1.おしらせ」カテゴリーアーカイブ

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

2025年3月18日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました!

匿名 文学部 4年次生

 チャレンジノートの充実した内容から、終始、楽しみながら多読に取り組んでいることが
伝わってきました。このチャレンジをきっかけに、英語に親しみ、この先も英語との繋がりを
持ち続けてほしいと思います!

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.今回読んだ本の中で、お勧めしたいお気に入りの本を教えてください。

A.Who HQシリーズの本。
 物語の本は名詞など知らない単語が多く出てきたり、キャラクターを整理しながら読むのが大変だったりと個人的には苦手です。
 Who HQシリーズは、人物などの説明が中心なので、勉強時に読んで、慣れている英語で比較的読みやすく、また知らなかったことを知ることができるのでオススメです。本が薄く、イラストが豊富な点でも、読みやすいと思います。

Q.50冊に達成したご感想、語学学習室へのご要望などありましたら、ご自由にお書きください。

A.50冊の達成は難しいと思っていましたが、始めてみると通学中に少しずつ読めて楽しかった
です。洋書というだけでハードルが高いと感じて、取り組むのが遅くなりましたが、もっと早くから始めておけばよかったと思います。
 様々なレベルの洋書を気軽に読める場所はあまりないと思うので、語学学習室が大学にあるのは、ありがたいことだなぁと思います。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 25冊以上達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

☆2024年度から、継続しやすい新ルールになりました!
 いつからでも参加できますので、ぜひチャレンジしてみてください!

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『未知の場所に踏み込む人へ向けたナビゲーションプロジェクト』

行ったことがない場所に行くときは、ちょっとした勇気が必要ですよね。ルートを調べるだけでなく、どんな場所か見ておけるという点でも、地図アプリは便利です。
普段はポートアイランドキャンパスに通っているフロンティアサイエンス学部3年生の島村大地さんが、甲南大学図書館をGoogleMapに搭載してくれました。
「春から甲南」の皆様も、「改めて甲南」の皆様も、ご体験ください。

 新入生になったとき、まずはどこに何があるかを把握しなければならないのは必須である。自分も岡本キャンパスにて授業がある際に、何号館がどこにあるのかが分からず迷ってしまったこともあった。迷いそうなときには、GoogleMapなどの地図アプリケーションを使用するが、これを図書館内でも使えるようにすることによって、はじめて訪れるときでも図書館内部の地形把握ができ、上級生になった際でも、新たな発見につながるのではないかと考えた。
 先ずは、地形の整理から行った。図書館の職員さんと打ち合わせをして、撮影する階や各階のどこまで映すか等を決めていった。特に、撮影枚数は多くとりすぎるとマップ上での操作に影響が出るため、適切な枚数になるようにした。
 次に撮影は、許可を得て、人がいない閉館日に行った。撮影者自身が映り込み過ぎず、適切な高さを維持しながら撮影することに気を付けた。 撮影当日は雨模様だったこともあるが、公園等の屋外での撮影とは違い、光の加減に注意しなければならなかった。
 ぼかしを入れたり撮影者を消すなど、写真を加工し、GoThruというツールで撮影位置情報を確認しながら写真を配置していった。この作業が一番難所であり、位置が変わると 1階 なのに2階の景色が見えたりしてしまう。写真から写真をつなげる際に階層から逸れないように設定を加えたり、そういったことを一つ一つ行うのが少々大変だった。方角についてもGoogle Mapsでは一つ一つ設定しなければいけないため慎重にかつ丁寧に行うのがまた大変だった。
 こうして完成したものを実際にアップロードし、都度ぼかしを入れたり等の修正を行い完成させた。今後は、キャンパスごとに利便性向上のための写真撮影等を行い、それらで培った経験を活かして、社会で各々利用者に向けた情報提供を行いたいと感じた。

フロンティアサイエンス学部 島村大地

25冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

2025年1月29日に『多読チャレンジ』25冊を達成されました!

匿名 文学部 人間科学科 4年次生

 達成後も続けて読まれているので、50冊も目前のようです。また、本棚を見ることに楽しさを感じているとの言葉を受けて、スタッフも喜んでいます!これからも自分のペースを守りながら楽しく読み続けられることを願っています。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?

A.留学を希望していたので、良い英語の勉強になると考えたため。

Q.25冊を達成した感想をお聞かせください。

A.25冊を読むだけでも大変だった。しかし、大学生になるまでは洋書を読んだことがなかったので達成感があった。

Q.チャレンジする本はどのように選びましたか?

