月別アーカイブ: 2021年12月

西村 順二 (経営学部)『地域創生マーケティング 』

<教員自著紹介>

本書は、地方創生が注目される時代に地域視点から改めて地域の創生を考えたものである。地域とは、単なる地理的エリアではなく、空間的に自由なネット空間までをも射程に入れる。それにより、需要と供給はエリアから解放され、地域はプラットフォーム化する。

また、創生とは地域資源を再発見・育成し、地域ブランド化することを目指す。その為の理論、そして具体的な地方創生の諸活動をマーケティング視点から整理したものである。

■ 『地域創生マーケティング
■ 西村 順二他 編著 , 中央経済社, 2021.11
■ 請求記号 601.1//2180
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 西村 順二  (経営学部)

 

中村 耕二 (名誉教授)『The Journey to Serendipity (2021)』

 

<教員自著紹介>

 11月の初旬にロンドンの出版社から『 Dreams of Serendipity (2019)』 の続編として、『The Journey to Serendipity (2021)』を出版しましたので、紹介します。

 コロナの感染症の猛威がやっと落ち着き、リモートのお仕事だけでなく、対面のお仕事も 始まり何かとお忙しいことと存じます。 秋の夜長や冬休みに、もしお時間があるようでしたら、ご興味のある章を写真と共に少しお読みくだされば幸いです。各章の始めに掲載した写真はすべて現地で自ら撮影したものです。

 実在の英国人技師  Joseph は明治政府の招聘で1868年に来日し、日本の灯台や鉄道シ グナルの近代化に貢献し、明石藩家老の四女と結婚し、日本文化をこよなく愛し、1914年 に神戸の外国人墓地で永眠しています。 夢の中で Joseph の啓示を受けた子孫が国や文化 を越え、100年の時を経てその血族にめぐり逢います。 日本人と英国人の両方の文化背景 を持つ主人公達の二世代にわたる心の旅路です。 物語は Joseph の降誕の地であり、中世 の旧市街が魅力的でユネスコ世界遺産に選ばれた Edinburgh, 歴史文化の漂う古都 York, 多文化主義を標榜する近代都市Leeds, 古城があり宝石のような街 Knaresborough, ヨークシャー・デールに抱かれた美しい村 Pateley Bridge, 日本海の幸に恵まれた山陰の小京都倉吉、孤高で神々しい大山、エーゲ海のような瀬戸内海を望む牛窓、歴史ロマンの香る 須磨 明石を舞台に展開します。

 

こちらは、ロンドンの出版社の紹介文です。↓

 

■ 『The Journey to Serendipity (2021): Edinburgh, Yorkshire and Kobe
■ 中村 耕二 , New Generation Publishing , c2021
■ 請求記号 933.7//4014
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 中村 耕二 (名誉教授)

 

住野よる著 『また、同じ夢を見ていた』

知能情報学部   4年生 Hさんからのおすすめ本です。

書名 : また、同じ夢を見ていた
著者 : 住野よる著
出版社:双葉社
出版年:2016年

 

 生きる意味が分からない、自分にとっての幸せって何だろうと悩んでいる人いませんか?

 「幸せ」をテーマに1人の女の子が日々葛藤する物語。主人公の奈ノ花は小学生の女の子。読書好き。「人生は○○なようなもの」というのが口癖。この本の中に出てくる奈ノ花の独特なこの口癖がとても面白い。

 周りよりもすこしませていて、小学校で少し浮いている奈ノ花が国語に授業で課題となった「幸せとはなにか?」について答えを探す。奈ノ花は3人の女性にアドバイスをもらいながらこの答えを探す。しかしあることがきっかけで3人とも姿を消してしまう。3人は何者だったのかを読者自身が考え、推理するのもこの本のもう1つの楽しみ方だ。

 人よりも賢い小学生の女の子が、年齢も雰囲気もバラバラな出会った友達との交流を通じて考える。ちょっと不思議な、心温まる。奈ノ花の疑問を受け止めて、真摯に答えてくれる大人達。その言葉をしっかり考えて、少しずつ成長していく奈ノ花。読んでいてハッとする場面が多かった。中盤にかけて奈ノ花の周りで起こる不思議な体験も、読んでいくにつれて伏線が回収されていく心地よさもあって良き読書感。最後の最後にようやくすべてのことがつながる。大きな感動というよりは、心温まるストーリー。

