池上知子(文学部)『グラフィック社会心理学 第3版』

■『グラフィック社会心理学 第3版
サイエンス社 , 2024.11
■ ISBN  978-4-7819-1610-1

■ 請求記号 361.4//2441
■ 配架場所 図書館1階・教員著作コーナー
■ 編著者 池上知子(文学部),遠藤由美 共著

<自著紹介>
本書は、他者とかかわりながら社会で生きる人間の姿を見つめることを学問的課題とする社会心理学の概説書です。研究の原点となった基本事項を尊重しつつ、最新の話題にも積極的に触れるようにし、社会心理学の過去、現在、未来を一望できるように編纂されています。また、視覚的理解を促すために、図表を多用している点も本書の特長です。本書により社会心理学の面白さを一人でも多くの方に知っていただければと考えています。

経済学部 荻巣 嘉高先生へのインタビュー

経済学部2生 海野 朱音さんが、経済学部 荻巣 嘉高先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

・本を買うときに重視していることは何ですか?

なるべく書店に足を運び、試し読みをして自分に合う本か確認してから買うようにしています。初めて読んだ小説が森見登美彦さんの本だったのですが、『夜は短し歩けよ乙女』や『有頂天家族』以外の本の内容がしっくりこなくて、同じ作家でもすべての作品が自分に合うわけではないと学びました。それ以降、ウェブでは見ることができない本の背表紙や中身を見るようにするなど、本との出会いを大切にしています。

 

・これまでで、1番印象に残っている本は何ですか?

貴志祐介著の『黒い家』でしょうか。読んだのは大学生のときでしたが、ホラー小説は初めてだったにもかかわらず深夜に読んでしまい、不安で眠れなくなりました(ホラー作品は昼間に読むことをお勧めします)。貴志祐介さんの小説を初めて読む人は、『新世界より』 がおすすめです。不思議な世界観の中で、心をざわつかせるような展開を楽しむことができるので、ぜひ一度読んでみてください。

 

・学生におすすめしたい本はありますか?

数学ガールの秘密ノート』シリーズです。わかりにくいと思われる概念を非常にわかりやすく解説しているので、衝撃的でした。今でも、数学が苦手な人にどうしたら上手く伝えられるかを考える時に参考にしています。中学生でも読める本なので、数学と仲良くなれない人は一度手に取ってみると良いかも?

 

・最近は電子書籍が普及していますが、あえて紙の本で読むことのメリットは何だと思われますか?

私は断然、紙の本のほうが好きです。紙の本のメリットを強いて言うなら、自分の知識・経験の後ろ盾となってくれることだと思います。本は同じページばかり触れているとしわくちゃになりますよね?何年も読み込んでいくと、経年劣化で風格が出てきます。自分が読んだ跡を目の当たりにすることができて、自分の糧になっていると実感できるのでお勧めです。

 

・学生に向けて一言!

本を読むのは大変疲れますが、間違いなく本は人生を豊かにしてくれます。少しずつでもよいから本を手に取ってみましょう!

 

 

(感想)

本の良さを改めて感じたインタビューでした。特に、荻巣先生が「本は自分の知識・経験の後ろ盾となってくれる」という言葉は、電子書籍ばかり読んでいる私にとっては非常に新鮮でした。今後不安になることがあったら、自分の本棚を改めて眺めて、自分にとっての心強い後ろ盾を確認しようと思いました。

(インタビュアー: 経済学部2生 海野 朱音さん

100冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

2024年11月27日に『多読チャレンジ』100冊を達成されました!

伊場田 扶弥(いばた ふみ)さん 文学部 歴史文化学科 3年次生

 年内に100冊という目標を達成されました!色々な工夫をしながら多読を楽しんでおられ、スタッフ一同、嬉しい限りです!次の目標に向けて、このままの調子で、気負わず楽しく続けていってほしいと思います。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』達成のために意識していたことはありますか。

A.無理をしないこと。難しいと感じたらすぐに本を変える、またはレベルを落とすこと。

Q.『多読チャレンジ』を続けていて実感した効果はありますか?