A.理解しやすそうな本。物語でない本。物語の場合は、極力知っているものを選んだ。

Q.『多読チャレンジ』のこれからの目標などがあれば、お書きください。

A.50冊をめざしたい。レベル5・6の本を読破したい。

Q.語学学習室や図書館について、ご意見・ご要望など、ご自由にお書きください。

A.きれいな館内かつ、本の並びも整っているので、読書をしたいと思える空間だと思います。
  本棚を見て回るのも楽しいです。いつもありがとうございます。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 25冊以上達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

☆2024年度から、継続しやすい新ルールになりました!
 いつからでも参加できますので、ぜひチャレンジしてみてください!

ライブラリサーティフィケイト1級取得予定者との面談を行いました

 

ライブラリサーティフィケイトでは、1級取得予定者に活動の振り返りをかねて、図書館長と面談をしていただきます。
といっても堅苦しいものではなく、ゆったりまったりとお話をしていただくものです。

先日、1級取得予定者の文学部 4年生のKさんが面談を行いましたので感想をご紹介します。
楽しい時間の中でも、ご自身の課題を見つけられたそうです。非常に有意義な時間であったことが窺えますね。

ぜひライブラリサーティフィケイトご参加のみなさんにも、そうでない方にも、たくさんの方に読んでいただきたいなと思います!

 

 

以下、Kさんからの感想です。

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杉本先生との面談は、穏やかで心地のよいものでした。面談の経験は、中高での進路に関するものしか経験がなかったため、面談前は一方的に質問ばかりされるのではないかと緊張していました。しかし、杉本先生もご自身の考えを話してくださり、どちらかというと会話のような雰囲気で、話しやすかったです。

面談内容は、本の選び方や本を読んでいて印象に残った言葉、図書館への要望といった読書や図書館に関することはもちろん、私の卒業論文の内容や私が言葉を選ぶ際に気をつけていることなど多岐にわたりました。もともと読書家ではない私が話しやすいように、配慮してくださったのだろうと思います。また、私に関心があることを示すことで、話しやすい雰囲気を作ろうともしてくださったのではないかと思います。

今回の面談でとくに印象的だったお話は、読書は必須ではないけれど、読書をする人に厚みをもたらし、最後にその人を支えるものなのではないかという杉本先生のお話です。このお話を聞いたときに、去る者は追わず来る者は拒まず、豊かな時間を抱えたまま、静かに読者に寄り添う本のイメージが思い浮かび、それが私の読書のイメージと一致していたためです。「読書は良いもの」、「漫画より本」といった社会のイメージに囲まれながら、甲南大学入学前は課題図書などで強制される以外に本を読む機会がなかった私は、読書に対して厳かで脅迫的なイメージがありました。また、従来の私の読書は感想文を求められるものばかりだったので、読書から何かを得なければいけないという固定観念ももっていました。しかし、大学在学中に自分のペースで目についた本を少しずつ読んでいくうちに、飽きれば読むのをやめてもよいし、大した感想をもてなくても問題ないと思えるようになりました。また、読書によって知らなかったことを知ったり、新しいことについて考えるきっかけを得たりもしました。そして、読書を中断して、その新しいことを考えることに没頭してもよいし、その考えの良し悪しを誰かから評価される恐れはないのだと思えるようになりました。これらの読書経験から、本は色々な読み方を受け入れてくれる寛大なものだと思うようになり、読書に対するイメージが前述したものに変わりました。

今回の面談は、楽しい面談ではありましたが、自身の課題を再確認する面談でもありました。その課題とは、自身の考えを整理して伝えることです。とくに会話のように瞬発的に発言を求められることは、なおさら苦手だと痛感しました。実際に今回の面談では、言葉が途切れ途切れになってしまったり、「わからないですね」と質問に対して答えを出せなかったり、面談終了後に違う意見や新しい意見が思いついたりしました。それでも杉本先生は、言葉が出るまで待ってくださったり、私の答え一つ一つに対して丁寧に反応して、受け止めてくださったり、とても温かな雰囲気で対応してくださりました。そのおかげで、不格好ではありますが、安心感があり楽しいと思えた面談になりました。

