住野よる著 『また、同じ夢を見ていた』

知能情報学部   4年生 Hさんからのおすすめ本です。

書名 : また、同じ夢を見ていた
著者 : 住野よる著
出版社:双葉社
出版年:2016年

 

 生きる意味が分からない、自分にとっての幸せって何だろうと悩んでいる人いませんか?

 「幸せ」をテーマに1人の女の子が日々葛藤する物語。主人公の奈ノ花は小学生の女の子。読書好き。「人生は○○なようなもの」というのが口癖。この本の中に出てくる奈ノ花の独特なこの口癖がとても面白い。

 周りよりもすこしませていて、小学校で少し浮いている奈ノ花が国語に授業で課題となった「幸せとはなにか?」について答えを探す。奈ノ花は3人の女性にアドバイスをもらいながらこの答えを探す。しかしあることがきっかけで3人とも姿を消してしまう。3人は何者だったのかを読者自身が考え、推理するのもこの本のもう1つの楽しみ方だ。

 人よりも賢い小学生の女の子が、年齢も雰囲気もバラバラな出会った友達との交流を通じて考える。ちょっと不思議な、心温まる。奈ノ花の疑問を受け止めて、真摯に答えてくれる大人達。その言葉をしっかり考えて、少しずつ成長していく奈ノ花。読んでいてハッとする場面が多かった。中盤にかけて奈ノ花の周りで起こる不思議な体験も、読んでいくにつれて伏線が回収されていく心地よさもあって良き読書感。最後の最後にようやくすべてのことがつながる。大きな感動というよりは、心温まるストーリー。

 幸せとは何かを考えさせられる作品。幸せとはなにかの回答が小学生が導き出したものとは思えないものだった。人生で一度も後悔のない選択肢を取り続けるのは無理だと思う。でも、選択し続けた先にこその今があり、今幸せを感じていることが一番大切と思わされた。人生とは、幸せとは。確実に言えることは、この作品に出会えて幸せだということだと思う。

 この本を読む人すべてに幸せが訪れますように。

三浦しをん著 『きみはポラリス』

知能情報学部   4年生 Hさんからのおすすめ本です。

書名 : きみはポラリス
著者 : 三浦しをん 著
出版社:新潮社
出版年:2011年

 

 文庫本の表紙のイラストがとてもポップなものだが、胸キュンの甘い言葉がいっぱいの恋愛小説を想像していたが全く違った。ジャンルは恋愛だけど、キュンではない。「普通」の恋人じゃなく、傍らにいる人を思う話が集められている。最強の恋愛短編集。

 寝る前に読んでモヤモヤとした気持ちが湧いて眠れなくなるほど、愛や恋心の多様な形態が書かれていた。様々な愛の形の話が詰まっていて、いろんなテイストが味わえる。

 リアルかつこの広い世界であれば、どこかにこんな恋愛もたくさんあるんだろうけど、普通とは少し違う、だけどそれぞれ間違いなく正真正銘の愛のかたちを集めた恋愛小説集。

 「恋愛」と一言で表しても、そこに含まれる感情には愛しさ、寂しさ、憎さなど様々なものがある。誰かを好きだと、大切だと思う感情はだれしも持っていると思う。ただ、それを自分自身ですら認識できないこともある。後になって認識する事もある。甘く華やかな恋愛や辛く苦しい恋愛だけが恋愛ではない。そんな曖昧な感情を持つのが「恋愛」だと、この本を読んでそう思った。このすべての物語の1から10まで共感することはできなかったけど心が満たされた気持ちになる。

 11個の物語が詰まっている中で、私がいちばん好きなのは「私たちがしたこと」という話だ。主人公の朋代は高校時代、夜道で襲われた。その相手を彼氏の黒川は鉄パイプで殺してしまう。そして二人で穴を掘って埋める。許されない罪を犯したが、誰にもばれなかった。そんな大きな二人の「秘密」を抱えて話が進んでいく。サスペンス要素もありながら、この「秘密」で、二人がどんどん依存しあっていくのが面白かった。

 この物語のように、すべての物語は「秘密」がキーワードである。「秘密」がいろんな展開を生んでいく。最強の恋愛短編集。この意味が読み終わるころにわかります。

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー
畑田亜美(はただ あみ)さん
文学部歴史文化学科 3年次生

 2021年11月18日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました。
 1・2年生次に引き続き、今回で3度目の達成となります!

 就職活動の試験に英語の長文読解問題があるため英文速読に慣れておこうと思い、3度目の『多読チャレンジ』に挑戦されました。

 ファンタジーの物語を中心に読まれたそうです。また、図書館の新着図書コーナーにも、表紙を見て興味が湧いた本があるそうです。

 『多読チャレンジ』に挑戦中は、就寝前に二時間程度読書の時間を設けて、一日一冊のペースで読んでいたとお話しされていました。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


○『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。

―― シリーズ本を読むこと。
   手軽なものも混じえること。

○『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

―― 英文を読む速度低下を緩める。
   問題として取り組むときの抵抗の減少。

○チャレンジする図書はどのように選びましたか?

