2021年度「実践地域学」の紹介

このちょっと変わった名前の講義は、学科の学びを社会や地域に活かすにはどうすれば良いかを考えることを目的に作りました。複数の講師がそれぞれの専門的分野(景観保全とまちづくり、文化財と博物館、編集と出版)から話題を提供し議論します。例えば、2021年8月7日には学外講師招聘講義の制度を活用し、地方(三浦市、岩見沢市)で出版活動を先進的に実践する人達にZoomで講義参加してもらい、講師を交えながら学生と意見を交換しました。こうした議論が卒業後の活動に少しでも参考になればと願っています。(鳴海邦匡)

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古文書調査の体験記@明石市

2021年7月より、私は明石市史の古文書調査に参加させて頂きました。これまで大学では古文書に関する授業や課外活動に取り組んできましたが、もっと深く学びたいと思い、市史編纂委員でもある東谷先生に紹介して頂きました。主な活動は史料の目録作りです。古文書に書かれた和暦や表題などを読んでいくのですが、大学で見慣れた崩し字とはまた違い、こんな崩し方もあるのかと勉強になりました。その他、史料を所蔵されている方の自宅で行なう調査に同行し、古文書の保存状態を間近で見るなど、とても貴重な体験となりました。(4回生・飯田朱音 )

歴らぼ(歴史文化らぼ)班の登録

歴史文化学科では、学生が主体となって、教員とともに歴史文化に関わることを実践的に学ぶ場として、「歴史文化らぼ」(歴らぼ)を設置することができます。これまで活動してきたグループとしては、編集部、地図班、古文書班、遺跡巡り班、中世班などがありました。学科に所属する学生であれば誰でも新たに活動する班を立ち上げることができます。立ち上げの際には、その班の世話人教員を選び、登録用紙・ポスター(以下よりDL)を記入のうえ学科に提出する必要があります。関心のある学生は気軽に教員に相談して下さい。

甲南chでの紹介 

https://ch.konan-u.ac.jp/information/information/category-11/1233.html

『大学的神戸ガイド』の紹介

甲南大学で進めるプレミアプロジェクトの一環として、『大学的神戸ガイド』(2021、昭和堂)という本を出版しました。この本には歴史文化学科の全教員が参加し、六甲山の成り立ち、中世の錯綜した地域史、海と山を結ぶ近世の街道、港町神戸における文化的交流など、それぞれの専門的立場から私達にとって身近な神戸のことをアカデミックに紹介しています。本学図書館や歴史文化学科図書室にもこの本は置いていますので、ぜひ、手に取って読んでみて下さい。そして、読んだ感想や気が付いたことを、執筆した教員に伝えてほしいと思います。(佐藤泰弘)

東谷ゼミ巡検@京都

東谷ゼミは2021年3月29日、京都に遠足に行きました。訪れた北野天満宮・平野神社・嵐山はどこも桜が満開で、とてもいい季節に行くことができました。特に平野神社の桜は美しく、風が吹くたびに桜吹雪が舞ってとても綺麗でした。また、京都の有名どころだけではなく、住宅街の中に残る聚楽第跡地など知る人ぞ知る場所に訪れてとても面白かったです。先生の案内がないと絶対に行かない場所ばかりだったので、ちょっとした探検気分を味わうことができました。私自身も自粛で京都に長い間行けなかったので、とても楽しかったです。(2回生・徳留亜美)

2020年度卒業論文・垂水颯輝(髙田ゼミ):神聖ローマ帝国における帝国郵便の成立と発展 ―皇帝の役割を中心に―

16世紀以降のハプスブルク家の台頭は当時の社会システムにも大きな変革をもたらしました。それまでの輸送システムは徒歩や騎馬による飛脚制度が主流でした。しかし、1490年にハプスブルク家のマクシミリアン1世がヴェネツィアで飛脚問屋を営んでいたタクシス家と郵便契約を結び、それまでの飛脚制度ではない郵便制度という新しい社会システムが誕生しました。この郵便制度は通信・運輸の基幹になるとともに、「コミュニケーション革命」の原動機として、新聞・雑誌・旅行・金融等の発展を支えました。今回の卒業論文では、その郵便制度の成立と発展の過程、それらに関する皇帝の役割を中心に論じています。


ベルンハルト・シュトリーゲル「皇帝マクシミリアン1世の家族」(1515)
https://ja.wikipedia.org/wiki/マクシミリアン1世_(神聖ローマ皇帝) より引用 

2020年度卒論発表会

2021年3月9日(火)に、5‐23教室において卒論発表会が開催されました。今年は感染症対策のため、オンラインと対面の併用で行われましたが、学生と教員合わせて30名が参加しました。垂水颯輝さん、福田綾香さん、藤原敬弘さんの3名が卒業論文の内容について報告しました。傑出したそれぞれの発表に対し、オンラインでの参加者からも質問が出て、活発な議論が行われました。報告会の後には卒業論文にいかに向き合うかについて話し合う懇談会が行われ、教員と学年が入り混じって盛り上がりました。人と人の集まりが制限されるコロナ禍だからこそ、「チーム戦」としての卒論を取り組む大切さを認識することができました。(3回生・大下隼平、三谷晃弘)

2020年度の講義を振り返って

2020年度、甲南大学では新型コロナウイルスの影響により、特に前期はオンラインでの授業が中心となりました。初めての授業形態であり、最初は、通信環境のトラブルやネット上での質問など、戸惑うことも多かったです。また、いつもなら学科で行っているフィールドワークやグループワークといった、実習的な学びも困難となりました。今年度の授業を通して、今まで当たり前に出来ていた実際に肌で感じる学びの有難さを痛感しました。オンライン化が進んでいく世の中において、歴史や文化を学ぶためには自ら動いて調べることは不可欠です。一刻も早く事態が終息し、みんなが共に活動しながら学べる日が来ることを願っています。(3回生・岩本佳歩)

アジア史史料研究Ⅲ・Ⅳ(担当:中町先生)の紹介

私は、中町先生が担当するアジア史史料研究Ⅲ・Ⅳの1年間の講義を通してペルシア語を学びました。前期では文字や基礎的な文法をオンライン講義で学び、後期からは再開された対面講義において、辞書を用いて資料を読解するという実践的な講義が行われました。ペルシア語は今まで学んできた言語とは大きく異なり、文字の形や音の響きは非常に興味深く、資料における詩的かつ独特な言い回しはとても面白いものでした。また、ペルシア語で簡単な自己紹介が出来るようになったり、他のアジア史の講義で登場するアラビア語の単語がなんとなく読めるようになったりと、講義外でも学習の成果が見られたのが、とても嬉しかったです 。(2回生・徳留亜美)

講義のノート