また、今回の面談で気づいたことがあります。それは、お話の楽しい人は自身の考えをもち、それを適切に言語化し、相手に伝えられる人なのではないかということです。私の回答に合わせて臨機応変にご自身の考えを伝え、話を深めてくださった杉本先生との面談は楽しいものでした。また、今回の面談で質問をされる立場になって、以前させていただいた教員インタビューを思い出したのですが、そちらも楽しかったです。そして、インタビューを受けてくださった先生方には、質問に対して、その場でご自身の考えをわかりやすく伝えてくださったという共通点がありました。加えて、どの先生方も、私が話した際には、私の話を受け止め、広げてくださりました。このことで、会話が相互的になり、いっそう楽しいものになったのではないかと思います。

以上の気づきから、読書をはじめとする、自分の心を動かしたり、考えを広げたりする経験をたくさんして、それらを言語化する練習を積み重ねたいと思いました。そうすることで、ライブラリサーティフィケイトをきっかけに関わってくださった先生方のように、自身の意見を持ちつつも、相手の意見をくみ取り、受け止められる引き出しを持て、そして、それらを相手にわかりやすく伝えられるようになるのではないかと思ったためです。また、このような人間像は杉本先生がおっしゃっていた読書によって得られる人としての厚みと関連しているようにも思います。

今回の面談は、大学在学中の読書経験やライブラリサーティフィケイトでの活動を振り返るよい機会になりました。何よりも楽しいと思える時間を過ごすことができました。

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また、図書館長の杉本 喜美子先生からも面談の感想をいただきました。

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今回の面談の前に、読書記録を読ませていただき、非常に論理的なこと、だけど全く冷たさを感じない、むしろ読むだけで心に触れられるような鮮やかさを持つ文章に圧倒されました。実際にお会いしたら、ひと言ひと言を熟考して紡ぎだす、言葉を大事にする方なのだと感じました。高校時代は決して本好きとは言えなかったが、大学で100冊を読破し、ライブラリサーティフィケイトの申請が終わった今もその習慣は続いていると語るKさんから、本を読むことそのものが人をより豊かに育てるのだなと実感しています。

100冊の中で一番心に残った言葉は「幸せは足し算できるもののように、わたしには思えます。先にどんな不幸があっても、足したものは引かれることはない、そう感じます」だそうです。どの本の言葉かは、みなさん探してみてください。人生の指針となりうる言葉に出会われたこと、心から素敵だなと思いました。みなさんも、そんな言葉に出会ってみませんか?

図書館は「そこにあればいい。受け止めてくれていると感じられるから」とKさんは話してくれました。図書館を支えてくださっている職員のみなさんも私も、それを聞いてほんとうにうれしく思います。図書館はこれからも、みなさんの心の支えでありたい。ライブラリサーティフィケイトを一つのきっかけに、ぜひ、みなさんを支える言葉に出会ってくださいね。

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ライブラリサーティフィケイトは4年間かけて一歩ずつ1級取得を目指して進めていくこともできますし、1年で1級の取得を目指すこともできるので、ご自身のペースで進めていくことができます。

その中でビビッとくる本や言葉に出会い、「この本おもしろかったです!」「この言い回しが印象的でした」「この先生のインタビューおもしろかったです」とお話してくれることが私たちの喜びであり、みなさんが出会ってきたものが、今後の人生に繋がっていくことを願っています。

 

ライブラリサーティフィケイトは、いつでもみなさんのことをお待ちしています!

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『みんなで育てる言葉の木』展示編

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『みんなで育てる言葉の木』展示編

展示期間 :2025年 1月14日(火)~ 2025年5月頃まで
展示場所:図書館1階ゲート前

 

 

 

2024年9月から募集していた「本を読んでいて心に残った言葉」が、こんなに大きな木になりました!
なんと、およそ100通ものご応募がありました。たくさんご応募いただき誠にありがとうございました。この場をお借りし、お礼申し上げます。

 

小説や学芸書、洋書などたくさんの本から、たくさんの言葉が寄せられました。

どれも素晴らしい言葉ばかりなので、きっとみなさんの新しい本との出会いのきっかけになります。そしてその本の言葉が、みなさんの心の支えになることを願っています。

 

展示は5月頃まで展示予定です。ぜひどんな言葉があるのかご覧ください!
本の展示も行っていますので、借りていただくこともできます。

 

もちろんしおりもまだまだ配布しています✨

 

 

企画者: 文学部4年生  K

令和7年 年頭所感(図書館長 杉本喜美子先生(マネジメント創造学部教授))

