甲南人の軌跡Ⅱ/谷口 遥香/ご縁が導いてくれた自分の可能性 | 卒業生の活躍紹介サイト | 甲南大学

ご縁が導いてくれた自分の可能性

谷口 遥香

Taniguchi Haruka

KATATi SiRUSi lab 勤務

2015年 マネジメント創造学部卒

趣味・特技

加圧トレーニング

好きな⾔葉

継続は力なり

学⽣時代のクラブ・サークル

留学先(Buffalo, NY)で Singapore student associationに所属

葛藤と決断、そして自分探しの旅

 学生時代を振り返ると、やりたいことを両親に目いっぱいさせてもらい、そして自分探しのためにひたすらアルバイトをしていた4年間だったと思います。

 小学生の頃に祖父母に海外へ連れていってもらったことがきっかけで、知らない世界を知ることへの好奇心をとても強く持つようになりました。そんな私にとって、甲南大学マネジメント創造学部(愛称:CUBE)に入学後に海外の大学で勉強をすることは、大きな憧れであると同時に、必ず叶えたいと思えるほどの大きな目標でした。ですが、海外留学の条件として設定されていたTOEFL56点以上の点がどうしても取れず、点数がぎりぎり足りないという状況が続いていました。そこで、当時19歳の私にとっては初めての大きな決断をしました。それは、1年生の春から入部したばかりのクラブを退部するということでした。

 中学校からの6年間、なぎなた部に所属していた私は、最後の1年間を部長として活動していた経験から、仲間と一緒に何かを成し遂げる達成感がたまらなく大好きでした。同じ経験を大学に入っても味わいたいと考え、体育会のクラブに入部し、週4~5日部活動に励んでいたのですが、睡眠を削らないとTOEFLと学校の勉強、アルバイトができない状況に陥ってしまいました。このままだとどれも中途半端に終わってしまう。そんな危機感からそのような決断に至りました。とはいえ、「最後までやりきる!」と決めて入ったクラブです。僅か6か月で辞めるということは、達成感を味わえないどころか、自分の可能性を縮めることだとも思っていたので、その選択をすることはなかなか容易ではありませんでした。

 私はCUBEに入って、何がしたいのかを数週間、真剣に考えました。そして、苦渋の決断で退部することを決意しました。その後、私は、かねてよりの目標達成に向けて必死で取り組みました。無事にTOEFLの条件もクリアすることができ、念願の留学に行くことができました。

 当時のこの決断が正しかったかどうか。これはもちろんわかりませんが、現状を理解し、受け入れ、策を考え、責任を持って行動するというプロセスの礎はここから始まっていると思うので、今となっては大事な思い出だと考えます。

ご縁が導いてくれた自分の新たな道

 新卒で入社した広告代理店では、三宮・ハーバーランドエリア内の採用に困っているお客様に対して、求人広告の媒体を通じ採用支援をさせていただくお仕事に従事いたしました。入社4年目の春に退社することになるのですが、常に恵まれた環境で働けたことに対して会社や上司・同僚に心から感謝をしています。当時の私にとって恵まれた環境とは「こんな社会人に私もなりたい!」という方が常に近くにいたことです。トップクラスの成績を継続的に残し、周りに愛され、どんな状況下でも常にプラスのオーラを発し続ける女性を目指して奮闘の日々でした。

 3年目の秋、気づけば後輩からそのような対象として見られているのかな?と少しずつ感じるようになり、自分の次のステップを考え始めました。同部署の上司や他部署の先輩、社外の先輩にお話をうかがう中、新卒1年目の頃からお世話になっているあるお取引先の社長にも相談をさせてもらいました。(この方が後の人生の恩師の一人となります)

 その社長は会うたびに「谷口さんは将来どうしたいのですか」「仕事をして何がしたいのですか」「結婚をしてどうしたいのですか」と私に本質を考えるきっかけを与えてくださいました。そこで行き着いた私のありたい姿は「願わくば、60歳までは社会と家族(2人の子供(予定)と夫)に必要とされる存在でありたい」ということでした。

 また、仕事は「雇う側がいて、雇われる側がいる」「0からサービスを作る人と、でき上がったものを大きくしていく人がいる」というお話を聞いたとき、「知らない世界を知りたい!」という好奇心をくすぐられました。

 一方、広告業界大手に所属していたこともあり、大きなものに守られていた世界から何ものでもない自分ひとりで戦っていく世界へ足を踏み入れることはとても勇気のいることでした。半年間悩みに悩んだ末、「今は守るものがないので、リスクのある選択は今しかできない」「社長と自分を信じて0から仕事をしてみよう!」と4年目の春退社の決心をしました。(具体的に何をどうしていくかは当時未定でした)

 今の仕事を初めて2年と5か月経った今、「MACHERIE」「KATATiSiRUSi」というブライダルジュエリー2ブランドを全国・海外33店舗に卸しており、2020年年末に「KATATiSiRUSi」のコンセプトショップを西宮の苦楽園にオープンいたしました。まだまだ道半ばですが、リングを渡したいけど高くて買えない、欲しいけど高くておねだりできない、そんなおふたりのお役に少しでも立てるように、これからも日々向き合ってまいります。

「新しいもの」にぜひたくさん触れてください

 まだまだ道半ばの私が申し上げられることは本当に少ないですが、ひとつ申し上げるのであれば、学生の間に1つでも多くの「新しいもの」にたくさんの時間を割いてください、ということでしょうか。とてもざっくりした表現ですが、「新しいもの」は何でも良いと思います。したことのない勉強、見たことのない国、想像もつかないアルバイト、などなど自分の知らない世界を知ることが新たな自分を発見できる方法だからです。

 私は大学時代、将来のことを考えるときにこれらのことを実践しました。

 留学から帰国した後、自分の将来について考える時間が多くなりましたが、世の中にはどんな仕事があって、どんな働き方があるのか、当時の私は何も知りませんでした。「お仕事をすることでどんな自分でありたいか」の答えを探すべく、できる限り多くの種類のアルバイト(カフェ、アパレル、レジ打ち、タブレット(携帯機器)営業、倉庫での仕分け業務、家庭教師など)を行うようになります。この経験を通して、「どんなお仕事でも楽しめる自分がいる」ということに気づくことができました。暇というものが苦手だった私は100円ショップのアルバイトでのレジをしていた頃にはどうやったらお客様が私のレジのところへ来てくれるか考え、めちゃくちゃ笑顔で手を振って「こちらへどうぞ~」と実験してみたりしていました。どんな場所でも、どんな仕事内容でも楽しめるのであれば、アルバイトでは経験できないお仕事、そして暇を持て余さないお仕事に就きたいと考え、最初の就職先を見つけることとなりました。

 「〇〇になりたい」といった将来の夢はとても素敵なことだと思いますが、「なりたい」という言葉は知っていることだから「なりたい」といえるわけですね。「星を見たい」という子供が星を知らなかったら「星を見たい」と言えないのと同じことです。

 そして、知らない人を知るという意味では甲南のご卒業生で立派に成功されている方もたくさんいらっしゃるので、ぜひ直接お話を聞いてみてください。「将来こんな女性になりたいな~」という方がもしかすると現れるかもしれないですよ。

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