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[藤棚ONLINE]国際言語文化センター・MACH Thomas先生推薦『Just Enough: Lessons in Living Green from Traditional Japan(江戸に学ぶエコ生活術)』

図書館報『藤棚ONLINE』
国際言語文化センター・MACH Thomas先生推薦

Do you enjoy studying history? Some people will answer “yes” to this question, but I think most people will answer “no” or “not much.” In other words, history is probably not a very popular subject for most people nowadays. That’s too bad, and I guess it is caused by how it has typically been taught. Too often, students view history as mostly just names and dates and events that they feel pressure to memorize. An episode in history, though, can suddenly become fascinating for us when we find a teacher or a book that concretely shows us how something from the past can connect to us now and help our modern lives.

I felt this sort of jolt of fascination when I first came across Just Enough, a book about Japan’s Edo Era. The author is an architect (建築者)who is mainly concerned about sustainable living(持続可能な暮らし方). So, he approaches Edo Era history with a very specific purpose in mind: he wants to show us practical techniques and lifestyle hints that we can rediscover from the Edo Era. He then helps us to see how those things could help us to live in more eco-friendly ways today.

Most history books focus mainly on powerful or famous people. When you think of the Edo Era, you probably first imagine samurai, right? But, of course, samurai were actually only a small percentage of the overall population at the time. Just Enough does include a chapter on the lifestyle of samurai, but most of the book focuses instead on things like the home design, neighborhood layout, and daily lives of ordinary people. Where did they get their drinking water from? How did they get their shoes repaired? What did they do with the ash from their cooking stoves? How often did they bathe? And why did Japanese homes develop to include engawa in their design? And sliding doors? And tatami? These are the sorts of lifestyle and design questions that the book explores.

Here is the most important point: The reason the author looks so carefully at ordinary Edo lifestyle is because the Edo Era was a time of relatively large population combined with limited resources. A big reason for resource scarcity was the sakoku policy, meaning Japan was mostly cut off from global trade and so people had to figure out how to make their lives better with the limited goods and resources available to them. Since Japan is a mountainous island country that hardly has enough farmland to feed its people, this was a huge challenge! Throughout most of world history, when you mix these two conditions together (many people and scarce resources), the end of the story is usually tragic – things like devastating wars, out of control pandemics, or enslavement. So, especially from a sustainability perspective, the Edo Era is one of world history’s very few success stories. Despite scarce resources, people at the end of the Edo Era were generally more healthy, better fed, better educated, and living longer compared to the beginning. Also, the forests had been expanded and the farmland had become more fertile than before.

How did Edo society generally manage to improve despite all the limits? This is the key question that Just Enough explores. And the reason it is so important for us today is because it is the same challenge we now face on a global scale. As world population grows and people consume more and more, environmental damage is increasing and we are feeling the limitations of global resources. How can we reverse the negative trends and actually improve our lives and our environment despite the limits? Just Enough is one history book that can inspire us to think of new solutions based on traditional know-how. At the very least, it will help you to rediscover the Edo Era by helping you to look at it through a new lens – the lens of sustainability.

ブックカバーグランプリ、デザイン募集中!

 甲南大学図書館では毎年ブックカバーデザインを募集し、図書館利用者の投票でグランプリを決定しています。
 今年はコロナ禍の影響でなかなか作品も集まりにくい状況。ですがまだまだ募集していますので、こんなブックカバーが欲しい!といったデザインがあれば、ぜひご応募ください!
 →応募方法等詳細はこちら

 さて、そんな甲南大学図書館のブックカバーに関する活動が、大学時報で紹介されました。原稿を書いてくださったのは図書館長である法学部教授の笹倉香奈先生です。どんな思い、構想で始まった企画かといったことが掲載されていますので、ぜひご一読ください。
 →『大学時報 No.395』
  →「学生によるブックカバーデザイン企画ー甲南大学図書館の取り組みー」