A.英語の授業を受けていなくても英語を身近に感じ、怖くなくなった。楽しみながら英語を読むことが出来るようになった。

Q.これまで読んだ中で、新たにお気に入りの本がありましたら教えてください。

A.レベル3の洋販ラダーシリーズが読みやすかったです。特に「Emma and the Boy Next Door」や「Andersen’s Fairy Tales」がお気に入りです。
 あらすじが日本語なのでそれを読んでから本の中身に入ると理解しやすいし、使用した単語の意味一覧もあるので、気になればサッと確かめることもできます。

Q.現在、チャレンジ中の「多読チャレンジャー」に向けてアドバイスがありましたらお願いします。

A.知らない話だと読み進めにくいかもしれません。ももたろうなどの昔話や、知っている話の英語版を読んでみるとスルスル読めて良いかもしれないです。

Q.『多読チャレンジ』についての感想やご要望など、ご自由にお書きください。

A.ひとまず年内に100冊読めたので満足です。卒業までに200冊完走したいと思っています。
 レベル4以上にもいつか手を出したいです。頑張ります。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 25冊以上達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

☆2024年度から、継続しやすい新ルールになりました!
 いつからでも参加できますので、ぜひチャレンジしてみてください!

KONANプレミア・プロジェクト「文学、あります」第2回「怖いものは美しい——藤野可織さん公開インタビュー」を開催

KONANプレミア・プロジェクト「文学、あります」第2回「怖いものは美しい——藤野可織さん公開インタビュー」を開催

 2024年11月22日(金)に作家の藤野可織さんをお招きして、「怖いものは美しい——藤野可織さん公開インタビュー」を開催しました。本イベントは、甲南大学の教員と甲南中学・高校の教員有志からなるチーム「文学、あります」と甲南大学図書館職員スタッフの教職協働によるKONANプレミア・プロジェクトの一環で、文学の場で活躍している方を毎年お招きしてイベントを開催し、大学や学問の中に囲い込まれがちな「文学」を、学生や一般の方たちに開き、共有していこうという文化貢献を目的としています。

 第2回となる今回登壇いただいた藤野可織さんは、2006年にデビュー作「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞、2013年「爪と目」で第149回芥川賞、2014年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞を受賞されています。2023年7月には『爪と目』の英訳版Nails and Eyesも出版されました。

左:岩井学教授 右:藤野可織さん

 今年のイベントには本学の学部生、大学院生、さらに藤野作品のファンや文学好きの一般の方、高校生など、多くの方にご参加いただきました。イベントの第1部では、本学文学部教授・岩井学をコーディネーターとし、参加者からの質問に藤野さんに答えていただきました。京都での生い立ちに関する質問に始まり、「爪と目」や『ピエタとトランジ』など個々の作品についての質問、また創作方法に関するものなど、質問は多岐にわたりました。参加者たちからの熱心な質問一つ一つに、藤野さんが丁寧に答えてくださいました。さらに「爪と目」の結末部や来年刊行予定の作品の一部などを藤野さんが朗読してくださいました。

 第2部はサイン会ということで、参加者のほとんどの方が列に並び、藤野さんと言葉を交わし、イラスト付きのサインをいただいていました。

 イベント後のアンケートでは、「まさかお会いできると思っていなかったので嬉しかった」、「朗読していただけるとは思っておらず、感動しました。素晴らしい時間でした」、「藤野可織さんの魅力と“クセ”が分かって作品理解が深まりそうです」、また「怖い人かと思っていたらそんなことなかった」といったものまであり、予定の時間を超えて、皆が藤野ワールドを堪能しました。今回のイベントを通し、読者それぞれにお気に入りの作品があり、また同じ作品でも読者によって様々な解釈やアプローチがあることが分かり、藤野作品の奥深さを改めて知ることができました。

 「文学、あります」チームでは、読むべき作品をこの世に送り出している作家の方々を今後もお招きし、イベントを開催していく予定です。来年以降も乞う御期待ください。(今回のイベントの第1部は2025年3月末までYoutubeで配信されています[動画はこちら]。)

(文: 文学部英語英米文学科教授 岩井ガク)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『みんなで育てる言葉の木』

