月別アーカイブ: 2023年10月

【第7回 甲南大学書評対決】 十文字青著 『いのちの食べ方』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

書道部甲墨会チーム 経営学部1年  大脇 悠史さんからのおすすめ本です。

書名 :いのちの食べ方
著者 : 十文字青
出版社: KADOKAWA MF文庫J
出版年:2022年

大脇さんは、人気アーティストのEveさんがプロデュースした「いのちの食べ方」というライトノベル小説を紹介してくれました。

 

以下、大脇さんからの書評です。

 

Eveさんの楽曲「いのちの食べ方」とそのMVの世界が小説となった作品で、新たな視点で物語の世界観を味わうことが出来ます。物語には「人外」と呼ばれる、人ならざる存在が登場するのですが、その人外によって日常が非日常へと書き換えられる中、中学生の飛が相棒のバクと共に立ち向かいます。ここでの、飛のバトルシーンの迫力や、対比して描かれる人外の不気味さには、この作品の魅力がとても詰まっています。また、全体的に暗めな話なのですが、終始緊張感が感じられるため、ドキドキしながらも世界観を楽しめる作品となっています。

去年には「次にくるライトノベル大賞」の1位にも選ばれ、とても人気の本作は、続きの巻も出ています。Eveさんを知らない方や楽曲を聞いたことがない方でも関係なく楽しめる作品ですので、この機会にぜひお手に取ってもらえたら嬉しいです。

 

第7回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中! | 甲南大学図書館ブログ (konan-u.ac.jp)も合わせてご覧ください!

【第7回 甲南大学書評対決】 菅広文著 『京大中年』

10月26日(木)に開催された第7回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

書道部甲墨会チーム 文学部1年  中田 優月さんからのおすすめ本です。

書名 :京大中年
著者 : 菅広文
出版社: 幻冬舎
出版年:2023年

中田さんの紹介してくれた本は、お笑いコンビのロザンの菅さんが相方の宇治原さんとの歩みを書かれた本です。

 

以下、中田さんからの書評です。

 

みなさんは教科書の「はじめに」の部分を読んだことがありますか?初回の授業のときにチラッと見るくらいで、実際に意識して読んだことがある人は少ないと思います。

この本は「20歳の宇治原さんへ」や「30代の教科書」のように、各章がこれまで経験してきたことを振り返り、その頃の自分たちに語りかけているような内容になっています。ロザンのお2人をテレビで見たことがある人は2人の仲の良さや、雰囲気が本からも伝わってくると思います。一方あまり知らないという方でも、菅さんの宇治原さんへの信頼感と2人の人生を知ることができます。京大卒でインテリ枠での活躍が目立つ宇治原さんは、クイズ番組などで見たことがある人も多いと思います。学生時代のお2人は特に面白い経験をしています。菅さんの宇治原さんに対する扱い方や、今までに起きた出来事が書かれており笑える部分もあります。

手紙のような文章で読みやすいので、まずはパラパラと中身を見てもらえると嬉しいです。

 

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セレクト文庫、大充実中!

「KONAN未来サポーターズ募金」にお寄せいただいた資金で、セレクト文庫コーナーが大充実しました!

一生に一度は読んでおきたい名作や、題名だけはふわっとしっている傑作。
いつかの誰かの寂しさへ、そっと優しく寄り添うような、いっそ景気よく破壊するような。
とにもかくにも個性豊かに、色んなジャンルから、幅広くお出ましです。

これらの名作作品、もちろんこれまでも所蔵していたのですが、「もっといろいろ読んでみたいのに、図書館の本は物理的に重い……」というお声がありました。
文庫本なら一挙に解決!です。

図書館職員が総出で、はりきって、おすすめの文庫本を選びました。
ご寄付を受けた本の目印は、表紙できらんきらん✨に輝くシールです。

気になってはいたけれど、ちょっと敬遠してしまっていた作品も、自動貸出機でさっと貸し出し、学生デザインのブックカバーに包んで、カバンにさらりと滑りこませ、通学の際は優雅に取り出して読むのも素敵です。

一気に棚が潤い、図書館としては嬉しさもひとしおです。
どれほどの精鋭揃いであるか、少しご紹介いたします。
豪華絢爛な顔ぶれを、ぜひご覧になってください。

こちらが、棚の一部です。ざっくり。ほんの一部!
全体像はぜひ、ご自身の目でお確かめくださいね。
ご存知の本やご存知でない本が見当たるでしょうか?
名高いレンガ本も、文庫本のおかげでレンガ🧱になっていません。

