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マネジメント創造学部 Michael Collins先生へのインタビュー

マネジメント創造学部 2年生 西田遥葵さんがマネジメント創造学部のMichael Collins先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

-Have you ever read Japanese author’s book?
Yes! I read Haruki Murakami’s ‘Colourless Tsukuru Tazaki and his years of pilgrimage’. I read it one year ago. Haruki Murakami is a great author! He is one of the best modern authors in Japan. People are very sad because he did not win Novel prize literature. He has been trying a long time and I hope he wins it!

-Please tell me Books genre which you read when you were student.
When I was a student I was very busy with school so I didn’t have a chance to do a lot of reading for fun, but when I had a chance, I always switched between non-fiction and fiction. I like to switch because I want to learn something but I also want to enjoy a nice story.

-Do you like reading a books?
Yes, I do. Reading is very important to people. I wish more of my students read books even not in English, but in Japanese. I wish they read more because if they don’t read in Japanese, then they will not become good readers in English. So it’s important for them to read. Even on the train, not play games on the phone, but read books!

-What book do you want to read now?
There was the book that I read a long time ago, just after College.
It was a really good book it’s called ‘Of Human Bondage’. It’s a very old book, hundred years ago.
It’s a book about the man’s life. It’s fiction but part auto biography.
I’d like to read again because when I was 23, I had my mind was about 23 years old and I was very interested. But I’m older now and I’ll think the book differently now.
I think the author has a very good way about looking at life and how people get older and what their life is like. So I’d like to read it again.

-Please tell me your recommend book for student
It’s called ‘Old man and Sea’ by Humming way. It’s a beautiful and a little bit sad story I don’t want to give it away. It’s very beautiful story and very well written so you can imagine a situation while reading it.
It’s very short, not very long and easy to read for busy students!

-What part is the most memorable to you?
The most memorable part for me is his struggle to catch the fish and how determined he was to get this fish.
This part is memorable because the very old man was trying to catch this very powerful creature. What I really enjoy about it is he has so much respect for this fish because it’s very powerful fish. Even know he’s trying to kill it and trying to get it to sell it to market he still has respect to this fish because of its great power.

-Message for students
Work hard and don’t settle for any job. Keep working for a job you want to have.
Do something in life that makes you happy. Because even you spent a lot of time at work and if you don’t enjoy your job you’re not going to enjoy your life.
So choose a job that you are really interested in, choose something that you like to do and find a way to make a money doing it.
It’s important to have a happy life.
Many Japanese work so many hours. They spend 50, 60, 70 hours a week at work. If you spent that much time and you’re not happy, then your life is not happy.
Find a job that you enjoy.

-Impressions
I felt that he really loves books through this interview. I also love reading a books but I usually decide next book that ‘I feel it’s calling me!’ So I’m taken aback at his idea to switch a genres to read. If I try to do his way, I’ll take more broad view of things. And I felt his all words were persuasive so I want all students to read this interview!

 <Michael Collins先生おすすめの本>
Ernest Hemingway著  『The Old Man and the Sea』 Create Space Independent Publishing Platform,2016年

(インタビュアー:マネジメント創造学部 2年 西田遥葵)

斎藤毅『微積分』

  経済学部 4年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:微積分
著者:斎藤 毅
出版社:東京大学出版会
出版年:2013年

 理系学部の一回生に読んでほしい微分・積分の本だ。原則として、すべての章末問題に略解がある。他の微積分の教科書と比べて、章末問題の解説は丁寧だ。解答への道程は、初学者が理解しやすい形で記されている。一回生の微分・積分の学習において、多くの学生は実数の連続性を理解できずにつまずいてしまう。実数の連続性という概念は、高等学校の数学における極限の定義をより厳密に定義したものである。この概念に対する理解を深めておくことは、後の微分・積分の学習に役立つものだ。ぜひ読んでほしい一冊である。
 経済学部の上級生及び意欲のある一回生にも読んでほしいものだ。微分・積分の専門書を社会科学系の学生に薦めることは、意外なことだと感じる人も多いだろう。経済学部では、一回生を対象とした入門レベルの講義において微分の概念を用いる。概念といっても、数学的に厳密な定義を与えるわけではない。機械的に計算することができれば、単位の修得には何ら支障がないのである。この計算が高い学習意欲を持つ学生の好奇心を削いでしまうことは論を待たない。彼らにとってみれば、それは簡単なことだからである。知的好奇心に富んだ学生は、経済学で用いる数学を深く学んで欲しい。経済学を専攻する学生は、決して数学者になりたいわけではない。ただ、理系学部の一回生レベルの数学を学ぶことは、経済学部の学生にとって有益である。
 この本を読むために準備すべきものがある。それは中学・高校レベルの数学に係るある程度の知識である。高校の理系コースを卒業した人は、スラスラ読むことができるだろう。高校の文系コースを卒業した人は、不足する知識をいくつか補うことが必要だ。根気強く取り組めば、読み進めることができる。躊躇せず、微分・積分の世界に飛び込んでほしい。大学へ入学する前、数学が不得手だった諸君の積極的なチャレンジを期待する。いわゆる「経済数学」に関心のある人は、ぜひこの本を読んでほしい。経済学部2回生終了時までに基礎的な微分・積分の知識を習得しておけば、上級科目の理解が容易になると考えられる。社会科学系の学生が数学を厳密に学ぶことは、論理を組み立てる有益な訓練になり得る。それは、あなたが他の学生と比べて有利な立場を得ることにつながるだろう。経済学の学習に数学の学習を上乗せすることにより、さまざまな場面において、多くの学生が優位な立場に立つことを期待する。

