2021年度卒業論文・三宅正晃(出口ゼミ):街道を歩く人々―旅人にとっての東海道とは何か―

私は高校時代から歩くことが好きだったのですが、大学3年になりより長い距離を歩くことが好きになりました。その中で全長496キロの東海道を14日かけて歩いたのですが、道中では私のように東海道を歩いている旅人を何人か見かけ、「この人たちは何故東海道を歩いているのだろう?」という疑問が生まれ、そこから始まったのが私の研究です。研究方法は、①中世~近代の旅人が東海道を歩いた際に記した紀行文を読む、②フィールドワークとして実際に東海道を歩き、自ら体験すること、③そこで出会った旅人にお話を伺うことです。これにより「現代の旅人はなぜ東海道を歩くのか」、「現代の旅人にとっての東海道とは」を明らかにしたいと考えました。紀行文からはかつての東海道は伊勢参宮などの信仰が重要であったことがわかりました。フィールドワークからは現代の旅人は信仰的な要素はなく、健康面で歩かれている方が多くいました。また、東海道は他の街道と比べても平坦・往来するための交通機関の充実など、良い意味で「丁度良い」街道であったということがわかりました。本研究では11人の東海道を歩く旅人にインタビューをしました。5分以内で終わる短いインタビューでしたが、非常に有意義な時間を過ごすことができ、人との出会いの大切さを学ぶことができました。一期一会という言葉がありますが、街道歩きはまさしくこの言葉そのものだと思います。私はこれからも街道歩きという趣味を続けていくので、旅を通じて多くの人に出会うと思います。また日常生活においても、多くの人に出会うでしょう。そのような人との出会いを大事にするということを学ぶことができました。

撮影日:2021年10月7日
東海道歩きは京都の三条大橋か東京の日本橋から始まります。写真は三条大橋ですが、旅の始まりには『東海道中膝栗毛』の主人公である弥次さんと喜多さんが出迎えてくれます。