第3回「歴史総合」・「地理総合」研究会開催

昨年度に引き続き、第3回目の研究会が、2023年9月24日(日)14時から開催され、オンライン参加も含めて約20名が参加しました。今回は、東谷ゼミの卒業生である吉宗和真さん(神奈川県立横浜修悠館高校教諭)においでいただき、「歴史総合・地理総合の授業実践とICTの活用」と題するご報告をいただきました。報告では、通信制の高校での先生方がどのような考え方で歴史総合を教えておられるか、独自教材作製やルーブリックの活用を中心に説明されました。特に、今回詳しく触れられたのが、ICTの積極的活用例でした。「タブレット一人一台」の時代を迎え、パワーポイント・グーグルスライドをはじめ、classroom, フォーム、スプレッドシート、jamboardなどをどのように活用しながら授業を進めているか、具体例がわかりやすく示されました。その後の討論では、史料を読み取る際にどのような難しさがあるのか、歴史的思考力を育成するうえでの教師の導き方法はいかにあるべきかなどについて議論され、理解を深めました。歴史総合導入3年目を迎え、各校で創造的な取り組みがなされるとともに、課題も次第に明らかになっています。次回は、地理総合を題材とした研究会を年度内に開催する予定です。(文責:髙田 実)

第3回甲南大学西洋史研究会開催

甲南大学のなかで西洋史を深く学びたい人たちが集う研究会を昨年から開催しています。教員だけでなく、学生も一緒になって、本学の西洋史研究を発展させようという意図です。3月24日(金)には第3回目の研究会が開催されました。吉本淳哉氏(2年生)が、「近代スペインと「自由主義」―カディス憲法を中心として―」と題する報告をし、林孝洋氏(本学非常勤講師、イタリア近代史)からヨーロッパ近代史における自由主義と憲法の理解に関するコメントをいただきました。また、阿久根晋氏(本学非常勤講師、ポルトガル近世史)にも討論に加わっていただきました。学生たちも鋭い質問を投げかけ、積極的に討論に参加し、充実した会となりました。今後とも、不定期ではありますが、研究会を継続していくつもりです(教員・髙田 実)。

第2回「歴史総合」「地理総合」研究会開催

今年度から高校教育社会科に導入された新科目をどう教えるかを考える第2回目の研究会を、2月25日(土)に対面とZOOM併用形式で開催しました。参加は、学生、中学・高校・大学の教員約20名です。今回は「歴史総合」がテーマです。10年前に本学科を卒業された酒井優希(兵庫県立兵庫高等学校教諭)さんに、「歴史総合初年度の取り組みと課題」と題するご報告を頂いた後、1時間程議論を交わしました。生徒の授業アンケート結果の分析も交えて、この1年間の高校教育現場での成果と課題が具体的な形で明らかになりました。「歴史的思考力」や「主体的に学ぶ」とはどういうことか、成績をどう評価するか、さらに歴史教育の中高連携についても議論され、実り豊かな会となりました。来年度も引き続き、この研究会を続けていきます。(教員・髙田 実)

第1回「歴史総合」「地理総合」研究会開催

2023年1月17日(火)17時00分~19時30分、今年度から高校社会科に導入された新科目、「歴史総合」・「地理総合」の現状と課題を考える研究会が開催されました。第1回目は、本学大学院応用社会専攻歴史文化コースで教員専修免許を取得し、現在大商学園高等学校で教えておられる吉田有宇哉先生に、「地理総合導入に向けて―私の実践と課題―」と題するご報告をいただき、その後1時間程度議論を行いました。対面とリモートでの参加を併用しましたが、高校教員、学生、大学教員の約30名の参加を得て、活発な議論がなされました。歴史文化学科としては、今後もこの研究会を継続し、高校現場との交流の中で新しい歴史・地理教育の構築に貢献したいと考えております。2023年2月25日には「歴史総合」を考える第2回目の研究会を開催する予定です。ご関心のある方は、教職教育センター(kyooshoku@adm.konan-u.ac.jp)までご連絡ください。ご案内を差し上げます(教員・高田実)

