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[藤棚ONLINE]経営学部・杉田俊明先生コラム「グローバル経営関連研究へのいざない」

図書館報『藤棚ONLINE』
経営学部・杉田俊明先生コラム「グローバル経営関連研究へのいざない」

 グローバル経営を研究し、関連専門科目を担当する筆者が学部生にまずお勧めしたい参考書は、『グローバル経営入門(新装版)』(浅川和宏著、日経BP、2022年刊、第2版)です。

 タイトルに「入門」、と示されている通り、本書は、グローバル経営についてどうとらえたらよいのか、などについて、数ある関連専門図書のなかでは相対的に読みやすい書物となっているのが、その第一の理由です。

 そして、本書はグローバル経営からみた戦略論、組織論やマネジメント、人的資源管理、グローバル経営と異文化との関係などについても紹介し、グローバル経営関連研究がカバーする領域の広さを示しながら、それら概容をある程度まとめられているのが第二の理由です。

 ところで、実際に本書を手に取って読み始めた一年生や、関連専門科目をまだ履修していない学生からは早速、「どこが読みやすいのか」と、クレームを付けられるかもしれません。その理由は、大学に一般的にある専門科目は(経営学部の例でみれば)戦略は戦略論、組織は組織論、というように、それぞれ一つの領域のものを学ぶに対して、グローバル経営は最初から多くの領域を跨ぐものとして「ややこしい」、と思われているかもしれません。

 理由のもう一つは、一般的な参考書や教科書から、あるいは、基礎や専門科目のなかで、一般に目にすることも聞くこともない、専門的な概念や理論が本書において頻出していることかもしれません。エントリー・モードや、OLIパラダイム(所有の優位、立地の優位、内部化の優位)などがその典型例だと思われます。

 しかし、これらこそがグローバル経営関連理論の土台であり、グローバル経営関連研究の神髄に触れ始めるものでもあります。筆者が本書を勧める最大の理由は実はこの点にあります。

 グローバル経営は実態として今の世界では日常になりつつありながらも、それは単なる一般経営の延伸、といまだ誤認される向きがあります。本書を閲読すれば、グローバル経営関連研究は経営学を横断的に包摂し、グローバル経営固有の理論を含め、エリアスタディーズやグローバルスタディーズ、地政学なども含むものとして理解できるようになるはずです。

 つまり、広範囲、横断的な学びに加えてグローバル的な課題に即応する能力を養うのがグローバル経営関連学びともいえます。グローバル社会での活躍を目指す者に勧めたい研究領域であり、本書の閲読がそのステップの一つになることを期待しています。

第7回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中!

甲南大学生協の書籍部にて、第7回 甲南大学書評対決  実施中です。

書評対決とは・・・甲南学園および甲南大学の教職員と学生団体がそれぞれ”おすすめの3冊”の書評を執筆・発表し、BOOKCAFE(iCommons4階)、Books&Support(学友会館北館)、The CUBE SHOP(西宮キャンパス)、FIRST SHOP(ポートアイランドキャンパス)で展示販売し、その売上冊数によって勝敗を競う企画です

今回は、甲南大学書道部甲墨会の文学部1年 中田優月さん、文学部2年 田中杏佳さん、経営学部1年 大脇悠史さんと、マネジメント創造学部教授の木成勇介先生の対決です!

 

 

 

10月26日(木)に、各チームによる本のプレゼンが行われました!会場はたくさんの人で賑わっており大盛況でした✨

 

入り口には発表する本がきれいに並べられていました。さすが生協さん!

 

発表前には応援ビデオや、選書した本の出版社の方からの応援メッセージもあり、みなさんびっくりしていましたが、とても喜んでおられました。

 

時間もありませんので、早速プレゼンスタートです!

