理工部 生物学科 教授 久原篤
地球温暖化と寒冷化に耐えうる畜産の開発に向けた遺伝子に関する研究

地球温暖化・局所寒冷化は避けられない社会問題である。当研究室では、動物と植物という種間を超えた温度耐性を解析し、動植物間に保存された温度耐性のメカニズムを解き明かすことで、将来、地球温暖化による砂漠化や局所的寒冷化が原因となる農作物や家畜の消滅の絶滅の危機を改善するための、高温や低温に強い農作物や家畜の開発に役立つと考えられる。
地球における温暖化や砂漠化や局所寒冷化は、植物や動物を含むすべての生物の生存と繁栄や適応において多大な影響をもたらすため、動植物の温度耐性の研究の進展は温暖化・砂漠化・局所寒冷化に耐えられる農作物や家畜の開発に必須である。従来より、植物や昆虫内において温度変化が細胞内の膜組織構成や不凍糖蓄積などを引き起こし植物や昆虫の低温や高温の耐性に関与することが知られていた。一方で、遺伝子と分子レベルでの解析が進むにつれ、植物と動物の温度耐性の解析はそれぞれの異なるシステムで解析されるようになり、植物と動物に一貫して共通した分子経路の解析はあまり進んでいなかった。 そこで、これらに関わる候補分子群を同定し、動植物間に保存された温度耐性のメカニズムを解き明かす。 この研究によって得られる成果は、未来において砂漠化や局所的な寒冷化による農作物の絶滅や動物の絶滅を軽減するための、高温や低温に対応できる新しい農作物や家畜の育種に役立つと考えられる。
