2.おすすめの本」カテゴリーアーカイブ

「現代日本と平生釟三郎」(KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『平生釟三郎の本』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画(2023年4月「平生フィロソフィ」発刊記念)『平生釟三郎の本』で、企画者のKさんが紹介した本です。

安西敏三編著「現代日本と平生釟三郎」
晃洋書房 , 2015.3

平生釟三郎は、本来あるべき教育を考察していた。みんなが同じような思考回路になっていて、考えることを放棄している教育を批判した。平生釟三郎は、生徒に寄り添い、個性を大切にしていた。平生釟三郎の教育論とは。
平生釟三郎は、みんなが同じような思考回路になっていて、考えることを放棄している教育を批判し、本来あるべき教育を見据えていた。生徒に寄り添い、個性を大切にした平生釟三郎の教育論とは。

「平生釟三郎自伝」(KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『平生釟三郎の本』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画(2023年4月「平生フィロソフィ」発刊記念)『平生釟三郎の本』で、企画者のKさんが紹介した本です。

平生釟三郎著 ; 安西敏三校訂「平生釟三郎自伝」
名古屋大学出版会 , 1996.3

平生釟三郎は、人柄と優れた知性により、多くの業界で活躍された。校長や税関の仕事、保険会社に就職、さらに国会議員まで。この後、甲南学園を作ることになる。国内にとどまらず、平生釟三郎は、韓国やイギリスで働いたり、また、ブラジルにも影響を与える。平生釟三郎の考え方は、なぜ海外にも影響を与えたのか。

「大地に夢求めて」(KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『平生釟三郎の本』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画(2023年4月「平生フィロソフィ」発刊記念)『平生釟三郎の本』で、企画者のKさんが紹介した本です。

小川守正, 上村多恵子著「大地に夢求めて : ブラジル移民と平生釟三郎の軌跡」
神戸新聞総合出版センター , 2001

「常に備えよ」
平生釟三郎は、将来おきる時代の変化や危険なことに備えて、準備することが大切だと考えていた。この考えは、阪神淡路大震災にも生かされた。「常に備えよ」は、甲南生の心に常に刻まれている。新一年生で平生釟三郎のことをあまり知っていないひとは、ぜひ読んでほしい。また、「常に備えよ」は、甲南大学一号館前の石碑にも書いてあります。待ち合わせの場所にぜひ。

「平生釟三郎 : 人と思想」(KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『平生釟三郎の本』)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画(2023年4月「平生フィロソフィ」発刊記念)『平生釟三郎の本』で、企画者のKさんが紹介した本です。

甲南学園篇「平生釟三郎 : 人と思想」 1巻・2巻
甲南学園 , 1999.11-

「すべて人は皆天才である」「人はなんでもできる。ただ、挑戦していないから、できていないだけだ。どんどんチャレンジしていくべきだ!」と、平生釟三郎は考えていた。この本を読めば、あなたは心に火をつけて、情熱をもって生活できるようになるに違いない。

[藤棚ONLINE]図書館長・杉本喜美子先生(マネジメント創造学部)コラム「遠まわりのすすめ」

図書館報『藤棚ONLINE』
図書館長・杉本喜美子先生(マネジメント創造学部) コラム

 みなさんは本を読みますか?どんな理由で目の前の本を選んでいますか?

 昨年末より『天才読書』という本が話題です。“天才たちの頭の中”を見せてもらうことをコンセプトに、テスラ/アマゾン/マイクロソフト創業者らがどのような本を読んできたかを知り、(1) 読書には人生を変える力があること (2) どのような本を読んで成功に到達できたか、を知ることができます。同じ本を読んでも同じ行動ができないのはみなさん承知。とはいえ凄い方々から少しでもヒントを得たいという気持ちもあり。このあたりが、ヒットにつながっているのでしょう。読書は時間がかかるし、そのうえ得た“何か”を表現しにくいもの。小説を読んで“じんわり、ほのか”に感動。新書を読んで“あっ、そうか!”と腑に落ちる。こんな一瞬のために膨大な時間を費やすなんて、楽しいこと盛りだくさん、かつタイパ重視のみなさんにとって、魅力のない趣味かもしれません。

 しかし、先述の本は、(3)成功した方でも読書に膨大な時間を使っていた=人生においては遠まわりこそ大事、ということを示した点で、いい本といえるのではないでしょうか。たくさんの本の中で、自分の読む本が自分の人生にプラスになるかは分からない。だけど、普段の生活から少し離れて、静かに自分と本だけの時間に飛び込んでみる経験は、これからのみなさんをどんな形で支えるかわからない。私は小説が好きですが、主人公の良い/悪い行いの背後にある“深い想い”に触れるといつも、自分の人を見る浅さに気づかされます。人は複雑で御せないもの。だけど“想い”だけが互いの心を動かし、世の中を変えるんだと感じることができます。大学での図書館の使い方はいろいろ。心を整える休憩場所として、みなさんをいつもお迎えしています。

 遠まわりをして、自分を取り戻しませんか?

