5-0.KONAN ライブラリ サーティフィケイト」カテゴリーアーカイブ

本に保護フィルムを貼る作業を手伝っていただきました

1月14日(金)、KONANライブラリサーティフィケイト参加の学生さんに、本に透明の保護フィルムを貼る作業を手伝っていただきました。

当館の本は、ほとんどが学術書なので、破損しやすいブックカバーは外しています。ただ、小説などの一部の本は、綺麗なのでそのまま提供するようにしています。
人気の本は何度も貸出をするうちに本が傷んでしまうため、予め保護用の透明の保護フィルムを貼っています。

今年度、「中山文庫」の拡充にと、中山報恩会様からご寄附をいただきました。「中山文庫」は、現代小説や実用書など、読みやすい本をまとめたコーナーで、図書館2階(iCommons側の奥)に設置されています。
保護フィルムを貼る必要がある人気の本も、たくさん購入できましたので、サーティフィケイト参加の方にボランティアをお願いしました。

保護フィルムを貼る作業は、ちょっと失敗すると本が開かなくなってしまったりするのですが、お手伝い頂いた方はとても上手くて、大変助かりました。

引き続き鋭意整理作業中ですので、利用できるようになるまで、もう少しお待ちください。

中山文庫についてはこちらをご覧ください。たくさんのご利用をお待ちしています!
また、中山報恩会ご関係の皆様に、厚く御礼を申し上げます。

ブックカバーデザイン発表!

 図書館で募集していたブックカバーデザインに3名の応募があり、2022年度は応募者の作品すべて提供することといたしました。

 作品をご紹介いたします。メッセージは応募者によるものです。

① 日本語日本文学科 1年次生 南谷真有さん

(メッセージ)

「本を読むときに欠かせない「灯り」をテーマとしてデザインしました。暖かい灯り、ヒンヤリとした灯り…ランプはそれぞれの「灯り」を作り出し、読書に寄り添う象徴として表現しました。本の世界にあなただけの「灯り」を感じてみませんか?」

② 文学部歴史文化学科 4年次生 中越悠斗さん

(メッセージ)

「本だけでなく、図書館の利用も増やして頂けたらと考え、図書館の絵も描きました。
多くの方が、このブックカバーを見て、本を読むきっかけとなってほしいです。」

③ 文学部人間科学科 3年次生 加藤江利子さん

(メッセージ)

「甲南大学生はお洒落な方が多いイメージがあるので、「おしゃれな学生」をテーマにしました。
そして、どちらが表紙になっても良いようなデザインにし、本を開いた時にも男性と女性が背中合わせになるようにし、思わずこのブックカバーをつけて、本を開きたくなるようなデザインにしました。」

 製作者それぞれの思いがこめられて作製された、ブックカバー。
  2022年4月より、甲南大学図書館にて提供予定です。
 ブックカバーをかけて、読書時間を楽しんでみませんか。

※上記ブックカバー印刷用データは以下よりダウンロードできます。
     

柳 広司著 『ジョーカー・ゲーム』

知能情報学部   4年生 Iさんからのおすすめ本です。

書名 : ジョーカー・ゲーム
著者 : 柳 広司 著
出版社:角川グループパブリッシング
出版年:2008年

この本は「スパイ」を題材としたミステリー小説となっています。あらすじとしては昭和十三年頃、魔王と呼ばれている結城中佐がD機関と呼ばれる諜報機関を作ります。当時陸軍内部からは「諜報活動など卑怯で卑劣な行為だ」という反発があり一時は他国スパイによる機密情報の漏洩が相次ぎ認められるかと思いきや、養成所でスパイとして教育される学生が軍学校ではなく一般の大学を出た者たちから選抜されるとわかると陸軍側からの反発は今まで以上に沸騰します。

そんな中でも奇妙奇天烈な選抜試験を通過し、想像を絶する訓練をうけた十二名は世界を相手にスパイとして活躍していくこととなります。一話完結の形でそれぞれ一人の人物の視点からその人物を語り手として話が進行していきます。中にはD機関のスパイではない人物の視点のものもあります。僕がこの小説で特に気に入っている部分はやはりストーリーです。ミステリーなので当たり前といえば当たり前ですが最後まで分からない展開や登場人物の驚きの背景は衝撃を与えてくれます。アメリカ、イギリス、上海、ドイツといった地域でスパイや軍隊と戦ったり、D機関として裏で暗躍したりといったハラハラドキドキを味わうことができると思います。

ミステリーという性質上あまり詳しい内容を書くことはできませんが、ミステリー好きだけでなく多くの人に読んでもらいたい作品です。このシリーズで他にも数冊出版されておりアニメや実写映画、漫画もあるみたいなのでこの本を読んでジョーカー・ゲームの世界をもっと味わいたいと感じた方はそちらも見てみてはいかがでしょう?