名探偵の中の名探偵🔍も、シリーズ全巻でお目見えです。
先月ちょうどNHKの「100分de名著」で取り上げられていましたね。
多数ある訳から、延原訳の新潮社版が選ばれました。表紙もおしゃれですよ!
初めての方はもちろん、シャーロッキアンの方も、再読にいかがでしょう。

国内外で人気の、芥川賞作家である村田沙耶香さんの作品も、たくさん入りました。
イギリスではBBCの「The best books of the year so far 2020」にも選出されるほどです。
そして12月9日には甲南大学へご来校され、公開インタビューが開催されます!🎊
読むことで、予習・復習に備えてもよさそうです。イベントの詳細は下記リンクへどうぞ。
12/9【文芸イベント】外側に紡ぐ物語 ― 村田沙耶香さんに聞く小説の世界

繰り返しになりますが、今回ご照会したのは、ほんの一部です。
どんな本が並んでいるのか、確認するにはやはり、直接に棚を見るのが一番です!
実はご夫婦である作家さんたちの作品が、あちらとこちらに置いてあるとか。
きちんと並んだ文庫本たちの中に、頭一つ抜け出た、背の高いものがちらほらあるとか。
そうした情報は端末の検索結果では伝わらず、実際お越しにならなければ、分かりません。

「セレクト文庫のセレクトに異議あり!」という方は、ぜひおすすめを教えてくださいね。
図書館では学生の皆さんからの購入希望を受付けています。リクエスト方法はこちら
皆さん渾身のおすすめ本で、どんどん図書館の蔵書を豊かに!

深まる秋のお散歩気分で、本棚へのちょっとした探検に、図書館へどうぞおいでください。
まだ黄葉には遠いですけれど、金色のちひさき本が、きらきら🌟お待ちしています。

田野大輔(文学部)『〈悪の凡庸さ〉を問い直す』

 

 

<教員自著紹介>

ハンナ・アーレントがホロコーストの計画者アドルフ・アイヒマンに見出した「悪の凡庸さ」は、職務に忠実なだけの凡庸な役人、上からの命令を伝達する「歯車」のような偏ったイメージで人口に膾炙している。近年の研究の成果をふまえると、アイヒマンらホロコースト加害者たちの「悪」はどう理解すべきなのか。

本書は、この問題をめぐる歴史研究者とアーレント研究者の討論の記録である。

〈悪の凡庸さ〉を問い直す
田野大輔, 小野寺拓也編著 ; 香月恵里 [ほか] 著, 東京 : 大月書店 , 2023.9

■ 請求記号 234.074//2110
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属  田野大輔(文学部)

帯谷博明(文学部)『コミュニティを変えるアクションリサーチ : 参加型調査の実践手法』

 

 

<教員自著紹介>

近年、日本でも大学教員や学生・院生が地域課題の解決をめざす各種プロジェクトに関わる機会が増えています。

本書は、アメリカの大学で長年、地域の協働プロジェクトに携わってきた社会学者R.ストッカー氏が、コミュニティの住民が主役となって「パワー/知識/アクション」の正のスパイラルを生み出すためのアクションリサーチ法について、豊富な実践例を交えながら親しみやすい語り口で解説したものです。

コミュニティを変えるアクションリサーチ : 参加型調査の実践手法 』
■ ランディ・ストッカー著 ; 帯谷博明, 水垣源太郎, 寺岡伸悟訳, 京都 : ミネルヴァ書房 , 2023.1

■ 請求記号 318//2207
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属  帯谷博明(文学部)

鈴木哲法(マネジメント創造学部)『それぞれの人生てつがく』

 

 

<教員自著紹介>

多難な現代です。どう生きるか。カウンセラー、精神科医、映画監督、画家、作家、詩人、金メダリスト、農業、福祉、法曹などさまざまな分野の著名な方、市井で地道に取り組む方々に深くインタビューしました。

しなやかな生き方、滋味あふれるメッセージの数々。岐路に立つ大学生や大学院生の青春期をはじめ、中高年期の幅広い世代の方々に、自らを重ね、進み行く道のともしびの一つにしていただければ、と願っています。

それぞれの人生てつがく 』
■  鈴木哲法著, 京都 : 京都新聞出版センター , 2023.9

■ 請求記号 281/SU
■ 配架場所  図書館   2F 中山文庫
■ 著者所属  鈴木哲法(マネジメント創造学部)