【第9回 甲南大学書評対決】 本田健著 『20代にしておきたい17のこと』

10月22日(火)に開催された第9回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

グローバル教養学環 STAGEチーム 1年  玉岡 穂ノ佳さんからのおすすめ本です。

 

 

書名 :20代にしておきたい17のこと
著者 : 本田健
出版社: 大和書房
出版年:2010年

著書の本田健さんからの応援を力に、元気いっぱいに紹介してくれました。

 

以下、玉岡さんからの書評です。

 

”人生の90%は20歳で決まる”

20代はお金持ちになりたい、とか海外旅行に行きたいなどの感受性豊かであり、多くのことを学べる期間です。ですが、多くの人が、ただ深く考えず働いただけであり、大切なことが分からない20代を過ごし、その後苦労しているそうです。

この本は、著者の本田健さんが、自分の20代の頃を振り返り、20代で知っておくべき内容が詰まっています。私は、中学受験や大学受験といった、周りに言われた道ぐらいしか見えていませんでした。ですが、この本を読み、今起きている嫌なことや辛いこと、無駄だと思うことは30代で回収される伏線だと思うことができました。

自己成長や人生の方向性模索している人、将来に対する不安や迷いを抱えている人、自分自身のあり方や方向性を考えている人に読んでいただきたいです。

 

 

第9回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中!

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【第9回 甲南大学書評対決】 高橋則夫著 『刑の重さは何で決まるのか』

10月22日(火)に開催された第9回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

法学部教授 竹内 健互 先生からのおすすめ本です。

 

 

書名 : 刑の重さは何で決まるのか
著者 : 高橋則夫
出版社:筑摩書房
出版年:2024年

竹内先生3冊目のおすすめ本です。先生のご専門分野の図書を紹介してくださいました。

 

以下、先生の書評です。

 

「刑が軽い」。裁判実務と日常感覚の「ズレ」はどうして生じるのでしょうか。世界三大発明と言えば、火薬・羅針盤・活版印刷ですが、「ルール」も人類にとって偉大な発明の一つです。

本書では、刑法学の世界、処遇論の世界、量刑論の世界、刑法学の新しい世界という5つの寄港先立ち寄りながら、「犯罪とは何か」、「なぜ刑が科されるのか」という刑法(ルール)に投げかけられる究極の問いに向けて航路を進めていきます。

本書で、その「答え」は時代や社会の価値観などに伴って「変更可能性」を免れないものであるおとが示されていrます。「人間とは何か」という一筋縄ではいかない難問(アポリア)も背後に待ち受けています。だからこそ、「考えるのが面倒だ」と思うかもしれません。しかし、刑法は「他人ゴト」ではないのです。唯一絶対の「答え」もありません。でも、そこにこそ「刑法」の奥深さと醍醐味を感じてもらいたいと思います。

 

 

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【第9回 甲南大学書評対決】 筒井康隆著 『残像に口紅を 復刻版』

10月22日(火)に開催された第9回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

法学部教授 竹内 健互 先生からのおすすめ本です。

 

 

書名 : 残像に口紅を 復刻版
著者 : 筒井康隆
出版社:中央公論新社
出版年:2022年

竹内先生2冊目のおすすめ本です。50音が世界からなくなっていく世界の結末を知りたくなる、そんなプレゼンをしてくださいました。

 

以下、先生の書評です。

 

「ダザイスト」に「ハルキスト」。筒井康隆も「ツツイスト」と呼ばれる愛読者層が形成される有名な作家です。

なぜ数ある筒井先品の中から本書を選書したのか。一つには、本書の舞台が「御影」だからです。筒井はかつて御影に仕事場を持っていました。

理由はそれだけではありません。本書では、物語が進むにつれて使われる文字見(音)が一つずつ消えていく「リポグラム」という手法が採られています。冒頭から「あ」が消えます。これにより「あ」が名指す対象(例えば、「明日」や「iCommons」)はその言葉も含めて存在もろとも作中世界から忽然と消え失せます。使える言葉が減っていく中で世界からは次から次へと言葉が指し示す対象(あるいはその「イデア」)が消えていくわけです。そうした制約と仕掛けの中で物語は進みます。

「最後に残る文字」とは何か、タイトルの「残像に口紅を」とはどのような意味か。それは本書を読んでの「お楽しみ」です。

 

 

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【第9回 甲南大学書評対決】 ミシェル・フーコー著 『監獄の誕生 : 監視と処罰 新装版』

10月22日(火)に開催された第9回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

法学部教授 竹内 健互 先生からのおすすめ本です。

 

 

