月別アーカイブ: 2022年6月

マネジメント創造学部 真崎 克彦先生へのインタビュー

マネジメント創造学部 3年生 西山 天美さんが、マネジメント創造学部 真崎 克彦先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.本を読むことは好きですか?

A.読書は大好きです。最近は仕事のために読むことが多いです。

 

Q.どのようなジャンルの本をよく読みますか?

A.仕事に関わるものがほとんどです。専門が国際協力論、開発研究なので、それにまつわる様々な本に目を通しています。

 

Q.本を買うときに重視しているポイントは何ですか?

A.「一期一会」です。ふらっと書店に入り、何気なく気になった本を手に取ります。そうして手に取った本が、講義や研究を行う上で思わぬアイデアの源泉になることがあります。他にも、新聞の書評やAmazonのオススメで出会う書籍が「一期一会」になることがあります。

 

Q. 好みの読書スタイルは、電子書籍ですか、それとも紙の本でしょうか。

A.紙の本です。手でページをめくりながら、興味を持った部分に手にペンを持って線を引く。視覚や頭だけではなく、体の色々な感覚を使いながら私は本を読んでいます。

 

Q.最近読んだ本で気に入っているものは何ですか?

A.本田由紀先生の『「日本」ってどんな国?:国際比較データで社会が見えてくる (ちくまプリマー新書)』です。この方は教育社会学の第一人者で、日本と他国を比べた様々なデータを用いて、政治や経済、ジェンダーなど多岐に渡って日本社会が抱える問題を明らかにします。

 

Q.大学生にオススメの本はありますか?また、その理由は何ですか?

A. 工藤 尚悟先生の『私たちのサステイナビリティ:まもり、つくり、次世代につなげる(岩波ジュニア新書)』です。この本では、サステイナビリティ(持続可能性)について、いくつか実例も交えながら丁寧に説明されており、しかも専門的かつ若者にも分かりやすく書かれていて、学生さんにオススメです。

 

Q.読書の魅力とは何だと思いますか?

A. 知らない視点や考え方などにふれることで、自身の世界を広げてくれることです。比較的時間の自由が利く学生の間に「これ面白そう」、「これは何のこと?」と、探求心を持つのは大切です。特定の考え方に縛られずに、知識を得ていくのは楽しいですし、精神的余裕が生まれます。せっかく大学の図書館が使えるのですから、フル活用して、そうした時間をもっと作っても良いのではないでしょうか。

 

感想:興味深い話を沢山聞かせて頂きました。学生であることを使って、色々な方の話を聞いたり、CUBEのメディアセンターにもっと足を運んだりしてみようと思いました。

(インタビュアー:マネジメント創造学部 3年生 西山 天美 )

[藤棚ONLINE]理工学部・須佐 元 先生 推薦『科学の発見』

図書館報『藤棚ONLINE』
理工学部・須佐 元 先生 推薦
『科学の発見』

本書は、昨年残念ながら他界されたノーベル物理学者のスティーブン・ワインバーグ氏による科学史に関する本です。

20世紀を代表する理論物理学者のうちの一人である著者が、古代ギリシャから現在までの、物理学・天文学を中心とした科学の歩みを講義してくれます。既に多くの書評があって、過去の科学者にダメ出ししているかなり激しい側面を多く取り上げています。確かに過去の科学者たちの考え方がいかに現在の科学的価値観と隔たったものであったかを、厳密に取り上げています。しかしながら著者も述べている通り、これによって「科学」それ自身が数千年にわたって紆余曲折を経ながら進化してきたこと、その過程で多くの科学者が苦闘し、それによって形作られてきた現在の科学の価値および未来への教訓を伝えようとしているのだと思います。

途中やや専門的で難しいところもありますが、サイエンスに携わる・志す人々一般にとって、手にとってみる価値はある本であると思います。

第4回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中!

甲南大学生協の書籍部にて、第4回 甲南大学書評対決  実施中です。

今回は、甲南大学 サッカー部の岡田知也さん、岡本倖汰さん、中島佑希さんの学生チームと、経済学部の寺尾建先生の対決です!

勝敗は、それぞれが紹介した本の売り上げ冊数📚で決まります。

 

6月16日(木)に、各チームによる本のプレゼンが行われました。
チーム対決では、サッカー部チームの3名が勝利しました。
🎊おめでとうございます🎊

 学生チームは、自分の”Happiness”を考える機会におすすめの本や、少年漫画でありながら社会や仲間という関係性が強調されていて素晴らしいと思える本、人生に対する見方や考え方を変えた本を、それぞれに熱い想いを込めて紹介されました。

 寺尾先生からは、学生時代だからこそ読んで欲しい3冊を、まさに親心のような温かい気持ちで紹介され、心に響きました。

 このブログにも紹介文を掲載しておりますが、是非、iCommons4階、学友会館北側の生協の本屋さんと、各キャンパスの書籍販売コーナーで現物を手に取ってみてください!