 幸せとは何かを考えさせられる作品。幸せとはなにかの回答が小学生が導き出したものとは思えないものだった。人生で一度も後悔のない選択肢を取り続けるのは無理だと思う。でも、選択し続けた先にこその今があり、今幸せを感じていることが一番大切と思わされた。人生とは、幸せとは。確実に言えることは、この作品に出会えて幸せだということだと思う。

 この本を読む人すべてに幸せが訪れますように。

三浦しをん著 『きみはポラリス』

知能情報学部   4年生 Hさんからのおすすめ本です。

書名 : きみはポラリス
著者 : 三浦しをん 著
出版社:新潮社
出版年:2011年

 

 文庫本の表紙のイラストがとてもポップなものだが、胸キュンの甘い言葉がいっぱいの恋愛小説を想像していたが全く違った。ジャンルは恋愛だけど、キュンではない。「普通」の恋人じゃなく、傍らにいる人を思う話が集められている。最強の恋愛短編集。

 寝る前に読んでモヤモヤとした気持ちが湧いて眠れなくなるほど、愛や恋心の多様な形態が書かれていた。様々な愛の形の話が詰まっていて、いろんなテイストが味わえる。

 リアルかつこの広い世界であれば、どこかにこんな恋愛もたくさんあるんだろうけど、普通とは少し違う、だけどそれぞれ間違いなく正真正銘の愛のかたちを集めた恋愛小説集。

 「恋愛」と一言で表しても、そこに含まれる感情には愛しさ、寂しさ、憎さなど様々なものがある。誰かを好きだと、大切だと思う感情はだれしも持っていると思う。ただ、それを自分自身ですら認識できないこともある。後になって認識する事もある。甘く華やかな恋愛や辛く苦しい恋愛だけが恋愛ではない。そんな曖昧な感情を持つのが「恋愛」だと、この本を読んでそう思った。このすべての物語の1から10まで共感することはできなかったけど心が満たされた気持ちになる。

 11個の物語が詰まっている中で、私がいちばん好きなのは「私たちがしたこと」という話だ。主人公の朋代は高校時代、夜道で襲われた。その相手を彼氏の黒川は鉄パイプで殺してしまう。そして二人で穴を掘って埋める。許されない罪を犯したが、誰にもばれなかった。そんな大きな二人の「秘密」を抱えて話が進んでいく。サスペンス要素もありながら、この「秘密」で、二人がどんどん依存しあっていくのが面白かった。

 この物語のように、すべての物語は「秘密」がキーワードである。「秘密」がいろんな展開を生んでいく。最強の恋愛短編集。この意味が読み終わるころにわかります。

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
畑田亜美(はただ あみ)さん
文学部歴史文化学科 3年次生

 2021年11月18日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました。
 1・2年生次に引き続き、今回で3度目の達成となります!

 就職活動の試験に英語の長文読解問題があるため英文速読に慣れておこうと思い、3度目の『多読チャレンジ』に挑戦されました。

 ファンタジーの物語を中心に読まれたそうです。また、図書館の新着図書コーナーにも、表紙を見て興味が湧いた本があるそうです。

 『多読チャレンジ』に挑戦中は、就寝前に二時間程度読書の時間を設けて、一日一冊のペースで読んでいたとお話しされていました。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


○『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。

―― シリーズ本を読むこと。
   手軽なものも混じえること。

○『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

―― 英文を読む速度低下を緩める。
   問題として取り組むときの抵抗の減少。

○チャレンジする図書はどのように選びましたか?

―― シリーズを読んでいる時はその続き、シリーズを読み終わったらBook Reviewから借りたり、背表紙で気になったものを手に取ったりした。

○現在チャレンジ中の『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。

―― 段々と今年度の締切が近付いてきているので、時間が足りなくなってきたら本棚の下の方にある絵本を選ぶと進めやすいと思います。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!