投稿者「図書館」のアーカイブ

文学部 A先生へのインタビュー

文学部 3年生 Yさんが、文学部のA先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

-大学図書館で働かれていた際の印象的だったこと
在職中に新館ができてレファレンスカウンターへ異動になったこと。それまではずっと目録作業をしていた。不安だったが嬉しかった。図書館員はサービスを行ってこそということ、利用者と接する大切さを実感できたし、面白かった。新図書館建設の時期にめぐり合えて良かった。図書館にいて辛いとかやめようとか思ったことは1度もなかった。

-図書館員を目指されたきっかけ
高校生のときに決意。当時よく本を読んでいた。将来の職業の選択肢の1つに図書館員があった。インスピレーションのようなものかもしれない。

-図書館員を目指す人へのおすすめ本
前川恒雄先生の『われらの図書館』。公共図書館のことが分かりやすく書いてあっておすすめ。

-学生時代読まれていた本
高校生の頃は、外国文学全集を順番に。キャサリン・マンスフィールドとか。日本の小説は辻邦生や北杜夫の『どくとるマンボウ航海記』、遠藤周作とか。彼らのものは、社会人になってからも読んでいる。社会人になってからは、日本の小説ばっかり。歌舞伎戯曲全集とか。

-好きな本
茨城のり子さんの詩集。社会人になってから、職場の先輩の影響で好きになった。分かりやすくて、シャキッとして凛としているので、女子学生にも男子学生にもおすすめ。

-お気に入りの本
森鷗外の『山椒大夫』。どこで読んでも、涙が出そうになる。ラストの母親の苦労が心にぐっとくる。

-本を選ばれる基準
おもしろいものを。自分の興味関連のものを特定の本屋で。自分の知らない分野で興味持ちそうなものをとりあえず買って面白そうなところを読んでみることも。内田樹さんの論とか、椎名誠さんの本も好き。旅行記も好き。旅行行かないけど見るのは好き。アジアとか。

まとめ:
お忙しい中、優しく丁寧に応対して下さいました。たくさんの本をおすすめして頂いて、先生と本との関わりの深さを実感できました。レファレンスや図書館サービスの大切さも身にしみて感じました。前川恒雄先生の本や『山椒大夫』や茨城のり子さんの詩集を読んで、自分の知識を深めていきたいと思います。

 <A先生おすすめの本>
  前川恒雄著  『われらの図書館』 筑摩書房,1987年

(インタビュアー:文学部 3年)

文学部 田中貴子先生へのインタビュー

文学部 3年生 Yさんが、文学部日本語日本文学科の田中貴子先生にインタビューを行いました。

-本はよく読まれますか
本がなければ生きていけない。仕事でも私生活でも必要不可欠なものであって、本は生活そのものです。
 
最近読まれた本について
(趣味の本)宮内悠介の『スペース金融道』を読みました。彼の本は全部読んでいます。SFで若い人で、センスがいい。現在の閉塞的な世の中をよく捉えています。SFとミステリーは楽しみの読書です。
 
-先生が怪しいものに興味を持たれたきっかけ
・子供の頃にお母さんが寝る前に語って下さった
・ゲゲゲの鬼太郎のアニメ世代。第一回の放送も見ました。水木しげるの影響。
・生まれ育った京都には不思議なもので溢れていたので、馴染んだ
・元々不思議な話が好きだった。

-学生時代に影響を受けた本
中上健次の本で中世文学に行き着きました。熊野についての小説が自分の研究方向を決めるきっかけに。当時の現代思想の本をたくさん読んでいました。クロード・レヴィ =ストロース『野生の思考』など。1990年代には構造主義が学生にも馴染みやすかった。みすず書房の本を積極的に読んでいました。

-古典文学を学ぶ人におすすめの本
百目鬼恭三郎の『奇談の時代』を高校生の時に読んでいました。古典文学の入門書としておすすめです。馬場あき子の『鬼の研究』が批判されていたのが印象的でした。批判する面白さや原文読む大切さを知りました。

-本を選ばれる基準について
新聞の書評やネットの新刊書などをチェックして、面白そうなものを読みます。幅を狭めないように、自分の専門とは違うもので面白そうなものやとっつきやすそうなものを読むようにしています。『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』など、生き物関係の本は好きで、図鑑もよく見ます。理系の本も。本は情報だと考えています。リアル本屋に行って、ボーと本棚を眺めて買うことも多いです。お金を出して本を買って付箋を貼ったり書き込みをしたりして自分の本にするのが好きです。

【まとめ】
初めてのインタビューですごく緊張しました。先生の本に対する思いや考え、中世文学の研究に行き着かれたルーツなど、とても貴重なお話を丁寧に教えて下さいました。おすすめして下さった本を読んで、視野を広げるとともにこれからも、読書に励み、様々なことを吸収していきたいと思います。お忙しい中、インタビューにお時間を割いて下さり、ありがとうございました。

 <田中貴子先生おすすめの本>
 百目鬼恭三郎著  『奇談の時代』 朝日新聞社,1978年

(インタビュアー:文学部 3年)