松井 利夫著 『起業の心得 : めざせ日本のビル・ゲイツ 』

 

知能情報学部   4年生 Iさんからのおすすめ本です。

書名 : 起業の心得 : めざせ日本のビル・ゲイツ
著者 : 松井 利夫 著
出版社:産能大学出版部
出版年:1999年

 

この本はタイトルにもある通り、起業するにあたってについて書いてある本です。ただ、僕は今まで起業というものに興味を持ったことがありませんでした。 今までの20年と少しの人生ではあまりリスクのない選択をしようと思いながら生活をしていました。そのため起業というものについてあまり知らず勇気のいる行動だというぐらいの認識しか持っておらず、あまり興味を持つことがなかったからです。その考え方自体はこれから社会人となって生活していくにあたって変わっていくことはあるかもしれないですが、現状ではそういった考えの中で僕はこの本を読みました。

しかし、この本にはそんな僕にでもいくつも重要なことを教えてくれる、そんな本でした。読む前はまさか自分の生まれた年に発行された本が今の僕にここまでいろいろなことを教えてくれるとは思っていませんでした。

特に人材育成に関する章はこれから社会人生活をしていくうえで必要な心構えや、考え方について考え直すきっかけとなりました。 なかには 株式に関する部分や起業家の支援といった今の僕には少し難しく全部理解するのは厳しい部分もありましたが知識としては吸収することができたと思います。それに最後の戒め、指針部分の内容は 単純に人として生活していくうえでも重要な生き方、考え方について書いてありました。現状この本を読んだことによって起業する気になったかと言われればそこまでのことはないけれど、この本は起業ということだけではなく、実際に生きていくうえでも重要なことが多く書かれたとても良い本だと感じました 。

なので、正直この本が本屋で並んでいて読みたいと思うことはあまりないかもしれないけど起業に興味のある方はもちろん、社会人になることに不安を抱えている方などは一度読んでみてほしいと思います 。

住野 よる著 『君の膵臓をたべたい』

知能情報学部   4年生  祝  陽大さんからのおすすめ本です。

書名 : 君の膵臓をたべたい
著者 : 住野 よる著
出版社:双葉社
出版年:2015年

 

最初この本を読もうと思ったきっかけが映画でした。最初原作と映画は全然違うものだと思っていたけど読みだすとすぐその世界に引き込まれ本の宣伝文句どおりに号泣してしまいました。自分の生き方について考えさせる、深くて真面目な小説でした。

最初はタイトルを聞いた時に膵臓をたべたいと書いていたので何かファンタジーの小説かなと思っていました。ですが後半にいくにつれてこの題名の意味がわかっていきとても面白かったです。

物語の中で、他人と一切関わろうとしない主人公は、ヒロインの突然の死をきっかけに、友達を作ろうとします。主人公は、大切な人を亡くし、落ち込むだけではなく、今までの彼ではありえなかった行動をとりました。そして「きっと誰かと心を通わせること。」という言葉で主人公も変わっていきました。私もこの世界に私だけが住んでいたら「生きている」という感じはしないと思います。私がここにいる と思えるのは、友達が声をかけてくれるからだと改めて感じさせてくれました。喧嘩をしたり、一緒に泣いたり笑ったりしてくれる友達や家族が一緒に生きてくれている人たちに感謝したいと感じました。たくさんの人に囲まれて生きている私はとても幸せ者だとこの本を読んで感じました。

伝えたい事は伝えられる内に伝えるべきへ、友達とか恋人とか型に嵌めずに純粋に相手を必要とする、運命や偶然はなくて全て自分の選択の結果を自分も傍観者ではなく当事者になれるように、人に影響を与えられるように、全てのポジティブ要素に反応していきたいと強く思った。

ここまで原作でも泣かされ本でもう一度感動させられるものは今までなかなかないと思うのでこの本をこの機会に読めて本当に良かったです。ありがとうございます。

瀬尾 まいこ著 『そして、バトンは渡された』

 

知能情報学部   4年生  祝  陽大さんからのおすすめ本です。

書名 : そして、バトンは渡された
著者 : 瀬尾 まいこ著
出版社:文藝春秋
出版年:2018年

 

この『そしてバトンは渡された』という作品は、実写化もされており本を読んだことのない私でも内容がとてもわかりやすく伝わってきました。親の死や再婚や離婚で4度も名前が変わった主人公の森宮優子が主人公となっており、親と関わりながらどう成長していくのかを描いた物語です。物語は、優子の小さい頃から、大人になり結婚するまでが描かれています。親が頻繁に変わったり死亡してしまたりする子どもとだけ聞くと、辛い境遇で育ちの悪い方向に行ってしまうのかなという先入観を持ってしまっていましたが、この物語の登場人物はみな愛で溢れていて人の優しさにちゃんと感謝できる女性に成長していきます。そのためこの作品はどこかユーモアもあり明るくて温かい気持ちで次々読み進めることができました。親と子の在り方、家族とは何か、血の繋がり以上に愛情や一緒にいた時間の大切さを感じ、家族を大切にしたいと改めて思わせてくれる作品です。

特に最後の親である、森宮との関係には温かい気持ちなりました。森宮が優子のことをとても愛しているのかが会話の中からも伝わってくるが、友人との関係にも悩みが生じだす年頃の優子自身も森宮との関係を大事にしているからこそ、踏み出せない葛藤状態にも複雑な気持ちになりました。優子の「親が違う=不幸」の像を不快に感じるのは愛がしっかり届いていたからだと感じました。私はこれまで、家族は家族だからこそ、どこか離れられないと考えていましたが、大切なのは肩書ではなく、愛情が存在しているかどうかなのだと改めて気付かされました。

最後にこの作品を読み今はもう忘れてしまっている当たり前だったあの頃の大切さ、温かさを思い出させてくれるとても素晴らしい作品だと感じました。この本を読んだ後は母親のなんてことのない料理がどこの料亭にも負けない料理になっていて素直に普段伝えられないありがとうが伝えられる様になっていました。