投稿者「図書館」のアーカイブ

エントランス展示「うるう年~星の運行と人の営み~」

 新しい年度に合わせて、図書館エントランス展示を更新しました。題して「うるう年~星の運行と人の営み~」です。
 2024年はうるう年。うるう年にまつわる素朴な疑問を集めました。

 みなさんは「うるう」を漢字で書けますか?そもそも「うるう」って何でしょうか?31日あるの月もあるのに、なぜ2月の日数が少ないのでしょう?

 調べてみると、 天文学、 言語学、歴史学、法学、文学、物理学などなど、いろんな分野の知恵と工夫が、時代を超えて重ねられていました。展示では、図書館の資料を使って調べるコツと合わせてご紹介しています。

 ちょっとしたことでも、興味を持ったら、 ぜひ 図書館で調べてみてください! 深くて楽しい世界が広がりますよ。

[藤棚ONLINE]全学共通教育センター・山本貴揚先生コラム

図書館報『藤棚ONLINE』
全学共通教育センター・山本貴揚先生コラム

 僕は、法律学という、現実社会を対象とした学問をやっていますが、10年ほど前のことだったでしょうか、懇意にしている洋品店で立ち話をしていた相手(他の客)から、「あなたはあの世とこの世の間にいる人です」と言われたことがあります。もちろんその時は、「何を言っているんだ、この人」と思いましたが、その言葉の影響でしょうか、今となっては、文字どおり“夢か現か”という感覚がつねに傍にある、という感じで生きています。

 昨年、知人から、僕たちの住むこの三次元世界は、宇宙の彼方の二次元平面に元データがあって、そのデータが投影されたホログラムに過ぎない、というような世界(宇宙)の捉え方があることを教わりました(理系の方にはずいぶん不正確な理解だとお叱りを受けそうですが、そこは文系人間がそんな感じで理解に努めている、ということで、どうぞお許しください。よい入門書をご紹介いただけますと幸いです)。イーロン・マスクも、この世は仮想現実と考えてほぼ間違いない、という趣旨のことを言っていますが、いずれの考え方も、この世界は僕たちが考えているような実体としてそこに存在するわけではない、と捉える点では同じような考え方なのだと思います。こういった捉え方を否定する主張も存在するようですが、“夢か現か”の僕にはわりと自然に受け入れることのできる観念で、こういう話を聞くにつけ、僕の感覚は“現”よりも“夢”に近づいてしまうのです(ちょっと他人の話に影響され過ぎでしょうか・・・苦笑)。

 さて、こういった世界観では、人の意識も作られている、ということまで言われているようなのですが、これにはさすがの僕も抗いたい気持ちがあります。自分はいるのかいないのか、という考えがよぎって怖くなった時には、そっと法律の本を開いて、“現実”への引き戻しをお願いする次第です。

 (日経サイエンス 2006年2月号より)

※図書館よりあわせて読みたい記事をご紹介!
時間と空間の起源」(Nature ダイジェスト Vol.10 No.11 ※オープンアクセス)
「重力は幻なのか? ホログラフィック理論が語る宇宙」(日経サイエンス, 2006/2号, P.20〜28)
「ホログラフィック宇宙 時空の本質に迫った四半世紀」(日経サイエンス, 2023/11号, P.70〜74)

※『Natureダイジェスト』や『日経サイエンス』は、学内ネットワークに接続した端末より閲覧できます。学外から利用する場合はVPN接続をご利用ください。学外アクセスの詳細はこちら。
※甲南大学図書館HPでは電子図書館を公開しています。特に雑誌コーナーは学生向けの電子ジャーナルをすぐに閲覧できるようにピックアップしていますので、ぜひ楽しんで読んでみてください!

2024年度ブックカバ―デザイン発表!

 2024年度に図書館で提供するブックカバーが決定しました!
 ブックカバーの製作者は、経済学部2年次生のペンネーム“だい”さんです!
 だいさんは、自身のデザインがブックカバーに採用されたら嬉しいという思いで、2年連続でブックカバーデザインに応募されました。
 作品では、図書館前のモニュメントや1・5号館の校舎など、特に大学内の施設をこだわって描かれたとのことで、甲南大学公式キャラクターの“なんぼーくん”も一緒にデザインされています。
 「このブックカバーを使って読書と“なんぼーくん”を好きになろう!図書館エントランスの図書館カフェではコーヒーを飲みながら本を読めますよ!」とのメッセージをいただきました。

印刷用PDFデータダウンロードはこちら

 こちらのブックカバーは4月より、図書館で提供いたします。
 甲南大学図書館オリジナルのブックカバーで、読書を楽しみましょう!

