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【第7回 甲南大学書評対決】 有川浩著 『空の中』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

書道部甲墨会チーム 文学部2年  田中 杏佳さんからのおすすめ本です。

書名 :空の中
著者 : 有川浩
出版社: 角川文庫
出版年:2008年

田中さんの紹介してくれた本は、有川浩さんの『空の中』。大人と子ども、二人の主人公が自分の中に折り合いをつける物語です。

 

以下、田中さんからの書評です。

 

高度2万メートルの上空で、飛行機が爆発する不可解な事故が相次いだ200X年。ある日、高校生の瞬は海で不思議な生き物を拾いました。家に帰ると、とても仲の良かった航空自衛隊パイロットの父が亡くなったと知らされます。一人になった瞬は、感情を吐き出せないまま、着信履歴に残った父の番号に電話をかけてみます。呼び出し音が何十回にもなったとき、突然通話が繋がり、やがて雑音まじりの声が聞こえました。それは拾った生き物が、電波をジャックして発した言葉でした。父の死は頭の隅に追いやられ、瞬は謎の生き物にのめり込んでいきます。

一方、事故の調査のため、メーカーの担当者と、事故から生還した自衛隊パイロットは再び高度2万メートルの高さへ飛びました。事故に共通するその空域で、二人は都市を覆えるほどの「何か」と出会います。その「何か」と瞬に拾われた生き物は、元は同一個体であったことがわかり・・・

二組のカップルが織り成すスペクタクルエンタテイメントです!

 

第7回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中! | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)も合わせてご覧ください!

【第7回 甲南大学書評対決】 十文字青著 『いのちの食べ方』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

書道部甲墨会チーム 経営学部1年  大脇 悠史さんからのおすすめ本です。

書名 :いのちの食べ方
著者 : 十文字青
出版社: KADOKAWA MF文庫J
出版年:2022年

大脇さんは、人気アーティストのEveさんがプロデュースした「いのちの食べ方」というライトノベル小説を紹介してくれました。

 

以下、大脇さんからの書評です。

 

Eveさんの楽曲「いのちの食べ方」とそのMVの世界が小説となった作品で、新たな視点で物語の世界観を味わうことが出来ます。物語には「人外」と呼ばれる、人ならざる存在が登場するのですが、その人外によって日常が非日常へと書き換えられる中、中学生の飛が相棒のバクと共に立ち向かいます。ここでの、飛のバトルシーンの迫力や、対比して描かれる人外の不気味さには、この作品の魅力がとても詰まっています。また、全体的に暗めな話なのですが、終始緊張感が感じられるため、ドキドキしながらも世界観を楽しめる作品となっています。

去年には「次にくるライトノベル大賞」の1位にも選ばれ、とても人気の本作は、続きの巻も出ています。Eveさんを知らない方や楽曲を聞いたことがない方でも関係なく楽しめる作品ですので、この機会にぜひお手に取ってもらえたら嬉しいです。

 

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【第7回 甲南大学書評対決】 菅広文著 『京大中年』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

書道部甲墨会チーム 文学部1年  中田 優月さんからのおすすめ本です。

書名 :京大中年
著者 : 菅広文
出版社: 幻冬舎
出版年:2023年

中田さんの紹介してくれた本は、お笑いコンビのロザンの菅さんが相方の宇治原さんとの歩みを書かれた本です。

 

以下、中田さんからの書評です。

 

みなさんは教科書の「はじめに」の部分を読んだことがありますか?初回の授業のときにチラッと見るくらいで、実際に意識して読んだことがある人は少ないと思います。

この本は「20歳の宇治原さんへ」や「30代の教科書」のように、各章がこれまで経験してきたことを振り返り、その頃の自分たちに語りかけているような内容になっています。ロザンのお2人をテレビで見たことがある人は2人の仲の良さや、雰囲気が本からも伝わってくると思います。一方あまり知らないという方でも、菅さんの宇治原さんへの信頼感と2人の人生を知ることができます。京大卒でインテリ枠での活躍が目立つ宇治原さんは、クイズ番組などで見たことがある人も多いと思います。学生時代のお2人は特に面白い経験をしています。菅さんの宇治原さんに対する扱い方や、今までに起きた出来事が書かれており笑える部分もあります。

手紙のような文章で読みやすいので、まずはパラパラと中身を見てもらえると嬉しいです。

 

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ポートアイランドキャンパス図書室にて図書委員がPOP展示を行っています

〔フロンティアサイエンス学部〕
ポートアイランドキャンパスにあるフロンティアサイエンス学部(FIRST)では、学生が「図書」「キャリア」「生協」「レクリエーション」「広報」の各委員会を作ってさまざまな活動をしています。
今回、そのなかの図書委員さんがPOPを作って図書の紹介をしてくれました。
写真はポートアイランドキャンパスの図書室で展示しているPOPです。