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『みんなで育てる言葉の木』

展示期間 :2024年 9月20日(火)~ 2025年5月頃まで

 

 

現在、図書館ではみなさんが本を読んで心に残った言葉を募集しています。

心に残っている言葉が、だれかの新しい本との出会いを繋げてくれるかもしれません。

言葉の募集期間は2025年1月10日(金)までです。

みなさまからのご応募お待ちしています!ご応募はこちらから

 

また、図書館の返却日が押してあるしおりが変わっているのはご存知でしょうか?
集まった言葉はしおりにして配布しています。
すでにたくさんの言葉が集まっていますので、貸出をするたびに色んな言葉のしおりが巡ってくると思います。今日はどんな言葉が書いてあるのか、本の貸出も楽しみになりますね!

 

 

 

 

さらに、タイトルのとおり、みなさんから寄せられた言葉で大きな言葉の木を作ります。
みなさんからの言葉がたくさんになればなるほど大きな木になります。

展示は2025年1月頃を予定しています。どんな木になるのか、今から楽しみにしていてください!

 

 

 

企画者: 文学部4年生  K

全学共通教育センター 高砂 孝緒先生へのインタビュー

マネジメント創造学部3生 船越 章さんが、全学共通教育センター 高砂 孝緒先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

1 本を読むことは好きですか。
→本を読む目的や時間、場所(通勤の電車時間/一人でいる時間など)

本を読むことは好きです。最近は読む時間をあまり取れていませんが、通勤の電車時間や、たまに家でも本を読みます。基本的に新書を読むことが多いです。

 

2 書店や図書館はよく利用されますか。

書店や図書館に行くことは以前より減少しましたが、書店に行った際は、新書のコーナーを3周ほど見て回ります。書店は、実際に足を運んで自分の目で見ることで、新しい本に出会うことができるという面白さがあると思います。

 

3 好きな本やお気に入りの本があれば教えてください。
→学生時代読んでいた本/学生におすすめしたい本/最近読んだ本など

ちゃんと本に触れるようになったのは高校生の時でした。恩田陸さんの『夜のピクニック』、森絵都さんの『カラフル』、星新一さんの超短編小説『ショートショート』など、ジャンルを問わず、友人に薦められた本を読んでいました。また中学2,3年生の時、親戚に薦められた本が村上春樹さんの『海辺のカフカ』です。概念的というか何というか、当時中学生だった私にはあまり理解できませんでした。そのため、十年後の25歳の時、もう一度読んでみましたが、やはり分かりませんでした。次はさらに十年経った35歳の時に三回目の挑戦をするつもりです。

おすすめの本はありません!本は自分で見つけるものです。自分で発掘した方が楽しいですから。

 

4 研究内容に関する本でおすすめの本・よく参考にする本はありますか。

私の研究分野は「組織の経済学」で、基本的には論文や学術書を読むことが多いです。経済学について理解したいという方にはひたすら読むエコノミクス(伊藤秀史、2012)がおすすめです。分かりやすく、誰でも読める内容にまとめられています。

 

5 読書や本の魅力を教えてください。また、本を読むことは大切だと思いますか。

私は読書をすることは大切だと考えていて、本の世界観に没頭する、誰にも邪魔をされない時間は魅力的だと思います。文字を読み取り、情景を頭でイメージしながら読み進めるというプロセスは、読者という客観的立場でありながら、物語の世界にいるような気持ちになれますし、一人の時間を楽しめます。

 

【感想】
最近は読書をあまりしていないと話されていましたが、インタビューでは先生の本に対する考え方や思いなどが伝わりました。特に、「おすすめの本はなく、自分で見つけた方が楽しい」というお話が印象に残っています。人それぞれ好みや感想は異なるため、人が考えるおすすめの本ではなく、自分にとって面白いと感じた本こそが自身のお気に入りの本であるということは、とても納得し共感しました。
毎年、新刊として出版される書籍数は約7万冊(総務省統計局「書籍新刊点数と平均価格」より)あるそうですが、そんな中から自分の好きな1冊を見つけられることはとても素敵なことで、楽しいことだと感じました。

 

(インタビュアー: マネジメント創造学部3生 船越 章さん