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【第5回 甲南大学書評対決】 北村 良子著 『論理的思考力を鍛える33の思考実験』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 経営学部3年  地引 愛里子さんからのおすすめ本です。

書名 : 論理的思考力を鍛える33の思考実験
著者 : 北村 良子
出版社: 彩図社
出版年:2017年

 論理的思考 (ロジカルシンキング)とは、物事を筋が通るように考え整理し、矛盾などがないように結論を導き出すことです。 この本ではそんな論理的思考力が鍛えられるような実験が簡単なイラストと共に掲載されており、読めばきっとあなたも考えることの楽しさに目覚めるはず!

 ご存じの方も多いであろうトロッコ問題をはじめとする33の実験は4つのカテゴリー「倫理観を揺さぶる思考実験」「矛盾が絡みつくパラドックス」「数字と現実の不一致を味わう思考実験」「不条理な世の中を生き抜くための思考実験」に分けられています。どの実験でも自分が今までに得た知識や集中力が試されるので、脳を鍛えながらも改めて自分を見つめるきっかけにもなるかもしれません。

 私はこの本を父から譲り受けました。親子喧嘩中の父の意見はいつでも筋が通っていて、私が反論しても全て論破されるのがとても悔しかったです。そんな時何も言わずに父からこの本を差し出され読み進めていくと、自分がいかに結論以外見ていない隙だらけの思考をしていたかに気付かされました。自信家だった私には結構大きなショックです。 その後何度もこの本を読み、今ではようやく父と同じ土俵で戦うことができるようになりました。他にも、論理的思考はゼミでの研究やレポートを書くときに必ず役立つし、説得力が加わることで意見や文章の質がぐっと上がると思います。良い子の皆さんはこの本で鍛えられる論理的思考力を親への口答えに使わず、これから先のビジネスシーンなどでぜひ役立ててください。

【第5回 甲南大学書評対決】 村田 沙耶香著 『コンビニ人間』

10月27日(木)に開催された第5回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

ラーニングアシスタントチーム 経済学部2年 松田 小鳥さんからのおすすめ本です。

書名 : コンビニ人間
著者 : 北村 良子
出版社: 文藝春秋
出版年:2016年

 皆さんの考える「普通」とは何ですか?
 この本の主人公、 古倉恵子は36歳の独身女性。 小さい頃から少し周りと違うといわれていた恵子は、これまで彼氏がいたことがなければ、就職もせず、コンビニのアルバイト歴は18年目。現代の言葉を使えば社会不適合とも呼ばれるような、社会にあまり馴染めていない女性です。この本では、そんな主人公が葛藤しながらも自分の生きる世界を見つけていくという物語です。

 私はこの本を読み、「普通」とは何なのだろうということを改めて考えさせられました。
現代社会における私たちは、人と同じような生き方をすることが「社会の普通」となっているように感じます。 しかし、一人一人考え方や感じ方は違い、生き方に正解なんてない。 自分の人生は人に決められるものではなく、自分自信が好きな道を胸を張って生きていけばいいのだと背中を押してくれる作品です。

 皆さんも是非この本を読み、自分の生きる道を探してみてください。

【第4回 甲南大学書評対決】 岸見一郎 古賀史健 著『嫌われる勇気』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

サッカー部チーム 経済学部  中島 佑希さんからのおすすめ本です。

書名 : 嫌われる勇気
著者 : 岸見一郎 古賀史健 著
出版社: ダイヤモンド社
出版年:2013年

 この本は、「心理学の三大巨頭」と称されるフロイト、ユングに並ぶ、アルフレッド・アドラーが唱える思想、「アドラー心理学」を少年と哲人の対話という物語形式を用いてまとめられている本です。

 アドラー心理学は、欧米で絶大な支持を誇っており、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という問いに、きわめてシンプルかつ具体的な答えを提示します。この人生の最大のテーマともいえる問いに対して、私はこの本を読みアドラーの思想を知っていくうちに、人生に対する見方や考え方が変わりました。

 印象に残っている言葉は、現在の状態は過去が原因ではなく、今自分がそうしたいから現状を維持しているだけという言葉です。理由をつけてやらないのは現状に自分が満足しているからだということを改めて考えさせられました。

 他にもたくさん心に響く考えがあります。私も悩んでいるときなどに読み返すことがあります。人生を変えるきっかけになると思うので是非読んでみてください。

【第4回 甲南大学書評対決】 尾田 栄一郎作『ONE PIECE』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

サッカー部チーム 法学部  岡本 倖汰さんからのおすすめ本です。

書名 : ONE PIECE
著者 : 尾田 栄一郎 作
出版社: 集英社
出版年:1997年~

 僕がお勧めする本は、世界的にも有名なONE PIECEとゆう漫画です!今も続いている漫画で愛読してる方も多いかと思われますが、意外と読まれていない人も僕の周りにはいて、僕的には非常にもったいないと思います。

 この漫画は一言で言えば自由と仲間です。社会と仲間の選択を迫られた時に仲間あなたはどちらを選びますか。世の中のルールを盲信するのではなく、自分で善悪を判断するということが大事というのを教えてくれます。主人公自身がただ強くなっていくというよりかは、他者との関係性が強化されることで強くなっていき、目標に近づくという横のつながりを強調しているものとなっています。

 友情・努力・勝利という少年漫画の王道である枠組みを崩すことなく、横の関係性をここまで前面に出していることがこの漫画の1つの素晴らしいところだと僕は思います。

 思わずワクワクしてしまう展開や⾧期連載だからこそ可能な伏線などがあって、つい続きが気になり時間を忘れて読んでしまう漫画となってます。是非読んでみてください!