お伊勢参りへ行こう in 鴻池新田会所

甲南大学は東大阪市からの委託を受け、市域の古文書の調査・研究を行い、その成果を市民に還元する事業を行っています。その一環として「小学校高学年の生徒に江戸時代のお伊勢参りを体験してもらう」というワークショップを鴻池新田会所で2022年11月20日に実施しました。旅に出るために必要な資金を稼ぐことから体験は始まり、菅笠などの旅装束を購入すると共に、江戸時代の旅に必須だった「往来手形」を村の庄屋さんに発行してもらい、旅に出発しました。旅先では、名所見学、茶屋での休憩、お土産の購入などの楽しみを経験をしました。参加者は、稼いだ資金の範囲で工夫して使っており、その様子に感心しました。当日は、江戸時代のガイドブックや伊勢暦などの史料の展示もあり、保護者と共に解説を聞く様子も見られました。この体験をきっかけに歴史的なことに幅広く興味を持ってくれたら嬉しいです。(修士1回生・松田早紀子)

甲南大学図書館貴重書室の整理について

私は、2021年9月14日に図書館の貴重書室の整理を手伝いました。図書館が博物館学芸員課程の履修生を募集し、貴重な機会と感じて参加しました。2階の九鬼周造文庫室と4階書庫を往復し本を移動しました。文庫室は博物館のように温湿度や害虫管理が施された部屋でした。博物館実習と同様、本に触る前は手を洗い、手の脂や汚れをつけないよう司書の方から指示されました。文庫室と書庫には厚い本が多いため、運ぶのが大変でした。また、古い本を開く際には、表紙と内部のページが外れないように慎重に行うことも、実習と共通していました。最も印象に残ったのは、シェイクスピアのセカンド・フォリオ(1632年)を見たことです。非常に貴重なもので、取り扱いにとても神経を使いました。今回、司書の仕事は学芸員と共通している点も多いと気づくことができ、有意義な時間となりました。(4回生・船岡有梨沙)

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文学部独立60周年記念シンポジウム

2017年12月9日と10日に行われたシンポジウム、テーマは「文化財の修復・保全」について! 講師には東京とイタリアから、実際に文化財修復に携わるプロの方々を迎え、一緒に文化財の今とこれからを考えました。フィレンツェを襲った未曾有の大洪水、文化財を守った「泥の天使たち」の活躍に、文化財への愛と情熱を感じました。公美ゼミから4組のゼミ生が、それぞれ調べた「文化財の保全」を発表し、先生方と意見を交えました。文化財の明日について考える良い経験になりました!(3回生・立川亮太)

歴史文化研究センターの設置と歴らぼ古文書班

甲南大学は、2017年5月1日に東大阪市と受託契約を結び、東大阪市域の古文書について整理・調査を行い、その結果を市民への普及を行うこととなりました。このプロジェクトを進めるため、5月1日付で「歴史文化研究センター」を東谷研究室内に設置しました。学外の研究者の参加も得て、調査成果を報告書としてまとめることを予定しています。市民への普及活動の一つとして、古文書の内容を解説したパネルを作成いたしました。作成の中心となるのは、文学部歴史文化学科の学生活動である「歴らぼ」古文書班の学生たちです。前期には、古文書を一文字一文字読み解き、内容を理解する作業を進めました。夏休みには、関係各所のフィールドワークを行うとともに、パネル原稿の作成に取りかかりました。パネルは、東大阪市市制施行50周年の企画として行われた「プレパネル展」でお披露目しました(2017年9月20日(水)~27日(水)、於東大阪市総合庁舎)。学生の成果を多くの人に見てもらいました。(東谷 智)

歴史文化学科創設15周年記念のつどい

2015年12月23日、歴史文化学科創立15周年記念のつどいが開催されました。退職された教員のうち、村岡健次先生、後瀉雅生先生、宮城公子先生、川合清隆先生、堀直先生、横山良先生、ロサリア・アビラ・タピエス先生をお迎えすることができました。また、多くの卒業生や在校生も参加しました。ひとときの時間でしたが、かつて学んだ時のことを懐かしく思い返す機会になったと思います。盛況でとても良い会となり、みなさまに感謝しています。(鳴海邦匡)

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