アンビエントセンサとウェアラブル端末を用いた知的センサネットワークシステムの構築 | KONAN Action for SDGs|甲南大学|甲南大学
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知能情報学部 知能情報学科 教授 梅谷智弘

アンビエントセンサとウェアラブル端末を用いた知的センサネットワークシステムの構築

   

 「一億総活躍社会」を実現するために、後遺症を伴う病気の病後期やシフト勤務者など、ハイリスクな健康状況にある勤労者や生活者に対する健康状態の維持、管理手法の開発が望まれています。たとえば、病気や体調不良など人の状態の異変を検出し、状態の悪化を予防するためには、継続的かつ積極的に心身状態をモニタリング、さらにモニタリングした情報をもとに介入する手法が考えられます。この問題に対して、情報通信技術やロボット、システムインテグレーション技術により、人に対してサービスを提供する知的な空間を構築する空間知能化技術を用いた人への作業支援技術を展開し、生活空間での継続的な健康増進支援手法について研究開発を行っています。

   

 具体的には、身に着けたり、身にまとったりして人の状態を測るウェアラブル端末、生活する場所を測るアンビエントセンサを用いて知的ネットワークシステムを構築し、運用するための方法論に関する研究開発を行っています。研究開発の1つの例として、安全かつ快適な就寝環境を実現するために、プライバシーに配慮した就寝環境の見守り技術を紹介します。小型センサなどIoTデバイスによって掛け寝具の複数点の温度、湿度、加速度などを常に計測して、めくれ上がりや離床など就寝状態での変化を検出する技術です。実験室レベルでは、様々な就寝状態の変化を検出できることを確認しています。

   

 今後の展開として、コミュニケーションロボットを用いた振り返り、知的センサネットワークを利用した生活空間の空調など環境の制御技術の開発が考えられます。また、測る対象を広げ、心身の健康状態を測り、ロボットを用いて利用者にフィードバックすることで健康状態の維持、管理手法の開発が考えられます。

研究者紹介

梅谷智弘

知能情報学部 知能情報学科 教授

梅谷智弘