【第4回 甲南大学書評対決】 スコット・ギャロウェイ著 渡会圭子訳『ニューヨーク大学人気講義HAPPINESS GAFA時代の人生戦略』

6月16日(木)に開催された第4回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

サッカー部チーム 文学部  岡田 知也さんからのおすすめ本です。

書名 : ニューヨーク大学人気講義HAPPINESS GAFA時代の人生戦略
著者 : スコット・ギャロウェイ著 渡会圭子訳
出版社: 東洋経済新報社
出版年:2019年

 あなたにとって幸せとは何ですか?この本を読み終えた時ヒントが見えてくるかもしれません。この本は幸福、成功、愛、健康の4項目あります。

 1つ目の幸福には意外なことが書いています。「親を看取ることは幸せな体験」全然ピンときませんでした。社会人になったら自分のことで精一杯なのに親の面倒を見るというのは不可能だと思います。しかし、そこには家族愛があり、それをしなかったら後悔するだろうと書いています。

 2つ目は成功です。起業家になりたい人は必見です。最近は「好きなことで生きていく」と言っている人や「中卒社⾧」などが多くいます。しかし、この本では「学歴と資格は持っておいた方が良い」と言っています。そして「起業するなら自分がお金を払ってでも働きたいと思う会社を作れ」と書かれています。

 3つ目は愛です。ここの章ではこの本で一番と言ってよいほど大切なことが書いています。それはパートナーの重要性、性的魅力だけではなく苦労、成功を分かち合えるパートナーこそが本物である。その理由は読めば分かります!

 4つ目は健康についてです。一度は言われたことがあると思います。「運動しろ。」私たちは狩猟採取者であり、動いているときに最も幸せを感じるとこの本で書かれています。

 最後に人間関係について紹介したいと思います。僕たちの年代はまだまだこれから先⾧く生きるだろう。その中で重要となってくるのは人間関係です。これからもずっと続く人間関係を作りたくありませんか?そこで重要になってくるのはこまめに連絡を取ることであるとこの本では言っています。アメリカの本という事もあり筆者の言っていることに偏りはあると思いますが、この本の中から取捨選択し自分の“Happiness”を考える機会にちょうどいいと思います。
 ありがとうございました。

スー・スチュアート・スミス著 和田佐規子訳 『庭仕事の真髄 : 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭』

 

文学部  4年生  Iさんからのおすすめ本です。

書名 : 庭仕事の真髄 : 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭
著者 : スー・スチュアート・スミス著 和田佐規子訳
出版社:築地書館
出版年:2021年

 皆さんは、最近自然と触れ合うことはあるだろうか。

 本書は、ガーデニングを通して自分の気持ちや心を癒していく人々の姿を描いた物語である。イギリスでは、「サンデータイムズ」ベストセラーや、タイムズ紙、オブザーバー紙の「今年読むべき1冊2020年」に選出された1冊である。

 戦争で負った心の傷をガーデニングで癒したという祖父や、ガーデンデザイナーである夫から影響を受け、著者は精神科医でありながらガーデニングに熱中する。そこから、自然やガーデニングを用いた治療法を試していく。患者は、心の病気を患う人や、虐待を受けた経験がある人、罪を犯した人、復員兵士など様々なバックグラウンドを持つ人々である。彼らは野菜や花を育て、それらを手入れする過程で、自分自身と向き合い、感情をコントロールしていく。本書からは、自然が持つ治癒力のすごさを学ぶことが出来る。

 本書では、現代人が、生活で自然や人と触れ合う機会が少ないことについても触れている。実際、コロナ禍で、デジタル化がより進み、オンライン授業やテレワークなど、外に出ることや、直接人と触れ合うことがなくても成り立つことが増えている。私たちはその便利さと引き換えに、大切な何かを失ってはいないだろうか。スマートフォンやパソコンといった無機質なものに囲まれ、現実を見失ってはいないだろうか。

 本書は、現代人が、野菜や花、木などの生命と直接触れ合うことが大切だと記している。植物が育ち、枯れ、また成長していく姿からは、生命の大切さを感じることが出来るからだ。そして、自分自身も自然の一部だということに気付き、自分自身の生命や感情、思いも大切にできるようになると述べている。

 ガーデニングは時間が経つのを忘れさせてくれると本書で書かれているように、約300ページある本書も時間を忘れて読むことが出来る。デジタル化が進んだ今、自然と触れ合う大切さを気付かせてくれる一冊である。