(写真左の列を上から)『楽園の烏』(阿部智里)、『君は月夜に光り輝く』(佐野徹夜)、『アリス殺し』(小林泰三)
(写真中央の列を上から)『あるかしら書店』(ヨシタケシンスケ)、『オルタネート』(加藤シゲアキ)
(写真右の列を上から)『研究室で役立つ 有機化学反応の実験テクニック』(J. Leonard、 G. Procter、B. Lygo)、『独学大全』(読書猿)
POPは手書きあり、パソコン打ちあり、イラストあり、思わず本を手に取ってしまうぐらいPOPの文章も上手で、「えっ、みんな本屋さんでバイトしたことあるん?」と思うぐらいすばらしいPOPが集まりました。理系学部らしく理科ど真ん中の本もあれば小説もあり、選書のバランスもすごくよい。美術が大の苦手で文系出身の身からすると、イラストが描けて理系の知識もあって文章が上手とは、なんと頼もしい学生さんだろう!と誇りに思いました。
フロンティアサイエンス学部の図書室は、事務室の開室時間内(平日9~18時、土曜日9~13時)であれば学外の方にもご案内できますので、ぜひ一度ポートアイランドキャンパスに足をお運びいただき、学生さんの力作をご覧ください。
(ポートアイランドキャンパス事務室 山本 樹)

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遠隔地キャンパスへの訪問には、必ず学生証を持って行ってくださいね!
本は取り寄せもできます。

池谷裕二著 『脳には妙なクセがある』

文学部 4年生 Sさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 脳には妙なクセがある 
著者 : 池谷裕二著
出版社:扶桑社
出版年:2012年

運動でも、勉強でも、まず、5分だけやってみたら意外と続くことはありませんか?今回紹介するのは、池谷裕二さんの『脳には妙なクセがある』です。たまたま図書館でこの本を見つけ、読みました。

読了後、驚いたことは、脳がこれまでの経験から自動判定しているということです。いくら頭の中で考えていても、自分の行動は、これまでの経験で脳が自動判定する。だから、脳によりよく判定してもらうために、まず行動を起こすことが大事だそうです。本書には、

『自分が今、真剣に悩んでいることも、「どうせ無意識の自分では、考えが決まっているんでしょ」と考えれば気持ちが楽になる』

『そもそも私たちは、立派な自由など備わっていません。脳という自動判定装置に任せておけばよい』

とあり、目から鱗でした。つまり、よい経験をしていけば、よい癖が出て、困難があっても、上手に切り抜けられるということです。これを読むと、悩んでいた時にまず行動を起こせと言われる理由が分かったような気がします。

振り返ってみると、これまで落ち込んだ時は、椅子に座って紙とノートを用意して、じっと解決しようとしていました。しかし、時には走ってみたり、普段会わない人と話したりするなど、いつもと違う選択し、行動を起こしていけば、脳が勝手によりよい方向に導いてくれる、という考え方もできるのだと感じました。

今は夏休みですね。昨年、大学の講師の方に夏休みに何をすればいいか聞いた際、時を忘れるくらいスケジュールを忙しくしろと教えてくれたことを思い出しました。これも、たくさん行動し、上手くいったり、失敗したりたくさんの経験を積めば、悩んだ際に脳が適切に反射してくれるのかもしれません。

本書には、他にも、笑顔を作るから楽しくなる、姿勢を正せば自分の決断に自信が持てるなど、たくさんの体と脳にまつわる話が掲載されています。何か新しい知識を入れたい人におすすめです。

松村真宏著 『仕掛学 : 人を動かすアイデアのつくり方』

フロンティアサイエンス学部 2年生 島村大地さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 仕掛学 : 人を動かすアイデアのつくり方 
著者 : 松村真宏著
出版社:東洋経済新報社
出版年:2016年

日々見ている場所や景色には、工夫をして面白いや楽しいを引き出すことができるコンテンツがいくつかある。例えば、チラシの上に鏡をおいて、その鏡でみた人は、鏡で自分の髪をなおしたりするが、その後下のチラシに気づき手に取ってくれることが鏡を置かないよりも多くなったのだ。これは有効な仕掛けともいえるだろう。そういった日常の仕掛けに重点を置いたのがこの仕掛学である。

自分も、子供の頃から影遊びだったり、コインスライダーの募金箱だったりと自分の今まで生きた中で仕掛けに触れることが多々あったな、と本を読みながら共感することが多々あった。そもそも、この本の内容で紹介されている仕掛けというのは、罠のような良くないものではなく、人々の行動を増やすことを表している。

行動を増やすことはより良い自分に合った選択肢を選ぶことができる。仕掛けには色々なものがあり、その上で分類がある。それは、仕掛けをさせられて、人々の喜びは多いか少ないか、また、その仕掛けを作ることに対する負担が大きいか小さいかの計4つに分けられる。これらはどこの場所にどのようにおくのかによって決めることがよいと考えられる。また、仕掛けの思考としては、人々の心理的と物理的のトリガーの二つの大分類から人々の感覚まで、どこに作用させていきたいのかが重要である。ただ、どのような仕掛けであっても慣れてしまう事がある。そういった時に新しいものを生み出すか、また、人々が飽きないような仕組みをつくるのが手であると考えられる。

もし自分が実際に仕掛けというのを作ろうとしたら、FIRSTで心理的にポジティブ影響を与えるような、そういう仕掛けを作っていきたいと感じる。そのためにはこの本の内容を活かしながら試作品を作っていきたいと感じた。