月別アーカイブ: 2021年6月

(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画)『#おうちで読書』

KONAN ライブラリ サーティフィケイトの学生企画
『#おうちで読書』

甲南大学図書館公式Twitterの企画「#おうちで読書」は楽しんでいただけたでしょうか。おすすめの本を紹介して下さったのは、KONANライブラリ サーティフィケイトに参加されている文学部3年 畑田亜美さんです。
皆様、いいね、リツイート、ありがとうございました。

企画の仕上げに、畑田さんが 「#おうちで読書」で紹介された本を図書館入り口の特設コーナーで展示してくれました。
皆様が、Twitterでツイートしてくださった本も集めています。

お気に入りの1冊を見つけて、おうちでも、大学でも、本を楽しんでください!

展示期間:2021年 6月29日(火)~8月上旬

(KONANライブラリサーティフィケイト学生企画)『#おうちで読書』

エントランス展示更新 ~Olympic~

 本格的な夏が近くなってきました。皆さん、エアコンの温度差で体調を崩したりはしていませんでしょうか。
 さて、今年7月より、2020年から延期となった東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。
 コロナ禍の最中、色々と話題には事欠かない状態ではありますが、オリンピック・パラリンピックに出場する選手たちには、心置きなくプレイに集中できる環境となることを祈るばかりです。

 そんなオリンピックについて少しでも基本的な知識と興味を持ってもらえるよう、エントランス展示を更新しました。
 本学共通教育センター教員でありアジア最速の男と呼ばれた伊東浩司先生にもご協力いただき、過去にオリンピックに出場した際のユニフォームをお借りして展示しています。
 オリンピックについてもっと詳しいことを知りたくなったときは、ぜひ「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」を使って「オリンピック」を調べてみましょう。英語版サイトでは関連動画もたくさんあって中々面白いですよ!(学外からアクセスする場合はVPN接続をご利用ください

 今回の展示は9月頃まで継続予定です。ぜひ一度図書館1階エントランスに足を運んでみてください。また、展示されている本を閲覧されたい場合は、図書館2階ヘルプデスクにお問合せください。

※7月2日、 経営学部1年生の青山華依さん(体育会女子陸上競技部所属)が 東京五輪の女子4×100mリレーの日本代表メンバーに内定、それにあわせて展示も青山さんの情報を追加しました!悔いのない走りができるよう甲南大学としても応援したいですね!
https://www.konan-u.ac.jp/news/archives/3225

西村 順二 (経営学部)『マーケティングとSNSのミカタ : 地方創生への処方箋』

 

<教員自著紹介>
 本書は、マーケティングとは何か、その特徴を歴史的に考え、その上でマーケティングが、地方創生活動に対して親和性が高いことを解明したものです。

 地域が有する「固有性」や「独自性」に着目し、持続可能で身の丈に合った活性化を進める上で、マーケティング(売り手と買い手の相互作用とそのマッチング)とSNSに対する新しい「見方」に基づきながら、それらをどう「味方」にするのか、そのエッセンスを分かり易く論じています。

■ 『マーケティングとSNSのミカタ : 地方創生への処方箋
■ 西村 順二著 ,  中央経済社 ,  2021.6.
■ 請求記号  675//2997
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 西村 順二 (経営学部)

 

帯谷 博明 (文学部)『水環境ガバナンスの社会学 : 開発・災害・市民参加』

 

 

<教員自著紹介>

この本の目的は,現代の水環境の諸課題と社会の対応の変化を,社会学的に考察することです。8つの章では,統治の場の「広がり」と「プロセス」を示す「ガバナンス」概念を手掛かりに,日本およびベトナムでのフィールドワークやメディア分析を踏まえてケーススタディを展開しています。

具体的には,政府(行政)セクターに注目しつつ,開発計画,自然災害,水辺の利用・再生,汚染,参加,グローバル化といった「水環境」の今日的な課題と向き合う住民や市民セクターの実践を見つめ,その動態と政策的な含意を検討しました。

■ 『水環境ガバナンスの社会学 : 開発・災害・市民参加
■ 帯谷博明著 ,  昭和堂 , 2021.2
■ 請求記号  517.091//2001
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属  帯谷 博明 (文学部)

 