小塩隆士『公共経済学』

  経済学部 4年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:公共経済学
著者:小塩隆士
出版社:東洋経済新報社
出版年:2016年

 昨今、財政赤字に関する議論は各所において盛んである。我が国の財政事情を考えれば、自然なことだ。私たちの身近なところには、さまざまな情報が飛び交っている。信憑性の高いものもあれば、そうでないものもある。専門家の発言から論理の矛盾を見つけることは、一般の人々にとって至難の業だ。尤もらしいデータを目の当たりにした私たちは、それをなんとなく信じてしまう。多くの人にとっては、仕方のないことだろう。一般の人々の中で特に意欲のある人たちに読んでほしい一冊として、この本を推薦する。この本を読み終えた後、あなたは財政赤字に関する経済学的な理論を獲得したことに気付くだろう。これは、経済学部上級コースに向けたテキストであるから、経済学の知識を全く持たない読者は、それ相応の覚悟をもって臨むことが必要だ。経済学の門外漢である読者のために、いくつかの重要な経済学の理論を説明するページが設けられている。このページの解説は、非常に親切なものだった。読者の好奇心と学習意欲を維持するための素晴らしい解説である。経済学のテキストは、紙面の都合上記述内容を絞り込むことが多い。それゆえ、巷に出回るそれの大半は独習に不適である。一般の人々がそれに関する疑問を専門家に尋ねることは、極めて難しい。この本を読むとき、その点を心配する必要はない。読者が自力で理解できるように、この本は設計されている。興味を持って一度チャレンジしてほしいものだ。
 情報の非対称性を説明した第8章は、特に読んでほしいところである。医療保険と社会保険のあり方に関する記述は圧巻だ。比較的平易なグラフと数式を用いて、現行制度の概要並びにその課題について説明している。詳しい内容はぜひあなたの目で確かめて欲しい。著者の説明が明快であることに驚くだろう。学部中級レベルの経済学を理解した人は、難なく読み進めることができるはずだ。この本の記述を1行ずつていねいにかみ砕き、知識を自分のものにして欲しい。経済学の応用に関心のある人は、一読することを薦める。

湊かなえ『少女』

  文学部 4年生 水口正義さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:少女
著者:湊かなえ
出版社:双葉社
出版年:2012年

 「人が死ぬところを見てみたい。」これが、由紀の願いだった。異常なまでのその強い願望は、読者を驚愕させる。
 由紀はどこにでもいるような、普通の女子高生である。毎日真面目に学校に通い、勉強もよくできる。高校生といえば年代的に、身の回りに楽しいことがいくらでもあり、いつも何かに没頭しているようなイメージを抱く。しかし、彼女の生きる原動力となっているのは、誰かの死を見ること、ただそれだけである。
 一般の人の感覚からすれば、その原動力は誤ったものとして解されるが、由紀は人を殺そうとするわけでもなければ、だれかを操って殺させようとすることもない。死ぬところは見たい、でも直接手を下すようなことはしたくない。その葛藤がずっと続く。
 ある日、由紀の憎き人物が電車にはねられるが、彼女はその場に居合わせなかった。後でその事実を知った時、何を思っただろうか。ここでの心理描写は全く無い。不謹慎ではあるが、嫌いな人物がこの世から消えたなら、少なからず嬉しく思うだろう。しかし、由紀はこう思ったはずだ。「なんで私の前で死んでくれないの!」と。死ぬ人は誰でもよかったはずだが、この時ばかりは、殺したいぐらいの人が死んだのだから、それが見られず悔しくて仕方がなかったのではないだろうか。そんな狂気とも思える考えが、読み進めるうちに読者の頭の中に浮かぶようになる。
 ただし、この小説は由紀が人の死を見ることができるかどうか、に焦点化しているのではない。唯一無二の友人である敦子に助けられ、子供と触れ合い、自分が死にそうになった過去のトラウマとも闘いながら、人の死と対峙する様子が描かれているのである。途中までは、一人の若者の邪念のようなものがただ曝されているように感じられるかもしれないが、「人が死ぬところを見てみたい。」から始まる、ある女子高生の少し変わった夏休みの一遍である。