[藤棚ONLINE]フロンティアサイエンス学部・鶴岡孝章先生推薦『おいしいおと』

図書館報『藤棚ONLINE』
フロンティアサイエンス学部・鶴岡孝章先生 推薦

 藤棚ONLINEでは非常に多くの書籍を推薦していますが、これまでとは異なる視点で「絵本」紹介をしたいと思います。というのも先日、絵本「いないいないばあ」が、国内で発行されている絵本で初めて発行部数700万部を超えたというニュースを目にしたからです。大人になるとなかなか手に取ることがない絵本ですが、まだ字が読めなかったり、話すことができない子ども達の注目を集めるために様々な工夫がされています。そのなかで皆さんに紹介したいのが、「おいしいおと」という絵本です。皆さんは料理を食べるときには五感すべてを使っていて美味しい、美味しくないなどを判断していますよね。この絵本では料理を食べるときに聞こえてくる音にフォーカスしています。実際に私が読んだ印象ですが、その音の表現が意外、違和感、独特といった印象で何かしっくりこない感じがします。その理由が知りたくて、少し作者について調べてみようと思いました。実は、この絵本の文を担当している作者は全盲のエッセイストで、耳で情報を得ることが非常に重要な生活を送るなか、あえて耳からの情報では無く、自身の内から聞こえてくる頭の中で響く音を文字に書き起こしたそうです。この情報をもとに改めて本を読んでみると、なんとなく分かる気がするような感じになるとともに、知らないうちに耳から聞こえてくる音として決めつけていたんだなと、自身の中にある固定概念に気づかされました。
 以上、今回は「おいしいおと」という絵本を紹介しましたが、今世界が危機的な状況にあるなかですが、読書をする時ぐらいは時間を気にせず、昔の気持ちに戻り絵本を楽しんでみてはいかがでしょうか。昔に思い描いていた将来を思い出したり、新たな自分に出会えるかもしれませんよ。

[藤棚ONLINE]マネジメント創造学部・中村聡一先生推薦『国家』『ニコマコス倫理学』

図書館報『藤棚ONLINE』
マネジメント創造学部・中村聡一先生 推薦

プラトン『国家』とアリストテレス『ニコマコス倫理学』はリベラルアーツには欠かせない主要図書であります。ラファエロ作『アテナイの学堂』の中央に位置するプラトンとアリストテレスが書籍を手にしておりますのをご覧ください。プラトンが手にするのが『ティマイオス』。アリストテレスは『ニコマコス倫理学』です。

アテナイの学堂

プラトンの『ティマイオス』は、プラトンの主要作品である『国家』の後半部分に収録されております「イデア論」を発展させる形で書かれたものです。彼から見て後世のネオプラトン派の学説とイエスという若者の存在を結び付ける形で、後のキリスト教神学に大きな影響を与えたといわれます。

アリストテレスが手にししている『ニコマコス倫理学』は今回の私の推薦図書のうちの一つです。

リベラルアーツとはなにか、耳にしたことはあるが、なんだかよくわからないという方が多いと思います。リベラルアーツの発祥は古代のギリシア学問とされますところ、これを「ヘレニズム」と呼びます。

ギリシアがクレタの王女ヨウロペに因んで「ヨーロッパ」と呼ばれることになった西暦でいうと紀元前二千年頃の逸話から、その後のトロイア戦争、ペルシア戦争、ペロポネソス戦争を経て、ソクラテス、プラトン、アリストテレスらに代表される”ヘレニズム哲学”が生まれました。

その後、アレクサンドロス大王の東方遠征、古代ローマの時代、キリスト教の誕生、イスラム教の誕生、そして十字軍遠征やルネサンスを経て、時代は近代へと移行していきます。大航海の時代、宗教戦争の時代を乗り越え、サイエンスや近代政治哲学を生み出してきました。この間、じつに数奇な道筋を経て、「ヘレニズム」は受け継がれてきたのです。

現在の私たちまで続くこの四千年ほどのヘレニズムの軌跡を追いながら、この間に生み出されてきた哲学や宗教、文学や芸術そしてサイエンスの成り立ちを学んでいくこと、これを”リベラルアーツ”と呼びます。

この西洋学問の概念であるリベラルアーツは、元々、西洋社会のエリート層には必修です。そして急速にグローバル化する現代社会において世界的に必須の素養になっています。

意識ないかも知れませんが、じつは日本にもここ数百年のあいだに二回も大きな歴史的転機をもたらしているのです。

最初のそれは、日本が戦国時代にあった西暦では16世紀にありました。その頃、西洋社会では新大陸発見により大航海の時代にありました。ポルトガルとスペインがこの時代をリードしました。この二か国でアメリカ大陸を境に世界を半分づつ領有する取り決めまでしたほどです。彼らからみて東半分をポルトガルが、西半分をスペインが領有する計画でした。だから日本にやってきたのはポルトガルでした。宣教師のミッションが訪れました。西洋文明を目の当たりにしたわたしたちの祖先は大きな驚きをもって迎えました。

