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【第3回 甲南大学書評対決】 大津秀一 著 『ありがとう 生きること そのすばらしさ』

10月14日(木)に開催された第3回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

経済学会チーム 西川さんからのおすすめ本です。

書名 : ありがとう 生きること そのすばらしさ
著者 : 大津秀一 著
出版社: 致知出版社
出版年:2011年

誰でも人は、人間関係のこと、いじめやそれぞれ人が 持っている悩みで、 一度は自ら命を絶ちたいと思った ことはあるかもしれません。

この本は、10代の人たちにも分かりやすいように、 苦しみ、 悩んでいる人たちの 心が少しでも楽になるようにと願って書かれました。

この本の著者である緩和医療医の大津秀一さんは、 病室で何千人もの最期を見てきた経験から、 私たち人が今生きていることの「素晴らしさ」や「ありがたさ」 を伝えています。 生まれた当初から病と闘い、 生きる ことに必死である方、もう長く生きられないことを知ら された方の気持ちや、 突然、事故や病気により亡く なられた方の遺族の気持ちなどが筆者の経験をもとに、記されています。今、悩んでいて、苦しい思いをしている人には、この本を手に取ってもらいたいと思います。

【第3回 甲南大学書評対決】 諸橋 轍次 著『中国古典名言事典』

10月14日(木)に開催された第3回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

共通教育センター/スポーツ・健康科学教育センター 山崎俊輔 先生からのおすすめ本です。

書名 : 中国古典名言事典
著者 : 諸橋 轍次 著
出版社: 講談社
出版年:1979年

25年ぐらい前から座右に置いて、1年に1、2度目を通している本 (辞典)です。 「論語読みの論語知らず」という言葉がありますが、ぴったりと私に当てはまると思っています。

名言名句を覚えるというのは難しいですが、 しかし気持ちを込 めて愛読している本です。厖大な中国の古典のなかから4800余の名言を精選、 簡潔にして分かりやすく解説しています。 どの章句にも古典の英知 ・ 達人の知恵・人間のドラマが宿っており、 人生を生きる指針に満ちています。

私にも読む度ごとに必ず何かを教えてくれたり、気づかせてくれたり、また励まされたり、 時には反省を促してくれます。

激動の時代を生きる現代人に、逞しく生き抜く知恵とエネルギーを与えてくれるよ うに思います。

【第3回 甲南大学書評対決】池井戸潤 著 『オレたちバブル入行組』

10月14日(木)に開催された第3回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

学生・経済学会チーム 高橋さんからのおすすめ本です。

書名 : オレたちバブル入行組
著者 : 池井戸潤 著
出版社:文藝春秋
出版年:2004年

皆さんの中に、既にドラマ『半沢直樹』を見たことがある!という人もいるのではないでしょうか??その『半沢直樹』の基になった本です。

皆さんもバブルの時代は、とても良くて、その時代に生きてみたかったと思う学生の方や、いい時代だったと懐かしむ教職員の方がおられると思います。確かにいい時代だったかもしれませんが、自分をよくするために私利私欲に溺れる人も多く、その一人がこの本でもある銀行員です。

自分の為に行動する人に向かって、皆さんモノ申す勇気ありますか?私はすべてに対して言うことはできないと思っていました。ですが、この本に出合って、正しいことは正しい、間違っていることに対しては間違っているということの重要性を知ることができました。今、何かに悩んでいる学生の方がいたら、ぜひこの本を読んで、様々なことに対して勇気をもって挑んでもらいたいです。

これから待ち受けている試練に立ち向かうためのきっかけ作りに、ぜひ一読してください。

 

池上 彰著 『なぜ僕らは働くのか』

 

文学部 4年生  中越 悠斗さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  なぜ僕らは働くのか
著者 :  池上 彰
出版社:学研プラス
出版年:2020年

この本は、これから就職活動する方だけでなく、社会人となられる方、今社会の第一線で働かれている方、または中学生・高校生などにも、勉強になり、人生で生かされる本だと思います。

働くって当たり前だと思われがちですが、その働くことの意義ややりがいなどを考えると、社会には様々な仕事があり、様々な人のつながりがあることが分かります。まだ、私は社会人ではありせんが「あー明日も仕事でしんどいなー」、「つらい、やめたい」と思ってしまう事が、あるかもしれません。

でも、ふと立ち止まって、自分の役割や自分が作ったものでどんなところ、どんな風に人の役に立っているのか、考えてみることができるのではないでしょうか。少し頭をひねらせて、考え方を変えると毎日が幸せになるんだと気づかせてくれました。特に、共感できた言葉は、「人と比べない、人からどう見られるかを気にしすぎない、いま自分ができることを精いっぱいやる。」という言葉です。私は、先々のことばかり考えてしまい、冷静になれず慌ててしまうことや、このままの自分でいいのかなと、考え込んでしまうタイプです。そして、人の評価ばかり気にして、本来の自分を表現できないことが多々あります。でも、これから社会人になる私にとって、10年後、20年後の目標などは設定しますが、まずは目先の目標を立ててコツコツ取り組もうと思えた言葉でした。

