着雪防止と落雪促進を実現できる表面 | KONAN Action for SDGs|甲南大学|甲南大学
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理工学部 機能分子化学科 教授 渡邉順司

着雪防止と落雪促進を実現できる表面

 積雪寒冷地における信号機や道路情報表示機器への着氷雪を防止できれば、道路交通の安全性が飛躍的に高くなる。

   

 屋外に設置されている交通インフラ、特に表示機器類への着雪防止は、降雪地域において重要な課題となっている。雪との相互作用が弱い疎水性塗料を塗ることで着雪を抑制しているが、日中の気温上昇に伴って融けた雪の水分が雪に浸透し、夜間に凍って張りつくため、落雪せず固まってしまう課題がある。

   

 雪が融けて生じる水分に触れると瞬時に親水化表面に変化することができれば、融雪水分による水膜が生じ、着雪した雪の自重で落雪でき、視認性と安全性を高めることができる。

   

 自動車のヘッドランプにおいても発熱量の高いランプから発熱しないLED化への転換が進んでおり、従来は発熱により雪が融かされたため着雪が起こらなかったが、LED化による着雪の影響が大きくなり、充分な照度を確保することが困難になってきている。

  

 また、近年乗用車への搭載が進んでいる衝突防止機能や自動運転車の開発などの新たな技術革新において、車外の道路状況を認識するセンサー部への着雪の回避も求められるようになってきている。このように本研究開発で得られる基盤技術は、積雪寒冷地での着雪防止にとどまらず、Society 5.0時代の交通施策を主として、多様な用途への適用拡大が期待できるポテンシャルを有している。

研究者紹介

渡邉順司

理工学部 機能分子化学科 教授

渡邉順司