―― シリーズを読んでいる時はその続き、シリーズを読み終わったらBook Reviewから借りたり、背表紙で気になったものを手に取ったりした。

○現在チャレンジ中の『多読チャレンジャー』へメッセージをお願いします。

―― 段々と今年度の締切が近付いてきているので、時間が足りなくなってきたら本棚の下の方にある絵本を選ぶと進めやすいと思います。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

[藤棚ONLINE]フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生 推薦『「細胞力」を高める』

図書館報『藤棚ONLINE』
フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生 推薦
『「細胞力」を高める : 「身心一体科学」から健康寿命を延ばす 』

跡見順子(著)
論創社, 2018

 日本は世界一の長寿国ですが、自律した生活を送れる期間である健康寿命は、平均寿命より約10年短いことがわかっています。心身ともに健康であり続けるために、健康寿命を延ばす努力が重要です。わたしたち人の身体は37兆個の細胞からできていると考えられていますが、健康寿命を考える上で、細胞を知る必要があります。本書には、身体を構成する細胞の行動原理と適応原理に基づいた身体制御についてわかりやすく読み解かれており、健康寿命を延ばすコツだけでなくその背景となるメカニズムが紹介されています。

甲南大学図書館所蔵の哲学者・九鬼周造による直筆の未公表書簡が朝日新聞と神戸新聞に取り上げられました!

甲南大学図書館には、著書『「いき」の構造』で世界的に知られる哲学者・九鬼周造のコレクションがあります。九鬼周造の旧蔵書のほか、多数の原稿やメモ類、業務書類、写真、新聞の切り抜きなどが保存されていますが、その中にこのたび新たな未公開資料が発見され、その内容を取り上げた記事が朝日新聞の2021年11月13日夕刊https://digital.asahi.com/articles/ASPCF36FFPC1PIHB02F.html?_requesturl=articles%2FASPCF36FFPC1PIHB02F.html&pn=3に掲載されました。

図書館では九鬼文庫の主要資料を公開するためにデジタル化作業を進めていましたが、その過程で調査を依頼した神戸市外国語大学 名誉教授の小浜善信先生と文学部の川口茂雄先生により、多数の未公開書簡が含まれていることが明らかになりました。

九鬼宛ての書簡には西田幾多郎、田辺元、カール・レーヴィットら同時代の哲学者からのものだけでなく、文学者・林芙美子や山口誓子、画家・児島喜久雄、出版人・岩波茂雄など著名な文化人からのものも含まれています。とりわけ、田辺とレーヴィットからの書簡は、これまで実物の所在が不明とされていた極めて貴重な資料であるとのことです。

朝日新聞の13日付の記事には、「比較的著作が少ない九鬼だが、書簡で言葉遣いや考え方に触れることで、九鬼の哲学への理解が深まるかもしれない」という川口先生のコメントが紹介されています。

川口先生の研究グループは今後さらに調査を進め、プライバシーの観点など慎重に考慮しつつ、段階的な公開や出版を検討していく予定です。

左・川口茂雄先生(文学部) 右・小浜善信先生(神戸市外国語大学名誉教授)

<追記>
神戸新聞にも掲載されました。
2021年11月23日付神戸新聞朝刊(転載許諾済)

マネジメント創造学部 上村 一樹先生へのインタビュー

マネジメント創造学部 4年生 小栗 珠実さんが、マネジメント創造学部 上村 一樹先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.どのくらいの頻度で本を読みますか?

A.仕事に関係する本は、月に20日以上読みます。仕事に関連がない本は、月に数日程度です。

 

Q.普段どのような本を読みますか?

A.専門書をよく読みます。趣味で読む本は、ノンフィクションが主です。社会・経済全体を統計・研究等で俯瞰するような本を好んで読みます。

 

Q.書店や図書館で本を買う、借りる時、どのように本を探して読んでいますか?

A.読んでいる本が引用している文献から探します。引用文献の中から、読んでいて大事な所や興味のあること、知りたいことについて書かれている文献をピックアップして、読みます。

 

Q.大学生にお勧めしたい本は何ですか?

A.デール・カーネギー「人を動かす」です。改訂を重ねた現代版より、古いほうをお勧めします。

 

Q.その本のお勧めの理由、ポイントなどを教えてください。

A.古いほうをお勧めした理由は、改訂が少ない方が、著者が伝えたいことのニュアンスが伝わりやすいと考えたからです。本書には、どんな人生にも関連する、普遍的なことが書かれており、物事を建設的に考えることを教えてくれるのでお勧めします。物事や出来事を、少し踏み込んで、深く考えることを教えてくれます。また、私自身大学生の時に読んで一番印象に残っていたこともあり、お勧めしたいと思いました。

 

Q.最近読んだ本で面白かった本などありますか?

A.マイケル・サンデル「それをお金で買いますかー市場主義の限界」です。タイトル通り、全てをお金で取引することに疑問を投げかける本で、社会についての見方が深まります。

 

Q.どういった時に本を読みますか?

A.仕事関係の本は、授業や論文などに使用する時、興味のある時に一気に読みます。仕事以外の本は、体力・時間・気力がある時に読みます。

 

Q. 専門書を読むとき、どの部分に注意して読むとかありますか?

A.既に知っていることは、文字を見た瞬間に、何言っているか分かるため、流し読みで済ませ、知らないことや理解できていないことを、時間をかけて精読します。重要な事、印象的な事などは本に付箋を貼ったりします。

 

感想 : 質問に対し丁寧にお答えいただき、またインタビュー内容以外にも趣味の本の話や、本の内容など話すことが出来、とても楽しかったです。インタビューを通してお勧めしたい本の「人を動かす」は、先生の考え方に大きな影響を与えているのだと感じ、私も読んでみようと思いました。インタビューさせていただき、ありがとうございました。

 

<上村 一樹 先生おすすめの本>

デール・カーネギー著  山口博訳 『人を動かす』 創元社 , 1999年

(インタビュアー:マネジメント創造学部 4年 小栗 珠実  )