さらに、もう一つこの本をオススメするポイントがあります。それは、実際に働く人の声がたくさん掲載されています。人生の先輩の声を聴くことも、働くことの楽しさを感じ取れるかもしれません。きっと、私の書評を読んでいただいている方にも、同じタイプの方もいるのではないでしょうか。この本からあなたの心に響く言葉や人生の軸が見つかるかもしれません。すでに見つかっている人は、再確認できるかもしれません。ぜひ、この本を読んで新たな一歩を踏み出してください。

青山 美智子著 『お探し物は図書室まで』

 

文学部 3年生  畑田 亜美さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  お探し物は図書室まで
著者 :  青山 美智子
出版社:ポプラ社
出版年:2020年

コミュニティセンターにある小さな図書室、そこにはレファレンスコーナーがあります。担当している司書さんは愛想が良いとは言えない女の人ですが、「何をお探し?」と穏やかで凛とした一声をかけられると心の内を打ち明けてしまいたくなります。偶々訪れた人々が彼女にレファレンスをしてもらい、おすすめの本と付録を貰って自分の悩みの答えを見つけていきます。

この図書室を訪れる人は婦人服販売員や家具メーカー経理部の人、元雑誌編集者、ニート、定年退職者と様々です。しかし、みな社会生活を送る中で上手くいかないことや、不安なことなど悩みを抱えています。私たち学生にも当てはまることもあります。自分にとって不都合で嫌なことが起こった時、どのように考えていますか。気分が落ち込んだ時、人の視野は思っているよりも狭くなっています。少しのヒントを得て見方を変えるだけで、新しい捉え方ができるようになり悩みが解消されるかもしれません。

また、レファレンスをしてくれる司書さんの応答は司書を目指す人から見ると理想的で羨ましく思えます。ポイントは2つです。1つ目はその人の話をよく聞いて、レファレンス質問で聞かれた本以外にも適切な本をすぐに提供できることです。その図書室のことを把握していたとしても、1人1人に合った本を即座に選ぶのは難しいでしょう。それを難なくこなし来館者に喜ばれる様はレファレンス担当者の理想と言えます。2つ目は好きなことをしながら多くの人に慕われていることです。彼女はレファレンスカウンターにいながら羊毛フェルトのマスコットを作っています。これがレファレンスの付録です。このような自由は公共図書館ではなかなかできないことだからこそ羨ましく感じます。そして、彼女の居場所は図書室ですが他のコミュニティセンターの利用者や来館者、司書補の女の子に慕われています。その関係性もまた理想的で憧れるような司書の姿です。

最後に、この本は今悩みを抱えている人や司書を目指している人に是非読んでみてほしいです。将来が少し明るく見えたり、救われたりするかもしれません。

小林 義祟著 『すみません、金利ってなんですか?』

 

文学部 3年生  畑田 亜美さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  すみません、金利ってなんですか?
著者 :  小林 義祟
出版社:サンマーク出版
出版年:2020年

 経済の基本事項は高校の現代社会等で習ってきました。しかし、実際に日常生活で使う金利や預金などが何かというとよくわからないということは多いです。私は大学生になるまで自分で銀行に行くこと、さらにはATMを利用することは殆どありませんでした。そのため、初めて使うときは戸惑いました。また、アルバイトを始めてから年末に貰った年末調整の表もよくわかりませんでした。正直なところ、経済はややこしいので好きではないです。しかし、知らないままで良いかと言われると不安に思います。この本は税を中心に基礎事項を丁寧に教えてくれます。

 特に印象に残ったのは預金と年金です。将来のことを考えると預金をしておいた方が良いとは思いますが、どうするべきかよくわかりません。よくわからないままとりあえず貯金しています。この本を読めばお金の貯め方や運用の仕方がよくわかります。様々な預金形式や組織、投資などがあり、どれを選ぶかは自由です。それぞれのメリットとデメリットを知り、正しく選ぶことのできるようになると感じました。

 次に年金に関しては、将来もらえなくなるのではないかなどと言われているため、現役世代からすれば不安要素です。その回答を得られるだけでも良かったと思えます。そして、学生時代の免除制度や払い損ねてしまった場合の起源やどうなるのかについても言及されています。これに関しては、払い始めたところの学生は知っておくべきことだと感じます。私は詳しいことを全然知らなかったので、学ぶことができて本当に良かったと思いました。

 以上のことから、本書は社会人になるまでに読んでおきたい1冊だと感じました。学生のうちはまだしも、社会人になれば周りは当たり前の様に知っていて尋ねにくくなってしまうと思います。この本の企画、編集を担当された梅田直希さんのように何も知らず聞く機会を逃したまま社会人になる人は非常に多いでしょう。だからこそ多くの学生に読んでもらいたい本です。