このときやってきたキリスト教カソリックの神学思想の中核にはヘレニズム哲学がどっしりと位置しているのです。16世紀の西ヨーロッパといいますと、十字軍遠征に引き続いて興った12世紀ルネサンスからすでに数百年が経過していました。文化的にも高い水準に到達していました。西洋社会に文明をもたらした「ルネサンス」とは、「ヘレニズムの復活」という意味なのです。いったん消失してしまったプラトンやアリストテレスらを筆頭とする大量のヘレニズムの文献をふたたび学ぶ直すことが「ルネサンス」だったのです。主導したのはキリスト教会です。ポルトガルからの宣教師がもたらした西洋文明とは「ヘレニズム」なのです。

二つ目の大きな転機とは、もちろん誰もが知るところの19世紀終盤からの「文明開化」です。16世紀の第一次の文明開化はその後の鎖国政策により大きく後退しましたが、開国によって明治期に、おそらくそれまでの日本においては歴史上もっとも大きな文明の変化が生じました。わたしたち日本人がその生まれ育ちを知らないまでも「西洋風」として取り入れた文明とは元をたどれば「ヘレニズム」なのです。

甲南学園の創始者である平生先生はこの時代に日本に根付いたモダニズム文化を愛し学園の理念に掲げています。つまりすべての元をたどれば、行きつくところはソクラテスであり、プラトンであり、アリストテレスなのです。

なお、今回推薦の図書とは別途、上に記した内容を包括的に著した私の本が来年春頃に出版されます。クレタのヨウロペからダーウィンまでの人類四千年に迫ります。

あわせて学びのきっかけにしてください。

11/3文化の日、兵庫県高等学校ビブリオバトル大会を開催!

 11月3日(火祝)、文化の日に兵庫県高等学校ビブリオバトル大会を開催しました。
 例年であれば全国大会に向けた兵庫県の予選会として実施していましたが、今年はコロナ禍により全国大会が中止となったため、 活字文化推進会議および読売新聞社様の後援をいただき、甲南大学独自で兵庫県大会を開催しました。
 今大会は感染症対策として、来場者数の制限、入場時の検温、全員のマスク着用、「兵庫県新型コロナ追跡システム」への登録、手指消毒・手洗いの徹底といった対策を講じての開催となりました。

はじめに、図書館長の笹倉法学部教授よりご挨拶いただきました。

 参加校は昨年より2校増え、発表者は大幅増の27名。観戦者は感染症対策のため 発表者1名につき2名までと制限させていただき、44名と昨年より若干少なめとなりましたが、Youtubeライブ限定配信により、当日お越しいただけなかった関係者の皆様にも発表の様子を見ていただけるよう手配しました。(上手く配信できていたようで一安心でした。無料で簡単に複数配信できてしまうなんて、便利な時代になったものです)

 発表者の高校生たちは、コロナ禍でイベント中止が相次ぐなか、たくさん今大会に向けて練習してきたのでしょう。素晴らしい発表ばかりで接戦を繰り広げるなか、チャンプに輝いたのは『残像に口紅を』(筒井康隆著)を紹介した、兵庫県立長田高等学校の津野大都さんでした!

 発表者、観戦者の皆さんのおかげをもちまして大盛況のうちに終えることができました。感染症対策として多数ご不便、ご面倒をおかけいたしましたが、皆さん笑顔でご協力くださり、運営側としても大変感謝しております。
 ご参加ありがとうございました!

当日は甲南大学生協書籍部様のご協力により、発表本の展示・販売コーナーを設置していただきました。ありがとうございました!

[藤棚ONLINE]知能情報学部・田村祐一先生推薦『アフターデジタル:オフラインのない時代に生き残る』

図書館報『藤棚ONLINE』
知能情報学部・田村祐一先生 推薦

知能情報学部 田村です.私の研究分野はバーチャルリアリティなのですが,今回は「バーチャル化していく社会」をテーマとした本を紹介いたします.

「アフターデジタル」という本で2019年に発刊された本です.皆さんはGAFAと聞いて構成する企業群を想像できると思います.
この本では中国におけるデジタル活用状況とGAFAとの関係性についての話,さらには今後の日本の可能性について述べています.

日本ではどうしてもアメリカ中心の情報発信となるため,中国のデジタル社会の情報を受け取る機会は少ないです.
この本には「現在進行形の中国」について具体例を挙げながら詳しく述べられており,多分皆さんが知らない面を見ることができると思います.
また,筆者が述べる「日本の可能性」については納得する部分も多いでしょう.
これからの社会を見通す一つの考え方で,この本の主張どおりになるかどうかわかりませんが,読んで損のない本と思います.