 

書道部甲墨会チームのみなさん

VS

マネジメント創造学部教授 木成勇介先生

 

甲墨会チーム一人目は中田優月さん。一生懸命頑張りますとのことでした!少し緊張してる面持ちでしたが、始まったらハキハキと発表してくれて、時に笑いも入れながら楽しそうにしていたのが印象的でした。
【第7回 甲南大学書評対決】 菅広文著 『京大中年』 | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)

 

続いては木成先生。手加減せずぶちのめします!との気合いたっぷりのコメントでした!
みなさんは授業出てますか?という問いから始まり、なんで授業出てるの?という強烈なインパクトの切り口で発表されていました!先生のご専門の分野の本を選ばれました。
【第7回 甲南大学書評対決】 大竹文雄著 『行動経済学の処方箋 : 働き方から日常生活の悩みまで』 | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)

 

甲墨会チーム二人目は大脇悠史さん。先生には負けません!とのコメントをいただきました!ライトノベルを選ばれましたが、ダークファンタジーの難しい設定のところを分かりやすく、うまく説明してくれました。
【第7回 甲南大学書評対決】 十文字青著 『いのちの食べ方』 | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)

 

続きまして木成先生のターン。大学の先生ってよくわからなくない?とこれまた面白い切り口で発表が始まりました!それが何故か、またそんな先生とどう接すればいいかを先生ならではの立場でご説明されました。
【第7回 甲南大学書評対決】 吉森保著 『Life science : 長生きせざるをえない時代の生命科学講義』 | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)

 

甲墨会チーム最後は田中杏佳さん。緊張しているが頑張りますとのことでしたが、とてもよく考えてきてくれたのだなと思う発表で、難しいあらすじをわかりやすく説明してくれました。設定のおもしろさが伝わってきました!
【第7回 甲南大学書評対決】 有川浩著 『空の中』 | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)

 

木成先生のラストターン。ヤフーニュースでおすすめされて買われたというマンガを紹介されました。先生にもご経験がある内容とのことで、勉強で躓いている人にはぜひ読んでみてほしいです、とのことでした!
【第7回 甲南大学書評対決】 絹田村子著 『数字であそぼ。 (1) ~(10)続刊』 | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)

 

以上のプレゼン対決では、甲墨会チームの学生3名が勝利しました!
🎊おめでとうございます🎊

 

甲墨会チームはエッセイ、小説、ライトノベルと様々な本を選んでくれましたのでどれもおもしろく聞きごたえがありました。3人とも上手にまとめてくれていて、時間もぴったりだったので事前にたくさん練習してくれたんだろうな、頑張ってくれたんだな、と思いながら聞いていました。

木成先生は、切り口がどれも面白く、引き込まれる発表でした。事前準備をしていないとのことでしたが、疑ってしまうほど説明がお上手で、先生の授業はきっと面白いんだろうな、と思います。いつも先生方は学術書を選ばれることが多いのですが、マンガを選ばれたりとすごく新鮮でした!

 

本当にレベルの高い戦いで、とっても面白かったです!

 

※プレゼンされた本の紹介は下にも続きます!ぜひスクロールしてご覧ください!

 

そして、今回で長らく書評対決の司会を務めてくださった、巽香蓮さんが最後とのことで、生協さんよりお花とみせかけてなんと孔雀の羽(!)の贈呈がありました💐✨
完全にサプライズだったそうで、とても驚かれていましたが、会場は温かい拍手で包まれました。

巽さん、長い間ありがとうございました!&お疲れさまでした!

 

 紹介された本は、10/26~11/24の売り上げで勝敗が決まります!結果は11/30に発表されます。ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか?

 書評対決は今後も年2回開催予定です。「おもしろい本」を探しにぜひチェックしてみてください!

【第7回 甲南大学書評対決】 絹田村子著 『数字であそぼ。 (1) ~(10)続刊』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

マネジメント創造学部教授 木成 勇介 先生からのおすすめ本です。

書名 :数字であそぼ。
著者 : 絹田 村子
出版社:小学館サービス
出版年:2018年

先生の三冊目のおすすめ本です。

大学の勉強が難しくて全然理解できない。でも大学の先生に質問するのは嫌だ。質問しようにも何をどう質問すればいいのかわからないし、そもそも何がわからないのかもわからないから怒られそうだ。私にもそんな頃がありました。そんな時は、周りの友達と一緒に勉強してみてはいかがでしょうか。