茂木健一郎『まっくらな中での対話』

  文学部 4年生 水口正義さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:まっくらな中での対話
著者:茂木健一郎
出版社:講談社
出版年:2011年

 この本で取り上げられている、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、ドイツで発祥したエンターテインメントである。視覚障害を持つ人に連れられ、本当の暗闇の中に入る。その空間では、何も見えないながらも、そこに何が置かれているかを当てたり、食事をしたりする。それによって、人は何を感じ、人の中に何が起こるのかを、脳科学者の茂木健一郎が語る。内容の要旨ごとに評していきたい。
 第一に、現代の人は光のある世界から逃げられないでいるという事実を、この空間に入って初めて知るという点。暗闇の中で目を開けて何も見えないとき、じっと一点を見つめたりして、目の前に何かを見ようとする。そこには、見えないという事実を受け入れたくないという気持ちと、見えるはずだという思い込みがあるという。何も見えずあたふたする人の、子供っぽくて、マヌケな様子が詳述されているところが評価できる。
 第二に、光があるか否かで、人の感情はいとも簡単に大きく変容するという点。真っ暗闇の空間では、人の心は揺さぶられるという。何もしていなくても、ただ見えないというだけで、最初は不安に襲われ、次に慣れが起こり、最後には一種の安心感が得られるらしい。この感情の変容について、氏は体験者の一挙手一投足と語りを併せて分析しており、各段階の感情を理解する助けとなっている。
 第三に、視覚障害者と健常者の話し合いから見えてくる事実が述べられる点。人間の知覚の一つがないことは、それがマイナスになっているわけではないと氏は述べる。目が見えないから何かをしてあげなければならないなどと考えるのは、たまたま目が見えている健常者の勝手な妄想であるということが、この空間に入った後のアテンドと健常者の知覚能力の差から読者に伝わるところが良い。
 総じて、この一冊は暗闇の中にいる人がどうなるかだけが書かれているのではなく、そこから派生して、健常者の弱点、視覚障害者の考えと立ち位置まで書かれている点が特筆に値すると言えよう。

文学部 西 欣也先生へのインタビュー

文学部 4年生 水口正義さんが文学部の西欣也先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

M: 今日は、先生が推薦する本と、読書に関してインタビューさせていただきます。まず、西先生が甲南大学生に薦める本を一冊教えてください。
N: この『日本で100年、生きてきて』という本をおすすめします。これは昨年亡くなったジャーナリストの、むのたけじさんという人が書いた本で、戦時中に自分が伝えたいことを伝えられなかった経験から、日本のメディアの中で言うべきことを言っている一冊です。

M: どのような点が特にいいと思われましたか?
N: ブレない視点です。普通のメディアよりも、むのたけじさんの言っていることのほうが大事と言ってもいいぐらいで、誰が読んでもいいと思います。

M: ありがとうございます。では次に、読書に関してお尋ねします。先生は月に何冊ぐらい本を読まれますか?
N: 本を「読む」と言うと難しいですね。僕は何冊も並行して読むので、月で考えるとだいたい2~3冊ぐらいですかね。

M: 先生は多読派なんですね。
N: そうとも言えません。大事だと思った箇所や一冊があれば、覚えるぐらい繰り返し読みます。

M: そうなんですね。先生が学生の頃はどんな本を読んでいましたか?
N: 太宰治やトルストイとかですね。

M: 甲南大学生は平均すると年に平均3冊本を借りるという調査結果があるのですが、先生はこれをどう思われますか?
N: 意外と多いなと思います。もちろん読む人はたくさん読んでいるでしょうし、読まない人は全く読まないでしょうから、バラつきは大きいと思います。

M: 甲南大学生に読書に関して一言いただけますか?
N: 本は…読めとは言わないです。読んだほうがいい、ぐらいですね。教員が言ったところで読まない人は読まないですから、そういう人は年をとってからたくさん読んだらいいと思いますよ。

まとめ:甲南大学生の「平均3冊」を僕は少ないと思っていましたが、学生だから本を読むべきだ、と考えるより、「読もうとする人が好きなように読むのが読書」なのだと思いました。

 <西 欣也先生おすすめの本>
むのたけじ著  『日本で100年、生きてきて』 朝日新聞出版,2015年

(インタビュアー:文学部 4年 水口正義)