
文学部 1年生 Oさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)
書名 : ロビンソン・クルーソー
著者 : デフォー著 ; 唐戸信嘉訳
出版社:光文社
出版年:2018年
『ロビンソン・クルーソー』と聞いてタイトルは知っているが、実際には読んだことがなく具体的にどのような物語なのかは知らないという人も多いかもしれない。どのような物語なのか簡単に説明すると、名もなき無人島に1人打ち上げられた船乗りロビンソン・クルーソーの28年間の生活を描いた物語である。クルーソーは船に残っていた道具や物資などを活用してどうにか生き延びて行くというのがこの話の大筋だ。
この物語の大きな魅力は、詳細に描かれているクルーソーの行動や心境から様々な教訓を学ぶことができることだと思う。例えば、島に漂着してしまったクルーソーが全てが最悪の状況だと嘆き、途方に暮れるという場面がある。しかしそういった現状をいくつか書き出して整理すると、他の乗組員とは違って自分は海の藻屑とならずに生きているし、船にあった物資もいくつか残っているということに気がつく。そこからクルーソーは「最悪の状態に見えても書き出してみると意外に悪くない状況だとわかる」と希望を見出している。その他には、孤独な生活に耐えられなくなったクルーソーが船から持ち出した聖書を読み、落ち着きを得る場面がある。そしてその経験からクルーソーは「怪我や病が肉体を侵すように不安もまた心を侵す」と考えるようになり、神への信仰心から平静な心を保てるようになったのである。
ここまで見るとクルーソーはそのような過酷な状況でも生きることのできる強い人なのだろうと感じるかもしれない。だがしかしクルーソーは決してそのような人ではない。元々クルーソーは裕福な家の生まれであったが、生活を窮屈に感じて家出をし、船乗りへとなったという過去がある。そのため島に来た当初、クルーソー自身は何か物を作る経験や病気、狩りなど生き抜くために必要な知識もほとんど持っていなかった。しかしそれでもクルーソーは見よう見まねで物を作ったり、他の物を代用したりと諦めることなく果敢に挑戦している。そういった姿勢が読んでいてとても感銘を受けた。
島へ漂着して数年が経過した頃、クルーソーは海岸でとある民族が島へやってきているのを目撃するが…。世界的にも有名な本作だが、話の内容自体はそこまで複雑ではない。果たしてクルーソーは無事に島を脱出できるのか、普段あまり本を読まない人でも是非とも読んで欲しい作品だ。
