに入店して、ふと手に入った本が今後の人生に影響を与えるかもしれないので、積極的にセレンディピティ(偶然の出会い)に出会うべきです。

 

感想:質問に丁寧に答えていただき、ありがとうございます。私は先生の好きな本が先生の専門分野についての本ではなくて、エッセイだということが予想外で面白かったです。私もセレンディピティ(偶然の出会い)を体験したいと思いました。甲南大学の最寄駅にも本屋さんがあるので、電車を持つ数分でも本を手に取り、眺めてみようと思いました。そのようなことを考えると、明日も楽しくなってきました。

(インタビュアー: 経済学部 1年生 Kさん )

「[劇場版]ごん」と「イスラエル文学」に関する展示をしています。

来る11月に、甲南大学で行われる2つの文学系イベント「[劇場版]ごん」「ふれてみよう。イスラエルの文学の今」に関連する本を、図書館入り口特設コーナーに展示しました。

新見南吉と「ごんぎつね」に関する本、イスラエル文学の最近刊やヘブライ語に関する本など、イベントに関連する本を展示しています。
展示している本は、どれも貸出できますので、秋の読書にいかがでしょうか。

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甲南大学文学部 ぶんたすプロジェクト

『[劇場版]ごん』上映会

+八代健志監督が登壇!

2022年11月1日(火)
上映会1回目 12:20~
上映会2回目+監督対談 14:40~
(ショートフィルム約30分)

場所:岡本キャンパス 8-24講義室

甲南大学生はどなたでも無料で参加できます。

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KONAN プレミア・プロジェクト We Love Books 「文学、あります」プレイベント

「ふれてみよう、イスラエルの文学の今」

ウズィ・ヴァイル『首相が撃たれた日に』出版記念
講演&朗読の夕べ(日本語&ヘブライ語)

2022年11月17日(木) 18:00~
場所:岡本キャンパス icommons内のiStage

甲南大学生に限らず、どなたでもご参加いただけます。
詳しくは⇒こちら

 

[藤棚ONLINE]知能情報学部・田中雅博先生 コラム「私の本棚」

図書館報『藤棚ONLINE』
知能情報学部・田中雅博先生 コラム 「私の本棚」

 23年前に甲南大学に赴任したしばらく後から、通勤の便利さのためにマンションに住むようになってから、自宅であまり本を増やすことができなくなりました。マンションを買うときに、私の使う部屋の壁一面に本棚を作りつけてもらいましたが、それも大したキャパシティではなく、さらに、あろうことか、妻は断捨離の番組を見るのが趣味で、ことある毎に私に「本を断捨離しろ」と言ってうるさいのも災いしています。

 文系には、自宅で主に仕事をしている先生もおられると思いますので、はっきりさせておくと、ここで言っている「本」とは、通勤の電車の中などで読む、隙間時間用の娯楽のためのものです。研究室にはもちろん大量の本が入る棚がありますが、そこには研究関係の専門書やファイル、コンピュータ関連の消耗図書がひしめいていますので、私の私物が入る余地はほとんどありません。かくして私は自宅に、幅80cmの棚が二十段ほどある作り付けの本棚に入るだけの本しか溜めることができないのです。ちなみに、私は夏休みであっても大学に来て仕事をしていますので、基本的に家には仕事関係の本はほとんど置きません。

保久良神社
保久良神社(神戸市東灘区本山町―撮影:田中先生)

 本が好きな人はたくさんいて(私も大の本のファン!)、中には立花隆のように、本は自分の脳の一部のようなものであって、建物全部書架で、どこにどんな本があるか覚えていて、必要とあればすぐに本を調べるというタイプの人がありますが、私は断捨離好きの妻による洗脳のせいか、数年開くことがない本は結局読まない本だからいらないという考えを一応理解しています。目が衰えてきた今、本を精力的に読むことができる残り時間はそんなに長くないということも感じています。学生時代から持ち続けていた、色の変わり果てた何冊かの教科書は、ここ数年でほぼすべて捨てました。

 私は、本を買うのが好きで、毎週のように近所の大型書店に行っては、本を購入します。最近コロナ渦で少しペースが落ちましたが、やはり書店に行っています。そこで、私は、まずは新書か文庫本を狙います。これは安いということ以外に、棚を低く設定できていいということと、厚みも薄いという利点もあるからです。そして、もう読むことはないと思う本から処分します。買い足す量と処分する量が均衡していますから、一定の本棚ですんでいるわけです。

 購入に際しては、大きくは、著者の名前を見つけたら買う本と、中をめくってみて買う本があります。前者の例としては、林望、藤原正彦、立花隆、内田樹、中島義道、養老孟司、向田邦子、夏目漱石、内田百閒、池波正太郎、福岡伸一、伊藤亜紗、森博嗣、飯間浩明などがあり、自分が熱狂しているときは、新刊が出ればすぐに買いました。

 処分するほうは、ハウツーものから断捨離の対象となりました。サンデル教授のものも、私は早く飽きてしまいましたので、一度読んだら処分の対象となりました。数多く出ている「スタンフォードもの」もそうです。買ってはみたけども、全然価値が見いだせなかった本も、あっという間に本棚から消える運命にあります(あえて著者の名前は出しませんが)。

 いま本棚に残っている本は、文章の書き方に関する本(これはハウツーものとは思っていません)、哲学的なもの(再度読みたくなります)、人工知能(これは、土日に持ち帰り仕事をするためにやむなく)、そして、最も多いのはまだ読むことがあると思うばらばらの本です。すでに見切り処分した本は買ったのが無駄だったということではなく、頭に入りやすいので一度読んだらもういらないという判断をしたものです。こういう本こそ、借りて読むべきだったのでしょう。そして、まだ読んでいないが、これからいつか読むつもりという本はほとんど単行本です。私のルールでは廃棄対象なのですが、立派な装丁と高い価格が幸い(か災いか)して、捨てきれません。こうやって、いま本棚に乗っている本は、フィルタをかけて残った、自分にとって価値のある本と、良いか悪いか判断できていない本ということになります。

田中先生の本棚
田中先生の本棚。

 ちなみに、実家に帰ったら、中学、高校時代に買った、明治、大正頃の文芸作家やロシアの文豪などの文庫本がたくさんありましたが、残念ながら、紙が色あせて到底読める状態ではなかったので、全部捨てました。

 ブログ読者の皆さんには何の役にも立たない記事になってしまったかもしれませんが、役にも立たない本を読むということも、脳内ホルモンの分泌をよくすることに貢献するかもしれません(何の根拠もありませんが)。ぜひお試しを。

図書館の本総選挙、投票開始!

今日から図書館の本総選挙イベント、投票開始です!
図書館の貸出ランキング上位の小説・エッセイから候補を12作品ピックアップ、甲南大学生の好きな本2022年度No.1を決定する企画です。
投票は11月9日(水)まで。気軽にご参加ください!

投票先URL: https://forms.gle/v6HMkdaNiYpG74Mx5