学長メッセージ
時代感覚を研ぎ澄まし、個性輝く人物を育てる。
甲南大学長 中井 伊都子
100年を超えて進化する甲南大学。
実業界、社会奉仕事業、政治など多岐にわたる分野で活躍した平生釟三郎が旧制甲南中学校を創設したのは1919年。「人格の修養と健康の増進を重んじ、個性を尊重して各人の天賦の特性を啓発する人物教育の率先」という創立者の教育理念は、経済界における数多くのリーダーをはじめ、10万人をこえる個性あふれる有為な人物を世に送り出してきました。そしていま、次なる100年に向けた“甲南新世紀ビジョン”として、「人物教育のクオリティ・リーダー」を目標に掲げ、新たな伝統を創造するための革新を始めています。その中心となるのが、「ミディアムサイズの総合大学」としての特長を生かした数々の挑戦です。
融合から生み出される質の高い教育。
現在の大学教育においては、幅広い教養や高度な専門性を身につけることに加えて、これらの知識や技能を社会で実践し、活用する能力の修得が求められています。このような社会の要請に対応するため、甲南大学では、教員と学生、学生同士が身近に触れあい融合できるキャンパスサイズを生かし、授業規模を最適化した「少人数教育」を推進。学生一人ひとりの個性をしっかりと把握し評価する学修ポートフォリオやKONAN サーティフィケイト制度など、独自の取り組みも実践しています。また、2020年度から全学教育推進機構を立ち上げ、入学した学部・学科に関係なく、大学の学びへのスムーズな導入をはかり、社会人として必要とされる幅広い知識・教養、さらには実践的な能力を身につけることができる「共通教育」のいっそうの充実を図りました。グローバル時代に対応した国際力、専門能力、行動力を磨く「融合型グローバル教育」にも力を注いでいます。これらは、「ミディアムサイズの総合大学」だから実現できることであり、「人物教育」の基盤となる部分だと考えています。
チャレンジングなプロジェクトでキャンパスを活性化。
こうした甲南大学の革新は、各学部やさまざまな部門のレベルでも進んでいます。その原動力となっているのが「KONAN プレミア・プロジェクト」。先進的なロボットの開発から、地域産業に密着したスイーツ研究、さらにはグローバル教育、スポーツやボランティア、キャリア支援など、9つのテーマのもとで60以上のプロジェクトを推進しています。これらが、各学部の特色をよりいっそう際立たせ、学生の成長を促すさまざまな機会や環境を提供し、キャンパスは活気に満ちあふれています。
キャンパス・ライフのあらゆる側面から支える充実した組織体制。
甲南大学では、学生一人ひとりのニーズに応じたきめ細かなサポート体制が充実しています。学修面を支える指導主任制度やラーニングアシスタント制度、留学や就職などの将来に向けた計画作りから実現までをサポートする各種センター組織、学生生活や課外活動を重層的にサポートする組織体制。様々なサポート拠点が、「ミディアムサイズの総合大学」だからこそ実現できる“顔のわかる”支援を展開しています。
新しい自分に出会いたい。そんな人のための大学。
「凡て人は皆天才である」。これは創立者平生釟三郎が述べた言葉です。ここには、「教育は人それぞれが持つ才能を引き出すためにある」という思いが込められています。大学進学をめざす受験生の皆さんのなかには、自分の才能がどこにあるのか、あるいは将来の目標をどうたてればいいのかがわからない人も多くいるのではないでしょうか。その悩みこそが、皆さんの可能性、つまり“伸びしろ”なのだと思います。甲南大学はその“伸びしろ”を存分に伸ばすことのできる大学でありたいと考えています。一人ひとりの才能が開花する無限の可能性がある。そう言えるだけの環境が、このキャンパスにはあります。