月別アーカイブ: 2017年1月

文学部 T先生へのインタビュー

文学部 3年生 中西聖也さんが文学部のT先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 ・小さい頃に本は読まれていましたか?

 幼稚園の頃は、母親によく読み聞かせてもらっていました。今思うと、宮沢賢治や新見南吉の童話など少し文学チックな本が多く、良い本を選んでもらっていたと感じます。小学生になってからは、偕成社の「少女名作シリーズ」を読み始め、次に「少年少女世界の名作シリーズ」に出会いました。オルコットやゲーテ、シェイクスピアなどが子供向けに面白く書かれていて、子供の文学の裾野がすごく広い、豊かな時代だったなと思います。

大学で日本文学を勉強されたきっかけは何でしたか?

 中学二年生の時に、樋口一葉に出会ったことがきっかけです。NHKの「一葉日記」というドラマを見て、一葉を読み始めました。女性が文章を書いて生きていこうとする姿に惹かれたのだと思います。その頃から、日本文学を学んでみたいなと思うようになりました。。

・近代文学に興味を持ったのはなぜですか?

 日本の古来の江戸時代までの文化的な流れから、明治以降の文化は大きく転換していきます。その激動の時代のダイナミックさに惹かれて、感心が広がっていきました。そこから、文学を勉強しながらも、背景にある風俗や文化、政治、制度などいろんな面に目を向けていきたいなと思っていきました。一葉がその時代の大きな転換点に立っていたというのも外せないポイントですね。

・最後に、学生におすすめの本を教えてください

 やはり大学の時間のある時に、一番重たい本を読んでおいてほしいと思いますので、ドストエフスキーの『罪と罰』を選びました。日本の近代文学は『罪と罰』にものすごく影響を受けています。ぜひ一度チャレンジしてほしいです。
 あんまり長いものは嫌だと言う方には、山本文緒さんの『絶対泣かない』を選びました。15人の働く女性達の姿を描いている短編集です。職業・社会が垣間見える本として、学生に良いと思います。

・インタビューを終えて

 たくさんの面白いお話を聞かせていただきました。この短い文章では、先生の本への想いや、魅力の全てを伝えきることなんて出来ません。それほどまでに深い本への愛情を、直に感じることが出来たので、インタビューをして本当に良かったと思いました。

 <T先生おすすめの本>
①  ドストエフスキー著  『罪と罰』 新潮社,1987年
※図書館注: 図書館には複数出版者の邦訳を所蔵していますが、光文社古典新訳文庫が一番新しいです。

②山本文緒『絶対泣かない』角川書店,1998年

(インタビュアー:文学部 3年 中西聖也)

中谷宇吉郎著『雪』

書名: 雪 (岩波新書 赤版8)
著者: 中谷宇吉郎
出版者: 岩波書店  出版年: 1947年(初出1938年)
場所: 3階書庫  請求記号: 081.6/8B/10

先週末は全国的に大雪で、神戸でも雪が積もりました。
楽しんだ人、迷惑した人、色々だったと思います。
空から届く美しいものに感動して手を伸ばし、掌で受けたとたんに溶けてしまうのを惜しんだ人もおられるのではないでしょうか。

中谷博士は、雪の研究者で、昭和11年に世界で初めて水の結晶=人工雪の制作に成功した科学者です。
同時に、代表作である『雪』をはじめ、多くの科学を分かりやすく伝える本を書かれた名随筆家でもあります。

科学的には、「雪」は、水が氷の「結晶」となったものだそうです。
氷は固体であって、結晶ではありません。
また、積もっている雪も、地に着いた時に溶けて再度凍った氷で、結晶ではありません。

空中にある雪や霜といったあの小さなトゲのある、キラキラしたものが、水の結晶です。

つまり、単に水を冷やすだけでは、水は雪にはなってはくれません。
中谷博士は、極寒の北海道で幾種類もの雪のサンプルを観察し、手作りの機材を使って、根気よく実験を繰り返しました。
読んでいるだけで震えそうなほど寒いのですが、とても楽しそうです。

名台詞、「雪は天から送られた手紙である」は、この本の一説です。
みなさんも、雪に記された空の記録を、少し読めるようになってみませんか?
次に雪を掌に乗せた時には、小さな空の声が聞こえるようになっていると思いますよ。

図書館にも所蔵していますが、青空文庫でも読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/52468_49669.html

1月、春期特別貸出を行います!

図書館の春期特別貸出にあわせ、語学学習室(COSMOS ROOM)の資料も1月25日(水)から3月31日(金)まで最大10冊借りられます。(返却期限日:2017年4月14日(金)(ただし4年次生・大学院修了予定者は3月17日(金))

また語学学習室(COSMOS ROOM)では、1月5日(木)からスタッフお勧め図書を展示しています。ぜひ、手に取って楽しんでみてください。

多読チャレンジの締切(2017年3月31日)まで残り3ヵ月を切りました。25冊・50冊コースが達成できた方は、「多読チャレンジシート」を図書館1階カウンターまで提出してください!