[藤棚ONLINE]理工学部・須佐元先生 推薦『数学に魅せられて、科学を見失う : 物理学と「美しさ」の罠』

図書館報『藤棚ONLINE』
理工学部・須佐元先生 推薦
『数学に魅せられて、科学を見失う : 物理学と「美しさ」の罠』

ザビーネ・ホッセンフェルダー (著), 吉田三知世 (訳)
みすず書房 , 2021.3

本書は最近物理学者の間で論議を呼んでいる本で、簡単に言うと現在の基礎物理学のあり方に痛烈な批判を述べている本です。そのため人によって評価も全く異なりますが、とても興味深い本ですので紹介します。

本書は素粒子理論の研究者である著者が、現在の学問の状況、すなわち実験が高価にならざるを得ず、理論に制限がかからないために理論の「美」自体が価値基準となりかけていること、に危惧と疑問をいだき、世界中の大家と呼ばれる研究者を訪ねて議論を挑む、という構成です。インタビューされる学者はいずれ劣らぬ大学者で物理学者なら誰もが知っているような人たちですが、著者との緊張感あるやり取りはそれだけで楽しく読める読みものです。

実験が国家プロジェクト級になってしまい、おいそれとは答えが得られなくなったとき、理論は内包する数学的美しさに理論の良し悪しを委ねてしまいがちになる、ということを著者はもっとも問題にしています。確かに精密な実験や数値実験などをつぶさに調べていった先にたどり着く理論は、ある種の美をまとうことが多いです。したがってより美しい理論がより真実に近いに違いないという推測はあながち間違っていません。しかしそれだけでは決して自然を表していることにはならず、必ず実験による検証が必要です。宇宙物理学者である私自身は、この世界はできる限りシンプルで美しい法則で統べられていてほしいと願いますが、それは願望にすぎません。願望には美的嗜好だけでなく、もっと世俗的な願いも含まれうるということにも著者は警鐘を鳴らしています。 途中やや専門的で難しいところもありますが、サイエンスに携わる・志す人々一般にとって、手にとってみる価値はある本であると思います。

青山 美智子著 『お探し物は図書室まで』

 

文学部 3年生  畑田 亜美さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  お探し物は図書室まで
著者 :  青山 美智子
出版社:ポプラ社
出版年:2020年

コミュニティセンターにある小さな図書室、そこにはレファレンスコーナーがあります。担当している司書さんは愛想が良いとは言えない女の人ですが、「何をお探し?」と穏やかで凛とした一声をかけられると心の内を打ち明けてしまいたくなります。偶々訪れた人々が彼女にレファレンスをしてもらい、おすすめの本と付録を貰って自分の悩みの答えを見つけていきます。

この図書室を訪れる人は婦人服販売員や家具メーカー経理部の人、元雑誌編集者、ニート、定年退職者と様々です。しかし、みな社会生活を送る中で上手くいかないことや、不安なことなど悩みを抱えています。私たち学生にも当てはまることもあります。自分にとって不都合で嫌なことが起こった時、どのように考えていますか。気分が落ち込んだ時、人の視野は思っているよりも狭くなっています。少しのヒントを得て見方を変えるだけで、新しい捉え方ができるようになり悩みが解消されるかもしれません。

また、レファレンスをしてくれる司書さんの応答は司書を目指す人から見ると理想的で羨ましく思えます。ポイントは2つです。1つ目はその人の話をよく聞いて、レファレンス質問で聞かれた本以外にも適切な本をすぐに提供できることです。その図書室のことを把握していたとしても、1人1人に合った本を即座に選ぶのは難しいでしょう。それを難なくこなし来館者に喜ばれる様はレファレンス担当者の理想と言えます。2つ目は好きなことをしながら多くの人に慕われていることです。彼女はレファレンスカウンターにいながら羊毛フェルトのマスコットを作っています。これがレファレンスの付録です。このような自由は公共図書館ではなかなかできないことだからこそ羨ましく感じます。そして、彼女の居場所は図書室ですが他のコミュニティセンターの利用者や来館者、司書補の女の子に慕われています。その関係性もまた理想的で憧れるような司書の姿です。

最後に、この本は今悩みを抱えている人や司書を目指している人に是非読んでみてほしいです。将来が少し明るく見えたり、救われたりするかもしれません。