山本雅博(理工学部)『たのしい物理化学2:量子化学 』

 

 

<教員自著紹介>

2016年に「たのしい物理化学1:熱力学・反応速度論」が出版されてから8年経過して「たのしい物理化学2: 量子化学」が2024年1月に出版された。
熱力学・反応速度論についで3本目の物理化学の柱であり,電子,原子,分子がなぜ安定に存在できるのかを示す理論体系である。いいかえると我々人間がなぜ存在できるのかを示している基本的な理論であるが,この理論は我々の通常での常識では理解できない不思議なことが起こることも示している。

また,近年話題になっている量子コンピュータへの発展も量子力学が基礎となっており,我々をわくわくさせるポイントに絞って執筆したつもりである。

『たのしい物理化学2:量子化学』
■ 山本雅博, 池田茂, 加納健司著, 東京 : 講談社サイエンティフィク , 2024.1

■ 請求記号  431/2/2128
■ 配架場所 図書館   1F 教員著作 
■ 著者所属  山本 雅博(理工学部)

25冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

匿名希望 文学部歴史文化学科 2年次生

 2024年1月10日に『多読チャレンジ』25冊を達成されました!
 自分に合ったシリーズを見つけて、楽しく読み進めることができ、読む力が向上した実感を持てた、という嬉しい結果を聞くことができました!

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?

A.中学、高校と英語と触れ合ってきたが、大学2年次生になり英語の授業がなくなってしまい、寂しくなったから。易しめな英語と触れ合える良い機会であり、せっかくなら今までやったことのないことにチャレンジしようと思ったから。純粋に面白そうと思ったから。

Q.『多読チャレンジ』達成の感想や達成のために工夫したことを教えてください。
また、現在チャレンジ中の「多読チャレンジャー」の方へのメッセージがありましたらお書きください。

A.そこまで構えなくても、簡単でとても取り組みやすかった。とても薄いため、見ため的にやる気をそがれることもなかった。行き帰りの電車内や、寝る前の30分、その他、隙間時間を有効的に使うと、あっという間に読むことが出来た。
2週間で2冊借りて、期日までに絶対返すことが出来るように読んでいった。

Q.『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

A.英語をさらさら~と目で流しながら内容もなんとなく理解するスピードが速くなったと思う。速読と、あとは簡単な本を選ぶようにしたため、以前よりも英語が好きになったと思う。

Q.チャレンジする図書は、どのように選びましたか?

A.各シリーズ、出版社ごとに纏めて本棚に並べてあるので、適当に選んで少し立ち読みする。同じレベルの本でも、シリーズによっては難しい単語が使われたり使われなかったり、難易度が異なる。そこで自分に合ったものを選んでいった。

☆おすすめの本として“Macmillan Readers”“Penguin Readers”シリーズを紹介してくれました。レベルごとに出版されており、読みやすいシリーズなので、是非一度手に取ってみてください。

 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 25冊以上達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

[藤棚ONLINE]フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生『この世を生き切る醍醐味』

図書館報『藤棚ONLINE』
フロンティアサイエンス学部・川内敬子先生推薦『この世を生き切る醍醐味』

樹木希林著
朝日新聞出版, 2019

 役者の樹木希林さんの亡くなる数ヶ月前のインタビューを本にした一冊です。仕事や結婚に育児、そして14年間のがん闘病生活まで、樹木希林さんが実践した“楽しく生きるためのコツ”について記されています。後半には娘である内田也哉子さんから見た母親としての樹木希林さんについて記されています。樹木希林さんは、苦しいことを周囲に伝えることなく、命を全うされ、立派な母親であったと称賛されています。

  一生のうち2人に1人が、がんにかかる時代となりました。現在、さまざまな医療へのアクセスが可能となり、“がんを不治の病である”と考えている人はそれほど多くありません。とはいえ、がんにかかると誰もがストレスを感じ、進行がんになると、多くの方が痛みを感じます。辛さや痛さを口にすることは悪いことではありませんので、樹木希林さんの素晴らしさは、苦しい思いを伝えないことであったとは思いません。樹木希林さんが、“自然の摂理の中で人は生まれては死んでいくこと“を、身をもって次の世代に遺したということを知り、樹木希林さんに対して尊敬の念が強くなりました。

  私は、“カッコいい人生の幕引きのために、日ごろから心がけておくことは何か?” という疑問に対する答えを求め、この本を手にしました。読み終えても、その答えは得られませんでしたが、樹木希林さんの考えを納得することで、肩の力が抜けました。自然の摂理の中で生きているのだから、無理に力を入れないで過ごす日も大切にしたいと考えられるようになりました。是非、皆さんも読んでみてください。