【第4回 甲南大学書評対決】A・A・ミルン著 石井 桃子訳 『クマのプーさん』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

経済学部  寺尾 建先生からのおすすめ本です。

書名 : クマのプーさん
著者 : A・A・ミルン著  石井 桃子訳
出版社:岩波書店
出版年:2000年

 クマのプーさん(Winnie-the-Pooh)のことを知らない人は、いないと思います。しかし、クマのプーさんのことを知っている人の数に比べると、この原作を読んだことのある人の数は、はるかに少ないのではないでしょうか。

 原書は、1926年にイギリスで出版されました。現在までに30以上の言語に翻訳されていますが、日本語訳が出版されたのは1940年、太平洋戦争が始まる前年でした。ちなみに、ディズニーが「プーさん」の商品化権を獲得したのは1961年のことで、その後、「プーさん」の初のアニメーション作品を公開したのは1966年のことです。

 以降、現在に至るまで、世界的にみると、ディズニーの影響力の方が原作の影響力よりもはるかに大きなものとなっているせいで、「プーさん」といえば、「かわいくて、明るい笑いを誘う愉快な存在」であると広く受け止められています。それは、まったくの間違いというわけではないのですが、大きな誤解もしくは曲解であることもまた、否定できません。

 プーさんは、詩をつくるのが大好きで、自作の詩をよく口ずさみます。しかしながら、ディズニーは、プーさんから人や物事の本質をとらえる優れた能力を奪い取ることによって、プーさんをわかりやすいキャラクターへと変えてしまいました。

 プーさんは、詩人です。ぜひとも原作を手にとって、プーさんの「わかりにくさ」に触れてください。

【第4回 甲南大学書評対決】 岸見一郎 古賀史健 著『嫌われる勇気』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

サッカー部チーム 経済学部  中島 佑希さんからのおすすめ本です。

書名 : 嫌われる勇気
著者 : 岸見一郎 古賀史健 著
出版社: ダイヤモンド社
出版年:2013年

 この本は、「心理学の三大巨頭」と称されるフロイト、ユングに並ぶ、アルフレッド・アドラーが唱える思想、「アドラー心理学」を少年と哲人の対話という物語形式を用いてまとめられている本です。

 アドラー心理学は、欧米で絶大な支持を誇っており、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という問いに、きわめてシンプルかつ具体的な答えを提示します。この人生の最大のテーマともいえる問いに対して、私はこの本を読みアドラーの思想を知っていくうちに、人生に対する見方や考え方が変わりました。

 印象に残っている言葉は、現在の状態は過去が原因ではなく、今自分がそうしたいから現状を維持しているだけという言葉です。理由をつけてやらないのは現状に自分が満足しているからだということを改めて考えさせられました。

 他にもたくさん心に響く考えがあります。私も悩んでいるときなどに読み返すことがあります。人生を変えるきっかけになると思うので是非読んでみてください。

【第4回 甲南大学書評対決】浜田廣介著 『浜田廣介童話集』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

経済学部  寺尾 建先生からのおすすめ本です。

書名 : 浜田廣介童話集
著者 : 浜田 廣介著
出版社:角川春樹事務所
出版年:2006年

 浜田廣介(はまだ・ひろすけ)は、1893年(明治26年)に山形県に生まれ、1973年(昭和48年)に東京で亡くなりました。坪田譲二(1890-1982)や小川未明(1882-1961)と並び称される、日本を代表する児童文学者の一人です。

 この本には、浜田廣介が書いた童話が計20話収録されていますが、泣く子も黙るほどの、というか、笑っていた子も思わず涙してしまうほどに圧巻なのが、この本の冒頭に収録されている「泣いた赤おに」(初版は1933年)という作品です。

 悲しい、寂しい、悔しい、あるいは、嬉しい──人が涙を流す理由は一つではありませんが、作中で最後、赤おにが涙する理由は、説明するのがとても難しいものです。しかし、赤おにが感極まって一人涙を流すことには、ほとんどの人が深い共感を覚えることでしょうし、「赤おにの涙にもらい泣きをしないような人は、人の心をもっていない!」という主張には、多くの人が同意するのではないでしょうか。

 「正しく」「強く」「朗らか」──これらの言葉を空語として口にしないようにするためにも、一読をおすすめします。