新見まどか著『唐帝国の滅亡と東部ユーラシア』(2022年刊)の紹介

2022年12月、『唐帝国の滅亡と東部ユーラシア――藩鎮体制の通史的研究』(思文閣出版)を刊行しました。タイトルにある「唐帝国」とは、7世紀から10世紀初頭まで、中国にあった王朝の名。日本も遣唐使を派遣し、その文化や制度に憧れました。しかし、唐が絢爛たる世界帝国であったのは、実は8世紀半ばまで。本書では、日本であまり知られていない8世紀後半~10世紀の唐代史を、内陸アジア世界や海域アジア世界との連動の中で捉え直します。時代の変化に柔軟に対応し、敵対勢力すら利用してしたたかに延命を図りながら、やがてこれまで支えてきてくれた人々を切り捨てはじめ、最後は誰からも見放されてしまう。滅びに向かう王朝の姿は、どこか現代にも通じます。(教員・新見まどか)

出版社による紹介と目次 
https://www.shibunkaku.co.jp/publishing/list/9784784220472/

本書に関するエッセイを収録したPDFがダウンロードできます(『鴨東通信』No.115、2022/9参照) 
https://www.shibunkaku.co.jp/publishing/prmagazine/


博物館実習ⅠAの学外講義(竹中大工道具館・移民ミュージアム)

2022年12月18日、博物館実習ⅠAの学外講義で竹中大工道具館と移住ミュージアムを訪ねました。竹中大工道具館では、鉋や木槌などの様々な大工道具や木材、昔の匠の技を学びました。今も使える「生きた道具」を展示し、音声ガイドや映像、木材や道具に触れたり、木の香りを嗅いだりと五感に強く働きかける展示が印象的でした。移住ミュージアムでは、設立の経緯や日本人のブラジル移住の歴史を説明して頂きました。国立移民収容所として実際に使っていた建物の中に当時の写真や映像、渡航時に日本から持参した道具などを展示しており、かつての情景が鮮明に伝わりました。同日に2つの異なるテーマの博物館を見学したことで、それぞれの展示法の違いや特徴が学べ、実りある時間を過せました。(2回生・福重湖雪)

歴かふぇ13:笠木日南子先生

第13回歴かふぇ(2022年12月14日)では、笠木日南子先生に「アーツカウンシル」についてお話し頂きました。アーツカウンシルは、文化芸術の振興を専門家により支援する組織や取り組みのことで、近年、日本各地で続々と発足し、注目されています。当日は、文化芸術に対する新たなアプローチの方法や様々な仕事を紹介して頂きました。それらの仕事の多くはまだ出来て間がないということで、今からでもその第一人者になれる可能性は高いとのことでした(笑)。今回の話を伺い、将来の選択肢が増えたともに、文化芸術に携わる仕事を通じ、その道の第一人者になってみたいとも思いました。(3回生・畑匡洋)

鳴海ゼミ巡見(名古屋市)

2022年12月8・9日、鳴海ゼミの2~4回生は、巡見で名古屋市を訪れました。初日はトヨタ産業技術記念館でトヨタの始まりである紡織事業から現在の自動車製造までの事業の変遷や歴史を見学しました。自動織機の実演に始まり、時代の流れに伴う機器の進化、自動車事業への参入、実際のプレス機や部品の削りだしなど、技術の発展を感じることのできる体験でした。2日目は名古屋城を中心に、城郭風屋根を持つ市役所・県庁、市政資料館、文化のみちに建つレトロ建築群など周辺の歴史的建造物を見て回りました。日本の近代化の流れを肌で感じることのできた充実の巡見となりました。(3回生・村上剣斗)

読書班・遺跡巡り班の巡見:大阪中之島界隈

2022年11月26日、読書班・遺跡巡り班で大阪巡検を行いました。今回は中之島香雪美術館と適塾の拝観、中之島周辺の近代建築散策を行いました。中之島周辺には多くの近代建築が残されており、特に中之島公会堂と大阪府立図書館のモダンさにはメンバー全員が心惹かれました。ですが僕のおすすめは芝川ビル。何と言っても入り口がロマンありすぎてかっこいい。中之島香雪美術館では伊勢物語の展示をしており、かなり面白かったです。今回の巡検で15㎞以上歩いたのですが、意外と疲労感はなかったです(笑)。(3回生・畑匡洋)