岡本綺堂著『半七捕物帳』

書名: 半七捕物帳 年代版 1~4
著者: 岡本綺堂
出版者: まどか出版  出版年: 2011.11 (初出:  1917年) 
場所: 2階中山文庫  請求記号: 913/O/1~4

今年2017年は、日本探偵小説の嚆矢『半七捕物帳』100周年です。

岡っ引きの親分「半七」が、江戸の町でおきる事件を解決する探偵小説です。派手な剣戟シーンがないので、あまり映像化はされていませんが、江戸の人情が伝わる名時代小説で、100年経っても人気が衰えることなく、現在でも新しい版が出版されています。

本学図書館にある版は、半七が活躍した化政期から幕末までの事件を年代順に並べた版です。『半七捕物帳』シリーズは全て短編なので、1冊に20編程が収録されていてお得だということもありますが、年代順、というところもポイントです。というのも、岡本綺堂の作品は、時代劇関係者が使うほど時代考証に定評があり、通して読むと江戸時代を体感できるのです。

地理や小道具はもちろんですが、特に、登場人物たちが使う言葉を楽しんでください。江戸時代、つまり明治時代に標準語が定められる前は、地域だけでなく、身分、職業、上下関係、男女、年齢などによって、多様な日本語が存在していました。加えて、自由に言葉を着せ替えできる粋な人、方言丸出しの野暮な正直者など、登場人物の個性によっても言葉が変わります。
例えば、(半七は粋で知的なキャラなので、めったに使いませんが、)有名な「てやんでぃ!」は、下町の町人が目下の人物に対してしか使いません。また、半七が目上の武士から事件を任される際には、特別なお役を引き受けるという自負を込めて「ようがす(よろしいです、承知しましたというような意味)」というような独特の敬語を使います。
岡本綺堂は、物語全体を現代の我々でも分かりやすい言葉でまとめながらも、会話ひとつで登場人物の人柄をイメージできるように仕掛け、短い物語を奥深く仕上げています。

小説を楽しみながら、歴史文化も楽しめるシリーズです。

 

店頭選書コーナー

店頭選書で選書した本を
図書館1階新着コーナーの左隣『特別企画コーナー』に並べました。
(一定期間を過ぎると通常書架に並びます。)

参加された方に“おすすめ本レビュー”を書いてもらいました。
気になる本があれば是非読んでみてください。

 図書館では年1~2回店頭選書を実施しています。
興味を持った人は是非次回参加してみてくださいね。

子安増生 編著(文学部)         『よくわかる認知発達とその支援 第2版』

<教員自著紹介>
 「認知発達の基礎」から「認知発達の障害と支援」まで、全100項目をすべて見開き2頁で、図表も豊富に用いて、わかりやすく解説した大判の参考書です。文献リストも充実しており、2005年に出版して以来、好評を得てきましたが、『精神障害の診断と統計マニュアル 第5版(DSM-5)』の刊行により概念や用語が変更になったことへの対応をはじめ、最新のデータに更新して改訂したものです。

■『よくわかる認知発達とその支援 第2版
■子安増生 [編著] ミネルヴァ書房  2016年10月
■請求記号 141.5//2168
■配架場所 図書館1F教員著作コーナー
■著者所属 文学部  特任教授
 
■子安先生からのお薦め本
『自閉症と感覚過敏』 熊谷高幸[著]   
新曜社(2017年1月出版)       

河﨑照行[編著](共通教育センター )      『中小企業の会計制度 :日本・欧米・アジア・オセアニアの分析』

<教員自著紹介>
 本書は,日本,欧米(7カ国),アジア(7カ国)およびオセアニア(1カ国)の合計16カ国について,中小企業の会計制度の実態を浮き彫りにした研究書です。会計の分野では,いま,各国で,大企業の会計基準が統一的な国際会計基準(IFRS)に変更されています。これは複雑でかなり高度な会計基準であることから,各国では,中小企業の会計基準のあり方が,活発に議論されています。本書は,中小企業の会計とグローバリゼーションに関心のある皆さんには,必読の書籍です。

■『中小企業の会計制度 :日本・欧米・アジア・オセアニアの分析
■河﨑照行[編著] 中央経済社  2015年3月              
■請求記号 336.92//2453
■配架場所 図書館1F 教員著作コーナー
■著者所属 共通教育センター 教授

■河﨑先生からのお薦め本
・『「クラウド会計」が経理を変える!』 原幹[著] 中央経済社,2015年
 クラウド会計ソフトの出現による会計分野のイノベーションを平易に解説しています。

・『FinTech フィンテック』 柏木亮二[著] 日経文庫,2016年
 金融とテクノロジーの融合を意味するフィンテックの意義と経済的影響を簡潔に解説して  います。 

『捨てられる銀行』 橋本卓典[著]  講談社現代新書,2016年
 融行政の変更と銀行の新しいビジネスモデルの必要性を平易に解説しています。

 請求記号 S081.6/2371/23
   配架場所 図書館1階 開架小型