本書は大学数学の授業についていけなくて挫折してしまった主人公が友人たちの力を借りながら数学の楽しさを理解していくマンガです。

大学の勉強が難しくて困った、そんな時は主人公たちが学生生活を楽しみながら学問の壁を乗り越えていく姿を見て勇気をもらいましょう。

 

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【第7回 甲南大学書評対決】 吉森保著 『Life science : 長生きせざるをえない時代の生命科学講義』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

マネジメント創造学部教授 木成 勇介 先生からのおすすめ本です。

書名 :Life science : 長生きせざるをえない時代の生命科学講義
著者 : 吉森 保
出版社:日経BPマーケティング
出版年:2020年

先生の二冊目のおすすめ本です。

大学の先生は突然怒り出すことがあって怖い。でも妙に優しい時もあってそれはそれで怖い。大学の先生には変な人が多い。そう思っていませんか。私は学生時代からずっと思っていました。大学の先生になった今、自分自身について考えてもそう思います。

本書はそんな大学の先生との上手な付き合い方が学べる本。ではありませんが、本書1章「科学的思考を身につける」では、大学の先生がどのように考え、何をしているかについて学べます。大学の先生に対する理解が少し深まると同時に、エセ科学に騙されない科学的な考え方が身につくはず。2章以降は生命科学の最先端について素人にもわかりやすく書かれています。

本書を読めば、研究とは一体何をどうすることなのか、科学とは何なのか、竿先端の生命科学では何がどこまでわかっているのかについて学べます。大学生だけでなく大学に関わる全ての方にお勧めします。

 

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【第7回 甲南大学書評対決】 大竹文雄著 『行動経済学の処方箋 : 働き方から日常生活の悩みまで』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

マネジメント創造学部教授 木成 勇介 先生からのおすすめ本です。

書名 :行動経済学の処方箋 : 働き方から日常生活の悩みまで
著者 : 大竹 文雄
出版社: 中央公論新社
出版年:2022年

先生の一冊目のおすすめ本です。

朝食に何を食べるか、何色の服を着て出かけるか、講義に出席するか、それともサボって遊びに行くか。私たちの毎日はいつも決断の連続です。この決断の中に潜むヒトの心理や感情、考え方のクセや性格が経済活動にどのような影響を与えるかを考える、それが行動経済学であり、私が専門とする分野です。

本書を読めば、行動経済学の基礎知識を身につけながら、行動経済学が社会の様々なところで役に立っていることがわかります。特に新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーでもあった筆者が語る行動経済学の研究成果を利用した感染症対策は、私たちの感染症対策を振り返りながら今後の感染症対策を考えるうえで必読です。

経済学はもはや机上の空論ではないのです。

 

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【第7回 甲南大学書評対決】 有川浩著 『空の中』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

書道部甲墨会チーム 文学部2年  田中 杏佳さんからのおすすめ本です。

書名 :空の中
著者 : 有川浩
出版社: 角川文庫
出版年:2008年

田中さんの紹介してくれた本は、有川浩さんの『空の中』。大人と子ども、二人の主人公が自分の中に折り合いをつける物語です。

 

以下、田中さんからの書評です。

 

高度2万メートルの上空で、飛行機が爆発する不可解な事故が相次いだ200X年。ある日、高校生の瞬は海で不思議な生き物を拾いました。家に帰ると、とても仲の良かった航空自衛隊パイロットの父が亡くなったと知らされます。一人になった瞬は、感情を吐き出せないまま、着信履歴に残った父の番号に電話をかけてみます。呼び出し音が何十回にもなったとき、突然通話が繋がり、やがて雑音まじりの声が聞こえました。それは拾った生き物が、電波をジャックして発した言葉でした。父の死は頭の隅に追いやられ、瞬は謎の生き物にのめり込んでいきます。

一方、事故の調査のため、メーカーの担当者と、事故から生還した自衛隊パイロットは再び高度2万メートルの高さへ飛びました。事故に共通するその空域で、二人は都市を覆えるほどの「何か」と出会います。その「何か」と瞬に拾われた生き物は、元は同一個体であったことがわかり・・・

二組のカップルが織り成すスペクタクルエンタテイメントです!

 

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