甲南大学1号館前の「常ニ備ヘヨ」の碑

学園は過去2つの大きな災害に見舞われた。1938年7月5日の阪神大水害と1995年1月17日の阪神淡路大震災である。本碑は震災2年後、天の災いを試練と受け止め、輝く未来を開くようにと建立された。同じものが甲南中高の敷地にもある。「常ニ備ヘヨ」は阪神大水害に見舞われた甲南小学校の校舎再建・水害復興記念に、学園の創設者平生釟三郎が贈った石碑の言葉である。建立されてから70年あまり、今も小学校校庭で子供たちを見守り続けている。3つの場所をつなぐ「常ニ備ヘヨ」は未来に引き継がれる危機管理の近代精神、平生精神なのである。(文・写真:出口晶子)

 

常ニ備ヘヨ 石碑