 自分の学びのなかで関心のある2冊を紹介します。

『創造的破壊の力 資本主義を改革する22世紀の国富論』東洋経済新報社
 フィリップ・アギヨン, サイモン・ブネル, セリーヌ・アントニン(著)
 村井章子(訳)

『入門 開発経済学 -グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション-』中公新書   山形 辰史 (著)

 普段、西宮キャンパスで開発経済学を教えていて、人々の暮らしをよくしていくために経済学はどう貢献できるのかを考えています。どうすればイノベーションを起こしやすい社会になり、持続的成長を達成できるか?成長・繁栄を平等に享受できる社会になるには、どのような制度が必要か?現実社会と学問がどう繋がるのかが分かる2冊です。


【図書館事務室より】
 藤棚ONLINE2023年度第1号は、今年度新たに図書館長に就任されましたマネジメント創造学部教授・杉本喜美子先生より、コラムとおすすめ本紹介でした。
 効率重視の目的一直線な行動に比べると遠回りに思える読書の良さ、というお話しでしたが、どうせならKONANライブラリサーティフィケイトにエントリーして、認定証や記念品と一石二鳥を狙ってみるのはいかがでしょう!(このくらいの効率狙いはまあ許容範囲ということで…)
 図書館では、HPだけでなくTwitterやこのブログでも情報発信していますので、定期的にチェックしてみてくださいね。学生の皆さんのご利用をお待ちしています。

[藤棚ONLINE]法科大学院・宮川聡先生推薦「米朝置土産 一芸一談」

図書館報『藤棚ONLINE』
法科大学院・宮川聡先生推薦「米朝置土産 一芸一談」

桂米團治監修
淡交社, 2016

 今回私が紹介したいのは,第2次大戦後の上方落語復興の立役者の1人である三代目桂米朝さんが1989年4月から1990年10月まで朝日放送ラジオで放送されていた「米朝のここだけの話」という番組で行われた様々な分野の著名人との対談の内容を文字起こしした「米朝置土産 一芸一談義」という本です。2016年に淡交社から発行されていますが,桂枝雀さんが担当されていた「前説」も収められています。なお,編者の桂米團治さんは米朝さんの息子さんです。

 この本では,後に紹介する13名との対談が取り上げられているのですが,実はこの本の前編というべき「一芸一談」(この本でも13名との対談が文章化されています。)が1991年に公刊され,2007年に文庫化されています(ここでは,藤山寛美,13世片岡仁左衛門といった人たちとの対談が文字起こしされています。)。ただ,残念ながら,現在は古書を手に入れるしかなくなっているようですので,続編というべき「置土産」のほうを取り上げることにします。

 「置土産」では,①夢路いとし・喜味こいし(漫才師),②菊原初子(地歌筝曲演奏家),③朝比奈隆(指揮者),④吉村雄輝(上方舞台吉村流の家元),⑤小松左京(小説家),⑥島倉千代子(歌手),⑦小沢正一(俳優・俳人・エッセイスト),⑧橘右近(落語家・書家),⑨高田好胤(薬師寺管長),⑩阪口純久(きく)(上方料理「大和屋」の4代目女将),⑪立川談志(落語家),⑫茂山千之丞(大蔵流狂言師)という各分野を代表する著名人との対談が再現されています。現在大学で学んでいる皆さんにとっては,あまりなじみのない名前ばかりかもしれませんが,非常に興味深いお話が展開されています。

 個人的には,SF作家として著名な小松左京さん(代表作は,「復活の日に」,「日本沈没」など)との対談に最も興味を覚えました。米朝さんと小松さんは,その昔,ラジオ大阪で「題名のない番組」(題名のない音楽会ではありません)という番組を担当されていたので,気心が知れているうえに,博識なご両者の口から話がよどみなく流れ,それがそのまま文章化されているので,読みやすいことこの上ないという感じでした。

 東芝が開発した日本語ワープロ1号機について,使ってみようかと考えたが値段が600万円(正確には630万円だったようです)といわれてあきらめたと発言されている小松さんは,その後,安くなったワープロを使うようになられたのですが,ワープロの操作に慣れていないときに,誤ってせっかく作成した文書(400字詰め原稿用紙2枚半)を消去してしまい,入力しなおさなければならなくなり,大慌てをした話などが出てくるのですが,私にも同じような覚えがあるので思わずぞっとしたりしました。また文壇との付き合いが嫌で関西にとどまっているというような極めて率直なお話が出てきて,人付き合いが苦手な私はここでも「よくわかります」と感じてしまいました。

 30年以上前に放送された番組ですから,その内容や表現については現在の基準からすると問題がある箇所もありますが,それも含めて当時の雰囲気を感じることにも意味があるのではないかと思います。一度手に取ってみればよいのではないでしょうか。