書名 : 監獄の誕生 : 監視と処罰 新装版
著者 : ミシェル・フーコー
出版社:新潮社
出版年:2020年

竹内先生1冊目のおすすめ本です。学生のうちこそ背伸びして高い本を読んでみてほしいと紹介されました。

 

以下、先生の書評です。

 

学生時代こそ背伸びして「分かりにくい」本を手に取ってみましょう。本書はそんな一冊としてオススメです。

かつて刑罰は身体刑が中心でしたが、近代以降、犯罪者を「監獄」に収容して精神を矯正させる刑へとあり方が大きく変化しました。この刑罰制度の大転換は「人道主義」の成果なのでしょうか。フーコーによれば、そうではありません。「君主権的権力」から「規律権力」へという権力メカニズムの変容によるものです。建築様式としての「パノプティコン」という刑務所施設では受刑者は常に誰かに監視されているかもしれないと意識する結果、自分で自分を監視して規律を内面化するようになり、従順な個人が効率的に作り出されます。フーコーは、こうした「監獄」のシステムに、工場、軍隊、病院に代表される近代の管理システムの原型を見出しました。

本書は約半世紀前のものですが、今も現代社会を分析する視角としての有用性を失ってはいません。

 

 

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森元勘治(知能情報学部)『おしゃべり数学:思わず話したくなる20の話題』

■『 おしゃべり数学 : 思わず話したくなる20の話題
金風舎 , 2024.5
■ ISBN  978-4910491172

■ 請求記号 410//2379
■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 森元勘治(知能情報学部)著

<自著紹介>
 本書は、高校の先生と男女の生徒の3人が、おしゃべりを通して、様々な数学の話題を展開するというストーリーです。話題は20話あり、数当てクイズや双六、積み木、折り紙、和算や利息、出会いの確率、円周率、高速道路の曲がり具合、方程式、ひもの結び等々、楽しい話題が満載です。やさしいところから始まり、少し理論的なところまで、知らず知らずのうちに、楽しい数学の世界に引き込まれていることでしょう。キャラクターも登場し、挿絵も豊富で、是非楽しんでください。

経済学部 宮本 舞先生へのインタビュー

経済学部2生 海野 朱音さんが、経済学部 宮本 舞先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

・読書はどれぐらいの頻度で読まれますか?

仕事や研究の調べ物を入れたら毎日本は読んでいますが、趣味の読書は子供が生まれてからのここ1年ほぼできていません。(絵本は毎日読んでいますが・・・)


・どのジャンルの本をよく読まれますか?

仕事や研究では経済や環境問題に関する本、趣味の読書ではミステリーが好きです。ミステリーは元々好きで、子供の頃は、はやみねかおるの「名探偵夢水清志郎」をよく読んでいました。


・読書をするのにおすすめの場所はありますか?

大学生の頃は行き帰りの電車の中でよく読書していました。(たまに降りる駅を通過してしまって焦ることも・・・)電車の中以外だと家やショッピングモールといった少し騒々しい場所で読んでいました。図書館のような静かすぎる場所は落ち着かないので、コーヒーをお供にいわゆる日常の中に溶け込んで読むことが好きです。


・学生におすすめしたい本はありますか?

森博嗣の四季シリーズが好きです。森先生の作品は四季シリーズ以外にも大学が舞台になっているものが多く、共感できる部分も多いかと思います。また、昔に比べてAIが日常に浸透してきたからこそ、自分で考えることがより大切になってきています。森先生が書かれる本は研究に関連する内容が多くでてくるので、作品を読むことで普段と違う思考を促されることが期待できます。
私は一冊、シリーズものだと一作目を読んで面白いと感じる本があれば、著者買いをしてしまいます。好きな作家を見つけて、その作家の本を次々と読んでいくと、「好き」がどんどん広がっていく感じがしてワクワクするのでおすすめです。


・学生に向けて一言!

自身も大学生のときに周りの大人から「働くと時間がなくなる」と言われて、「ほんと?多少はあるでしょ!」と思っていましたが、働くと本当に自由に使える時間が少なくなります。
ぜひ、自由な時間が比較的多い学生の間に皆さんの「好き」を広げてください。


(感想)

今回初めてのインタビューで少し緊張していたのですが、宮本先生がフレンドリーに話しかけてくださったので緊張もほぐれ、時間があっという間に感じました。インタビューの中では「自分で考えることが大切になってくる」という言葉は特に印象に残っていて、AIではなく人間だからこそできることが今後重要になっていくことを改めて感じました。


(インタビュアー: 経済学部2生 海野 朱音さん