平田オリザ『幕が上がる』

  知能情報学部 4年生 小林雅幸さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:幕が上がる
著者:平田オリザ
出版社:講談社
出版年:2012年

 この小説は、高校の演劇部を舞台に、初めは弱小とも言われていた部員が演劇経験のある新しい顧問の先生を迎えて指導を受けることで成長し、コンクールの全国大会を目指すという青春小説ともいえる作品です。
 著者が実際に劇作家・演出家・劇団の主宰であることから、演劇の流れや高校演劇にまつわる知識などが丁寧に描かれているので、具体的なイメージを持たせながら読み進めることが出来ます。
 主人公である演劇部部長の高橋さおりの目線で進んでいくこの物語は、いくつものターニングポイントが存在します。新任教師でかつて演劇俳優として活躍していた吉岡先生への副顧問就任のオファー、演劇強豪校の演劇部員で、その学校からの転校生の中西さんの演劇部入部、地区大会突破に向けての合宿、吉岡先生の突然の退職などです。そのどれもが、後から振り返ると物語にとって重要な出来事となっています。そして、これらの出来事は人生そのものを表しているように感じました。人は人生の中でいくつもの出会いを重ね、そして成長していきます。成長を重ねることで目標ができ、それに向かって悩みながら、失敗しながらも前進していくことで得るものがあり、自信に繋がります。しかし、人生は良いことばかりではなく、突然の別れだってあります。あまりにも突然の別れに悲しみ、立ち直れなくなりそうな時もあります。しかし、そこで立ち止まってしまえばそれまで頑張って積み重ねてきたものが崩れてしまいます。そこでさらに前進することでさらなる成長が待っています。人生はそうして様々な経験を重ねることで充実していくのだなと感じました。
 「私たちは、舞台の上でなら、どこまででも行ける。」というセリフが心に残りました。どこまででも行けるから私たちは「不安」という気持ちを抱き、だからこそ前を向いて必死になろうとするのでしょう。
 青春小説でありながら、人生において忘れてはいけないものを再確認させてくれる、そんな作品です。

川上アキラ『ももクロ流:5人へ伝えたこと5人から教わったこと』

  知能情報学部 4年生 小林雅幸さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:ももクロ流:5人へ伝えたこと5人から教わったこと
著者:川上アキラ
出版社:日経BP社
出版年:2014年

 この本は、人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のチーフマネージャーとして活躍する著者が、グループ結成からこれまでを振り返りながら著者のマネジメント論を述べたものです。 「アイドル戦国時代」とも言われる近年、様々なアイドルグループが結成される中、「ももいろクローバーZ」が結成から5年近く(出版当時)経過しても人気アイドルグループとして成功した秘訣が、筆者のマネジメント論から読み取れます。
 筆者の特徴として、「現場主義」が挙げられます。著者はイベントの企画や演出、タレントの送迎など、とにかく現場での仕事を重視しています。それは、「タレントが最も気持ちよく仕事ができる環境を作る」ことがマネージャーにとって重要であるという著者の考えがあるからです。これはタレントマネージャーに限った話ではなく、例えば上司が部下の働く姿を間近で見ずに後で持ってきた書類だけを見て能力を判断しているのでは部下にとってモチベーションが上がらず、せっかく持っている才能を開花させることができないままになってしまう可能性があるということと同じではないでしょうか。こうして著者が常にタレントを近くで見守ってきたことで、次の仕事へのプランを立てることに役立ち、さらにはタレントとの信頼関係を築くことに成功してきたのではないでしょうか。
 そして、タレントに「場」を与え、時には無謀とも思えるようなことも含めてタレント自身に様々な経験をさせた積み重ねが、やがてタレント自身が自分をプロデュースできる力になって、結果グループが成長していくという考え方は共感しました。誰かに守られているという安心感があると、人はやがて努力をしなくなっていきます。しかし、しっかりと実になるような刺激を矢継ぎ早に与えることで、人は自分で考えるようになり気づかぬ間にそれが経験となって人を成長させ、その個人の成長がグループにとって大きな成果として帰ってくるのです。
 この本は単にアイドルグループの歴史を辿っただけの本ではなく、人が、そして組織が成長するためには自分がどう動くべきかということを、具体的なエピソードを交えて述べたれっきとしたマネジメント論の本であると私は考えます。

J.K.ローリング『ハリーポッターと秘密の部屋』

  知能情報学部 4年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

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 書名:ハリーポッターと秘密の部屋
著者:J.Kローリング作;松岡佑子訳

出版社:静山社 
出版年:2000年

ハリー・ポッター・シリーズの映画を見たことある人は多いと思うが、本も読んだことがあるという人はあまりいないように思えますが、そういった人にもこの本を読んでほしいと思いました。

本はとても分厚いですが、本の中身は案外文字が大きく難しい漢字も少なく、他の本に比べると読むのにはあまり苦ではないと思います。

映画を見たことがある人でも、ハリー・ポッター・シリーズの本は一度見てみると良いと思いました。

本の内容は映画と全体的の同じで、ほんの少ししか違う部分はありません、しかし映画を一度見ていても楽しめました、僕は映画を見たあとにこの本を読んだので、頭のなかで映画の場面を思い浮かべたり、字を読みながら頭のなかで、キャラクターの声が頭のなかで再生されたので、本を読みながら映画を見ているような感じがしました。

ハリーポッターは全世界で読まれていて、とても有名です、なので本をあまり読まなかったり、字が苦手と思う人や、難しい漢字が苦手だと感じる人は、この本を読んで見たらいいと思いました、他の本に比べるとこの本はとても読みやすく感じます。

主人公のハリーポッターは両親をなくし親戚の家で育てられるが、親戚からのいじめや、物置小屋での生活を強いられ、残念な暮らしをしている内容が初めの方にありますが、僕はそういった内容のものがあまり好きではないです、序盤で魔法学校に行き魔法学校での話になるので、親戚の内容はなくなりますが、そういったいじめや暴力的な内容が苦手な人は、見ていてしんどいといった場面もあるかもしれないです。

シリーズ2作目の本なので、もし一作目を見ていないなら、一作目のハリーポッターと賢者の石から見ることをおすすめします。