中辻ゼミ巡見(家島諸島)

2022年11月23日、中辻ゼミでは、兵庫県姫路市の諸島である家島でフィールドワークを行いました。あいにくの雨でしたが、個別テーマを持つグループ毎に行動し、島民の協力のもと充実した一日となりました。私達のグループは島民のライフスタイルに焦点を当て、営業する小売店を中心に聞き取り調査を行いました。コロナ禍の中ですが、私達の質問に真摯に答えて頂き、何でも協力してあげたいという島の方々の姿はとても素敵で心が温かくなりました。この諸島で人の住む主な島は、家島、坊勢島、男鹿島、西島であり、それぞれ環境の特性を活かした暮らしと産業を行っています。姫路港から約30分の船旅で行けるので、是非一度観光に訪れてみてください!(2回生・佐藤葵生)

はじめての巡検―みんぱくに行きました

2022年11月23日、大阪府吹田市にある国立民族学博物館に、基礎演習(髙田ゼミ)で訪れました。博物館には、それぞれの地域展示や音楽、言語展示がありました。館内はとても広く、所々で足を休めながら見て回りましたが、かなり疲れました。一番印象に残った展示物は、アフリカでの奴隷をつないだという鎖でした。奴隷を船で運ぶ時、病気になった奴隷を感染拡大防止のために海へ捨てると聞き、驚きました。とても勉強になった一日でした。(1回生・中山丈瑠)

お伊勢参りへ行こう in 鴻池新田会所

甲南大学は東大阪市からの委託を受け、市域の古文書の調査・研究を行い、その成果を市民に還元する事業を行っています。その一環として「小学校高学年の生徒に江戸時代のお伊勢参りを体験してもらう」というワークショップを鴻池新田会所で2022年11月20日に実施しました。旅に出るために必要な資金を稼ぐことから体験は始まり、菅笠などの旅装束を購入すると共に、江戸時代の旅に必須だった「往来手形」を村の庄屋さんに発行してもらい、旅に出発しました。旅先では、名所見学、茶屋での休憩、お土産の購入などの楽しみを経験をしました。参加者は、稼いだ資金の範囲で工夫して使っており、その様子に感心しました。当日は、江戸時代のガイドブックや伊勢暦などの史料の展示もあり、保護者と共に解説を聞く様子も見られました。この体験をきっかけに歴史的なことに幅広く興味を持ってくれたら嬉しいです。(修士1回生・松田早紀子)

2022年度の卒論中間発表会(髙田・東谷合同ゼミ)

2022年11月17日、東谷ゼミと高田ゼミ合同で卒論中間発表会を行いました。両ゼミ合わせて20人位の参加であったと思います。発表は各ゼミから2名が行いました。私の普段のグダグダなゼミ発表とは違い、どの発表もしっかりしたものでした。発表後の質疑応答において、普段関わらない他ゼミからの質問は、新たな気づきや知見、自身の研究を客観的に見つめ直す良い機会となると思いました。来年は私が卒論を書く番です。正直できる気がしません。ドラ○もんの秘密道具でもあればな…(3回生・“一年後に苦しみがひかえた”村田愛誠)

遺跡めぐり班の巡見:ヨドコウ迎賓館の見学

遺跡めぐり班は、2022年11月13日、芦屋市のヨドコウ迎賓館を訪れました。もともとはフランク・ロイド・ライトの設計による住宅建築で、現在、国の重要文化財に指定されています。大谷石を豊富に使った外観や内装は綺麗でした。4階建ての建物の2階の応接室であった部屋は、狭い入口から中に入ると広くて開放感を感じました。雨で見晴らしが悪いものの、 バルコニーからの景色は晴れたら素晴らしいなと思いました。私はこれまで建築にあまり興味を持てなかったけど、構造により見え方や広さの感じ方が変わることを知り、興味を持つようになりました。今後は色々な建築を見に行きたいと思いました。(1回生・赤枝玲)