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2020/09/23
新型コロナウイルス

自宅で太陽電波測定!(理工学部物理学科)

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理工学部物理学科より、コロナ禍において前期中に実施した、自宅にて太陽電波を測定する実験のレポートが届きましたのでご紹介します。

 

〇仮想実験

物理学科の実験科目は1年生の基礎的な実験、2年生の物理実験、3年生の専門分に近い実験、卒業研究 があり、さらにコンピュータを使ったプログラミング実習もあります。これらの実験・実習をオンラインと対面両方に対応できるように短時間で組みなおしました。実験は安全管理が重要で、最初はガイダンスを行っています。実験の基礎、安全管理、レポートの書き方、報告・発表の仕方などを各学年で行っています。その後、例えば2年生の実験では“仮想実験”を行いました(下図)。簡単な電子回路や装置を仮定し、課題を与えて予想されるデータを作り、グラフの作成、解析などをしたうえでレポートにまとめます。それをオンラインで報告してもらっています。この段階で学生も教員もオンラインを使った実験・実習の対応がだいたいできるようになりました。

〇自宅実験

 自宅で行う実験を急いで設計・制作しました。必要な実験装置を宅配便で自宅に送り、オンラインで説明しながら実験を行い、その後大学に宅配便で返送するという手順になります。

 

*           落下する物体をスマートフォンで動画撮影し重力加速度を測定

*           蛍光灯やLEDの光を分光しそのスペクトルを測定

*           電子回路を制作し抵抗器の特性を測定

*           衛星放送受信機を使った太陽からの電波観測

 

など、オンラインで不自由なところはありますが、自宅で開封から組み立て・測定、解析、報告、梱包まで経験することは学習効果も大きいです。

 

写真は衛星放送受信機を使った太陽電波の測定風景です。太陽は電波から紫外線まで広い波長範囲で放射しています。これをパラボラアンテナで受信し、信号を処理することにより、天文観測の基礎だけでなく衛星通信技術についても理解することができます。

〇コンピュータプログラミング実習

またコンピュータを使ったプログラミング実習では、学生が持っているコンピュータに仮想OSをインストールし、共通の状態を構築してからオンラインでプログラミングの実習を行いました。MacやLinuxなど様々なコンピュータ環境がある中での実習で準備期間も十分になく困難な面もありましたが、学生にとっても教員にとっても学ぶことが多かったです。

(理工学部物理学科)

 

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