 在校生のみなさん、2025年、新しいスタートを切られているでしょうか。

 私は今学期、西宮キャンパスで開発経済学を教えています。どうすれば経済は成長するのか、どうすれば発展途上国で生活する貧しい方々の生活を豊かにできるのか。こうしたことを、既存研究から得た理論を学び、実際のデータを確認することで、理解していこうとしています。日本を筆頭に、先進国にも貧しかった時代はあり、ここまで成長できたのだから、政府が実施した政策と、人や企業が行ったことのなかに、成長を促す要因があったはず。この講義は、経済成長という側面から、歴史を形作る要因を探る旅をしているようなものかもしれません。

 そこで、私がおすすめしたい本を紹介します。

歴史は実験できるのか:自然実験が解き明かす人類史
初版年月日:2018/06/15 ISBN:978-4-7664-2519-2

 ここでいう自然実験とは、社会制度や歴史的に偶然起こった出来事をあたかも原因であるかのようにとらえ、その後の社会をどう変えたのか、データを用いて因果関係を明らかにすることです。フランス革命軍とナポレオンがドイツに侵攻したことは、その後のドイツの都市化と経済にどう影響を与えたのか?イギリスが植民地インドの統治時代に採用した制度は、現在に至るインドのインフラや教育水準を上げたのか?この本では、各章の著者が上述のような異なるテーマで自然実験の手法を用いており、読み応えのあるものです。

 さらに驚くべきは、先ほどのフランス革命のテーマが2024年ノーベル経済学賞を受賞した3名の教授(Daron Acemoglu & Simon Johnson* (Massachusetts Institute of Technology) James A. Robinson (University of Chicago))による執筆であり、インドのテーマが2019年ノーベル経済学賞を受賞した3名の教授のうちのひとり(Abhijit Banerjee (Massachusetts Institute of Technology))であることです。授賞理由は、国家の繁栄に影響を与える制度の役割(2024年)やフィールド実験を用いた途上国における貧困解消に向けた効果的な政策(2019年)を検証したことにあります。いずれも開発経済学の主要テーマであり、「人々の選択こそが世の中を変える」ことを示しています。

 フランス革命という偶然によって既存の制度が崩壊し、侵攻先のドイツにもこの波が押し寄せてきている状況は、外圧に悩む現在の多くの国にも起こりうることを示唆しています。さらに、こうした制度変更を柔軟に受け止め対応した地域こそが、同時期に来ていた産業革命の波をもうまく乗りこなし競争力を高めうるとの視点は、国の選択が長期的な我々の暮らしの行方を決めうるのだと教えてくれます。歴史から学ぶことは、歴史学者だけの仕事ではないのだと、経済学を専攻する私にも多くの刺激を与えてくれました。

 本書「プロローグ」最後の段落には、こうした最高峰の経済学者が、編者から依頼された修正にも常に協力的だったこと、自然実験にもろ手をあげて賛成ではないはずの伝統的歴史学者にも目を通してもらったことが綴られています。圧倒的な知性と驚きのアイデアをもつ先生方が、謙虚さをもって、専攻する学問分野が違う研究者に真摯な姿勢で向き合っているとは!本書の意図とは全く関係ありませんが、私の一番の感激どころ、だったのでした。

 世の中が混沌としていても、打開できるのは我々の意志と選択。よりよい選択をするために、みなさん、図書館で様々な本に触れ、いい出会いをしてください。

*ご興味があればDaron Acemoglu & Simon Johnsonの近著は、前回の藤棚ONLINE(https://www.konan-u.ac.jp/lib/blog/archives/6560)でご確認ください。

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 KONAN-PLANETに昨年末掲載された記事を読まれましたか?

「甲南大学の読書王に聞く!今年読んだおすすめの本 ベスト3(2024)」

 マネジメント創造学部にはプロジェクト科目という実践的な学びが得られる授業があり、グループワークやプレゼンテーションを積極的に行っています。今学期私が担当する「開発経済‐アフリカ各国の経済成長−」プロジェクトに参加し、頑張っている学生さんの推薦本、『偶然屋』(七尾与史著)を読んでみました。

 「偶然は偶然のまま、自然のままに日常を楽しむ余裕をもちたい」という意見は、ほかの学生さんの意見をしっかりと(穏やかに)聞いて、建設的な意見を追加できないか考えている、真摯な人柄から出る言葉だなと思いました。みなさんも、ご家族、お友達、先生、自分の気になる方が、何を読み、どう感じたのかを聞いて、思いもしなかった新たな本と出会ってみませんか?

 今年も、心に残る本との出会いがありますように。