1-2. 語学学習室」カテゴリーアーカイブ

『The Black Swan』Nassim Nicholas Taleb

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/TA/6
Title: The Black Swan
Author: Nassim Nicholas Taleb

 「白鳥」は白いもの。
この常識は、オーストラリア大陸で「黒い白鳥」が発見されたことで非常識になりました。
この本の標題となっている「ブラック・スワン」とは、起きる可能性が非常に低いことが、ある日突然起こることを指して、著者のタレブ氏が名づけた言葉です。
 タレブ氏がこの本で「市場には『不確実性』という名の地雷が埋まっており、過去から未来は予測できない。」と、警告を発したのは2007年。そして、実際に2008年に世界通貨危機が起き、一気にベストセラーになりました。
 世界通貨危機にしろ、東日本大震災にしろ、統計上からみて100年に1度、1000年に1度しか起きないとされることが、実際には結構な頻度で起こっています。
人はなぜ「ブラック・スワン」を予測できないのか。
「ブラック・スワン」に備えるにはどうすればいいか。不確実な世界に生きる我々への提言です。

『JUSTICE』 Michael J. Sandel

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/SA/6
Title: JUSTICE (これから「正義」の話をしよう)
Author: Michael J. Sandel

 日本でもベストセラーになったハーバード大学 マイケル・サンデル先生の『これから「正義」の話をしよう』の原著。
 「正義」は、裁判や法令にのみ必要なのでなく、我々の日々の社会生活の中で常に問題となっています。
サンデル先生の『Justice』は、紀元前から現在に至るまでヒトが考え続けた「正義」について、分かりやすい事例を紹介しながら解説する「教科書」として作られました。
 サンデル先生ご自身は、コミュニタリアン(共同体主義者)なのですが、功利主義(Utilitarianism)や、自由主義(Libertarianism)、カント、ロールズ、アリストテレスなど、西洋哲学における主要な説が均一に紹介されていて、できるだけ一つの主張に流されないようになっています。
つまり、「何が正しいのか」は、我々自身が過去を学び、これから考えていかなくてはなりません。

『The Immortal Life of Henrietta Lacks』Rebecca Skloot

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 830/SK/6
Title: The Immortal Life of Henrietta Lacks
Author: Rebecca Skloot

 ヘンリエッタ・ラックスという人を知っていますか?
 ・・・知りませんよね。
20世紀前半、タバコ農園で働いていた貧しい黒人女性で、特に何かを成したわけではありません。けれど、我々は、彼女が居たからこそ、彼女が癌になったからこそ、今の医療を受けることができるのです。
 1951年、ヘンリエッタに無断で採取された癌細胞は、無限に分裂を続ける「不死化した細胞」となり、彼女の頭文字をとって「HeLa(ヒーラ)」と名づけられた。世界中の研究室で培養された「ヒーラ」は、医学、生物学、薬学などの様々な研究に使用され、世界中の研究室に高額で売買されている。
 けれど、細胞の提供者であるヘンリエッタには何の見返りもなく、彼女の子どもたちは医療さえ満足に受けられる状態ではなかった・・。
 科学の発展と倫理を社会へ問いかけ、ベストセラーとなったノンフィクション。
邦題 「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」

『11/22/63/』 Stephen King

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル6】 837/KI/6
Title: 11/22/63/
Author: Stephen King

 1963年11月22日は、アメリカ大統領 ジョン・F・ケネディが暗殺された日である。
ケネディの暗殺については、様々な憶測が飛び交っているが、スティーブン・キングのこの小説は、事件の謎を解くものではない。
キングがテーマにしたのは、「もし、歴史を変える力が与えられたら、お前はそれを使うか?」という問いである。
 1960年頃のアメリカは、プレスリーの流れる “アメリカン”な時代であった反面、深刻化した冷戦によって核戦争の危機にさらされていた、不安な時代でもある。
ケネディ大統領が暗殺されたことで疑心暗鬼になったアメリカは、その後泥沼のベトナム戦争へとつき進むことになり、結果、癒えることのない大きな“痛み”を引きずっている。
だから、もし、ケネディが暗殺されなかったら・・・。
 主人公ジェイク・エッピング(Jake Epping)は35歳の平凡な高校教師である。
ある日、友人のアルが、彼の家の物置に1958年につながるタイムホールが開いていると告白する。そのタイムホールをつかって、アルはケネディ暗殺を阻止する計画を立てていた・・・

『If You Give a Mouse a Cookie』Laura Numeroff

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル0】 830/N/0
Title: If You Give a Mouse a Cookie
Author: Laura Numeroff

「もしきみが、ねずみ君にクッキーをあげたら?」
 「ねずみ君はきっと、ミルクが飲みたいって言うよ。」
「それで、もしきみが、ねずみ君にミルクをあげたら・・・?」
という掛け合いでつながる絵本。
かわいらしい絵のおかげもあって、すごくカンタンなのですが、文章には意外と重要な文法の要素が詰まっています。
子どもになったつもりで、何度も声に出して読んでみるのがオススメ。

『Do Androids Dream of Electric Sheep?』Philip K. Dick

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル5】 837/O/5
Title: Do Androids Dream of Electric Sheep? (アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)
Author: Philip K. Dick
Series: Oxford Bookworms Library ; Stage5

第三次世界戦争によって、地球は核に汚染され、生物は壊滅的な打撃をうけた。
それでも地球を離れることのできないヒトは、電気仕掛けの動物をペットとして飼い、しがみ付くように暮らしている。
この世界で労働しているのは植民惑星で働く「アンドロイド」たちである。
アンドロイドが逃亡することは禁止されているが、肉体の構造から感情までも人間そっくりのアンドロイドが迫害と過酷な労働に耐えかねて逃亡し、「ヒト」として地球に潜伏するケースが絶えなかった。
主人公リック・デッカードは、逃亡したアンドロイドを発見し、「処分」する賞金稼ぎである。
リックは精巧すぎるアンドロイドを見分けるために、「感情移入能力」の有無を調べます。
ここで一つ、あなたに伺いたい。あなたは、他人と共感し、行動することができますか?
「ヒト」とは何をもって定義されるのか、心とは何なのか、電気で動く羊の夢を見るのは、アンドロイドなのかそれとも、電気で動く動物を飼うことを夢見るヒトなのか・・・。
1968年に発表されたSFの名作で、映画「ブレード・ランナー」の原作です。