JONES Brent A.先生(マネジメント創造学部)「座って楽しめる冒険」

☆新入生向けの図書案内
 この機会に甲南新入生の皆さんに私の読書にまつわる楽しい思い出と読書、特に図書館へ行くことの喜びや価値についてお話ししたいと思います。私は長年にわたる読書が私に多くのエンターテイメントを与えてくれたと同時に、私を人間として磨き、人生のチャレンジに向かって生きていける準備を整えてくれたと硬く信じています。私の話を最後まで読んで下さい。きっといいことがあります!
 まず、私が大変幸運だったのは読書を愛する母の存在と、母がその楽しさを子供と共に分かち合ってくれたことです。家に置いてある本や図書館で借りてきた本を通して、私は遠くの地を旅行することができ、いろいろな文化に触れ、多くの冒険に参加することができました。幼少の頃好きだったのは『ロビンソン・クルーソー』(ダニエル・デフォー著)、『千夜一夜』(多数著者)、『アウトサイダーズ』(S.E. ヒントン著)です。これらの物語は私の世界に対する理解を深め、私の性格や個性の形成に大きく影響を与えました。また、私は雑誌も好きで、ナショナルジオグラフィック、ポピュラーメカニック、ボーイズライフなどを読み、マッドマガジンなどにも寄り道していました。日本に来たのも読書の影響があります。18、19 歳の頃にハワイのカウアイ島の北海岸にキャンプ旅行に行った時、ジェームス・クラベルの1152 ページに及ぶ『将軍』を読破しました。優れた本にはありがちですが、私はこの小説に浸透し食事やその他のことも忘れるほど没頭しました。
 勉強の面では、私は学術的書籍に大いに恩恵を受けました。高校生として学校の図書室に通うことを教え込まれ、優れた百科事典に感心しました。たくさんの知識が図書室の1棚1棚に集まっていることに畏敬の念を持ちました。もちろん現在ではインターネットがありこれらすべてのものにアクセス可能です。しかし、図書室の安らぎへ逃げ込む事は楽しさの1つです。トピックからトピックにジャンプし空想に深く入り込むものは本当にこの上ない喜びです。スマートフォンなどの最新技術がこのような喜びを現代の、そして未来の若者から奪わないことを願います。
 私の専門は外国語教育ですが、私はいつもビジネス関連の団体や学部と共に仕事に取り組んでいます。このことから、私はビジネス分野の本をかなりの量読んでいます。その中で多くの概念や理論は私の研究分野、教育に応用できるからです。これは幅広い分野の本を読むことの喜びや価値であり、私の人生の他の部分にリンクし、重なります。
 私の読書習慣は、良い悪いかはわかりませんが、いくつかの本を同時に読むことです。その時の気分によりあっちこっちと別の本を読みます。また、読んだ物語や考えについて友達や家族と話し合うことも喜び を違った次元に持って行ってくれ、本からの知識や経験を自分のものにする手助けをしてくれます。
 みなさんが多くの本の冒険を楽しめますように。さて、私も自分の読書に戻らなければ。
 で、いいことって何でしょう?それは、冒険と知識の世界です…すべては甲南大学の図書館にありますよ。

甲南大学図書館報「藤棚」(Vol.35 2018) より