経済学部 ・マネジメント創造学部 三上 亮先生へのインタビュー

マネジメント創造学部 4年生 小栗 珠実さんが、経済学部 ・マネジメント創造学部三上 亮先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.どのくらいの頻度で本を読みますか?

A.参考書や教材は週に2冊。一般的な書籍(小説等)は2か月に1冊です。

 

Q.普段どのような本を読みますか?

A.大抵は専門書をよく読みます。今抱えて居る問題を解決するための本を結構よく読むことが多いです。例えば、パソコン操作や分析の方法を詳しく知りたい時に、それを知れる本を探して読みます。研究者になってから、専門書を読む時間が多くなり、それ以外の本を読む時間が減ったので、大学生の時に、色々な本を読んだ方がいいと思います。

 

Q.書店や図書館で本を買う、借りる時、どのように本を探して読んでいますか?

A.現状の問題を解決したい時に買いに行きます。書店や図書館に行くときは、自分の抱えている問題に関する分野に足を運び、本を探します。大学生の時は、ふらっと訪れて当てもなく本を探していました。

 

Q.大学生にお勧めしたい本は何ですか?お勧めの理由は何ですか?

A.2冊あります。1冊目は、内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』です。構造主義という哲学の考えを、とてもわかりやすく書かれている本です。例えば、経済学の父アダム・スミスについてどのような考え方だったのか、どのような流れでその考えにたどり着いたのかを分かりやすく教えてくれます。昔と今の考え方の違いや、登場人物がなぜ歴史的に重要な人になったのかを、素人にもわかりやすく書かれており、刺激的で好奇心をそそられる内容となっています。

2冊目は、『出社が楽しい経済学(NHK)』です。経済学が何かを全く知らない初学者でも、この本を読めばなんとなく理解ができるようになっています。

 

Q.最近読んだ本で面白かった本などありますか?

A.福永武彦さんの『古事記物語』です。海外の人と話した時、日本の歴史わかってなかったなぁと思ったのが読むきっかけでした。読んでいくと、日本の地名の由来や風土等、知らなかったことを学べて、楽しんで読んでいます。

 

Q.どういった時に本を読みますか?

A.小説などは、時間に余裕がある時、心に余裕がある時、アイデアに行き詰った時に、頭をリフレッシュさせるのに、読むことが多いです。

 

Q.専門書を読むとき、どの部分に注意して読むとかありますか?

A.全部を理解しようとするよりも、大事なところが何かを意識して読むことが重要だと思います。自分が知りたいところは何か、今分からないところがどこかを確認しながら読めば、理解できる部分に対して集中して読むことができるようになります。

 

感想 :質問に対し丁寧にお答えいただき、またインタビュー内容以外で面白かった本について、本の趣味など楽しいインタビューになり、とても楽しかったです。先生が紹介した本はどれも自分自身とても好奇心を刺激させる内容であり、本を借りて読んでみようと思いました。哲学の本から、経済や古典など幅広く読まれているので、私も様々な分野の本を読んでいこうと思いました。インタビューさせていただき、ありがとうございました。

 

<三上 亮先生おすすめの本>

内田 樹 著 『寝ながら学べる構造主義』 文藝春秋 ,  2002年

吉本 佳生 著, NHK「出社が楽しい経済学」制作班編 『出社が楽しい経済学 』 日本放送出版協会 , 2009年

(インタビュアー:マネジメント創造学部 4年 小栗 珠実  )

奥野 明子 (経営学部)『利他の構造』

<教員自著紹介>

本書では、稲盛和夫の経営哲学の根幹をなす「利他」を多面的に捉えた。私が執筆した章では、ワーキング・マザーに対する利他的行動を促すマネジメントについて考察した。

子供の病気や家庭の都合等、ワーキング・マザーが働き続けるためには同僚達の利他的行動が不可欠だ。しかし、自発的な利他的行動をマネジメントが引き出すことは難しい。マネジメントができるのは、それが生まれる場をつくることではないだろうか。

■ 『利他の構造
■ 奥野 明子 他 著 , ミネルヴァ書房, 2021.10
■ 請求記号 335.15//2207
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 奥野 明子  (経営学部)

平井 健介 (経済学部)『ハンドブック日本経済史』

<教員自著紹介>

本書は、日本経済史を学ぶ学生が、講義や教科書の内容をさらに深めたり、ゼミや卒論などで研究したりする際の手引書です。

江戸時代以降の日本経済の歩みを6つの時代に分け、各時代の概説と需要事項(人口、対外関係、産業、エネルギー・環境、金融、政策、インフラ、思想・構想)を、統計や図版を用いつつ、それぞれ4ページで解説しています。講義や教科書では重要なポイントが分かりにくいという読者に最適の一冊です。

■ 『ハンドブック日本経済史
■ 平井 健介 他 編著 , ミネルヴァ書房, 2021.12
■ 請求記号 332.105//2018
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 平井 健介  (経済学部)

西村 順二 (経営学部)『地域創生マーケティング 』

<教員自著紹介>

本書は、地方創生が注目される時代に地域視点から改めて地域の創生を考えたものである。地域とは、単なる地理的エリアではなく、空間的に自由なネット空間までをも射程に入れる。それにより、需要と供給はエリアから解放され、地域はプラットフォーム化する。

また、創生とは地域資源を再発見・育成し、地域ブランド化することを目指す。その為の理論、そして具体的な地方創生の諸活動をマーケティング視点から整理したものである。

■ 『地域創生マーケティング
■ 西村 順二他 編著 , 中央経済社, 2021.11
■ 請求記号 601.1//2180
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 西村 順二  (経営学部)

 

中村 耕二 (名誉教授)『The Journey to Serendipity (2021)』

 

<教員自著紹介>

 11月の初旬にロンドンの出版社から『 Dreams of Serendipity (2019)』 の続編として、『The Journey to Serendipity (2021)』を出版しましたので、紹介します。

 コロナの感染症の猛威がやっと落ち着き、リモートのお仕事だけでなく、対面のお仕事も 始まり何かとお忙しいことと存じます。 秋の夜長や冬休みに、もしお時間があるようでしたら、ご興味のある章を写真と共に少しお読みくだされば幸いです。各章の始めに掲載した写真はすべて現地で自ら撮影したものです。

 実在の英国人技師  Joseph は明治政府の招聘で1868年に来日し、日本の灯台や鉄道シ グナルの近代化に貢献し、明石藩家老の四女と結婚し、日本文化をこよなく愛し、1914年 に神戸の外国人墓地で永眠しています。 夢の中で Joseph の啓示を受けた子孫が国や文化 を越え、100年の時を経てその血族にめぐり逢います。 日本人と英国人の両方の文化背景 を持つ主人公達の二世代にわたる心の旅路です。 物語は Joseph の降誕の地であり、中世 の旧市街が魅力的でユネスコ世界遺産に選ばれた Edinburgh, 歴史文化の漂う古都 York, 多文化主義を標榜する近代都市Leeds, 古城があり宝石のような街 Knaresborough, ヨークシャー・デールに抱かれた美しい村 Pateley Bridge, 日本海の幸に恵まれた山陰の小京都倉吉、孤高で神々しい大山、エーゲ海のような瀬戸内海を望む牛窓、歴史ロマンの香る 須磨 明石を舞台に展開します。

 

こちらは、ロンドンの出版社の紹介文です。↓

 

■ 『The Journey to Serendipity (2021): Edinburgh, Yorkshire and Kobe
■ 中村 耕二 , New Generation Publishing , c2021
■ 請求記号 933.7//4014
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 中村 耕二 (名誉教授)

 

住野よる著 『また、同じ夢を見ていた』

知能情報学部   4年生 Hさんからのおすすめ本です。

書名 : また、同じ夢を見ていた
著者 : 住野よる著
出版社:双葉社
出版年:2016年

 

 生きる意味が分からない、自分にとっての幸せって何だろうと悩んでいる人いませんか?

 「幸せ」をテーマに1人の女の子が日々葛藤する物語。主人公の奈ノ花は小学生の女の子。読書好き。「人生は○○なようなもの」というのが口癖。この本の中に出てくる奈ノ花の独特なこの口癖がとても面白い。

 周りよりもすこしませていて、小学校で少し浮いている奈ノ花が国語に授業で課題となった「幸せとはなにか?」について答えを探す。奈ノ花は3人の女性にアドバイスをもらいながらこの答えを探す。しかしあることがきっかけで3人とも姿を消してしまう。3人は何者だったのかを読者自身が考え、推理するのもこの本のもう1つの楽しみ方だ。

 人よりも賢い小学生の女の子が、年齢も雰囲気もバラバラな出会った友達との交流を通じて考える。ちょっと不思議な、心温まる。奈ノ花の疑問を受け止めて、真摯に答えてくれる大人達。その言葉をしっかり考えて、少しずつ成長していく奈ノ花。読んでいてハッとする場面が多かった。中盤にかけて奈ノ花の周りで起こる不思議な体験も、読んでいくにつれて伏線が回収されていく心地よさもあって良き読書感。最後の最後にようやくすべてのことがつながる。大きな感動というよりは、心温まるストーリー。

 幸せとは何かを考えさせられる作品。幸せとはなにかの回答が小学生が導き出したものとは思えないものだった。人生で一度も後悔のない選択肢を取り続けるのは無理だと思う。でも、選択し続けた先にこその今があり、今幸せを感じていることが一番大切と思わされた。人生とは、幸せとは。確実に言えることは、この作品に出会えて幸せだということだと思う。

 この本を読む人すべてに幸せが訪れますように。