近代資料班:広島・呉巡検③江田島

2日目の2023年7月17日に江田島を訪問し、海上自衛隊第1術科学校を見学しました。江田島は瀬戸内海の広島湾に浮かぶ島で、1888年に築地から海軍兵学校が移転して以来「東洋のアナポリス」として発展を遂げた場所です。第1術科学校は、海軍兵学校の後継施設であることから当時の面影を色濃く残しており、近代史を学ぶうえで重要な場所となっています。見学の際、幹部候補生学校官舎の玄関床に巡洋戦艦「金剛」甲板のチーク材が使用されていることや、兵学校時代に式典場として用いられた大講堂が、現在も幹部候補生や第1術科学校の学生たちの入校・卒業式に使われていることなどが紹介され、驚きの連続でした。加えて、教育参考館では特攻隊員の遺書や戦艦「大和」より奉納された絵画などの貴重な資料を目にし、価値ある時間を過ごすことができました。(1回生・堀田心温)

旧海軍兵学校生徒館
教育参考館

近代資料班:広島・呉巡検②呉

初日の2023年7月16日、私達は呉市を訪問しました。まずは海上自衛隊・呉地方警務隊本部内にある旧日本海軍の呉鎮守府跡地を見学しました。本部内に位置する1907年に建てられたレンガ造りの庁舎はとても立派でした。その他にも明治・大正・昭和と年代ごとの建物があり、それぞれ時代の特徴がよく現れていたことから、見比べると違いをすぐに判別できました。海側には開庁以来現存している広い階段があり、そこを歴代長官が利用していたと考えると感慨深いものがありました。その後は呉巡検海事歴史科学館、通称大和ミュージアムを訪れました。旧日本海軍に関する貴重な紙・実物史料が数多く展示されており、時間が経つのを忘れてしまうほど見学に没頭しました。当日は航空母艦に関する特別展示も開催されており、非常に有意義な見学となりました。(1回生・加島昌昇)

呉鎮守府庁舎
丘陵より呉市内を望む

近代資料班:広島・呉巡検①概要

2023年7月16・17日の2日間、近代資料班は初の学外活動として広島県の巡検を行いました。重要な歴史的背景を持つ同地を訪れることで、近代史に対する理解を深めようと考えたためです。そこで1日目は呉を訪問し、旧日本海軍に関する史跡・資料館および現役の施設などを巡りました。2日目は早朝から江田島にまで足を運び、旧海軍兵学校を見学しました。午後には船で広島に向かい、平和記念公園および平和記念資料館を訪れました。今回の巡検を通し、近代史を学ぶうえで基礎となる知識を得られたほか、歴史を多角的かつ実証的に見ることの重要性、平和のありがたみを再認識させられました。なお、巡検の詳細については以降の記事をご覧ください。(3回生・大槻耕央)

呉市内の散策
原爆ドーム

アジア史史料研究Ⅲ(担当:中町先生)のゲスト紹介

2023年7月7日、アジア史史料研究Ⅲの講義にシリア出身のナーイフ兼寛さんがお越し下さり、貴重な話を聞かせて頂きました。前半ではナーイフさんの母国であるシリアについてや日常で役に立つアラビア語について、後半ではナーイフさんが日本に来日してからの経験をお聞きしました。ナーイフさんの実際の経験からくる在日外国人が行う詐欺についての話は非常に説得力があり個人的に興味深い内容でした。日本語が上手で話のテンポもよく、かつクイズや音読等を交えて説明して下さり、とても良い経験となりました。(2回生・大隅楓)

歴かふぇ15・大江篤先生

2023年7月3日(月)、編集部では、第15回・歴かふぇを開催しました。今回の講師は、民俗文化研究Ⅰ(前期火曜1限)を担当して頂いている大江篤先生 (園田学園女子大学・教授) です。 東アジア恠異学会の代表 も務める大江先生は、「怪異学とは何か」というテーマでお話し頂きました。怪異を学問として捉え、それを通して当時の人々の考えや価値観を知るという体験は非常に新鮮でした。学生からも多くの質問が飛び交い、有意義な時間を過ごすことができました。(3回・高岸敬太 / ポスター制作:2回生・高尾小雪)

中辻ゼミ巡見:北庄棚田での田植え

中辻ゼミでは、2023年5月28日に岡山県久米郡久米南町北庄の棚田でフィールドワークを行いました。引率は今年度代理担当の神田先生です。田植え体験をメインイベントとし、その他炊き出しの協力や北庄棚田についての説明を受けるなど、ここでしか体験できないことばかりでとても新鮮な1日となりました。田植え体験から、お米を当たり前に食べられる有り難さを心から感じることができ、食育という面でも本当に行ってよかったと思うフィールドワークでした。北庄の棚田では、5月の田植え体験だけでなく、季節ごとにお米と自然に触れ合えるイベントを企画しているので、気になる方は是非参加してみて下さい! (3回生・佐藤葵生)

歴たび班:京都御所と上賀茂神社

 2023年5月28日に歴史の旅企画班の見学会に参加し、京都御所と上賀茂神社に行きました。京都御所では、紫宸殿や豪華な装飾の施された門などを見学し、御所の規模の大きさを感じました。また堺町御門や蛤御門など幕末において重要な舞台となった場所に行きました。幕末に起きた禁門の変という戦争のときの弾痕が残るとする蛤御門から京都御所の中心まで実際に歩き、その距離が意外に近いと感じれたことがとてもおもしろかったです。なかでも建礼門の大きさや装飾は圧巻でした。京都御所にある門のひとつひとつに特徴があり、それらを巡りながら見比べるという作業もとても楽しく、参加して良かったと感じれる場所でした。(一回生・坂本朋磯)

 続いて上賀茂神社では、特別参拝として本殿を参拝しました。上賀茂神社の正式名称は賀茂別雷神社といいますが、その賀茂別雷神社の由来である神話を描く絵が直会殿にあり、見学することが出来ました。神話というだけあって幻想的に描かれ、より一層神社に興味を抱きました。特別参拝では本殿・権殿の正面にも行くことができます。特別な場所である権殿の造りを間近で拝見できたので、満足感に浸りました。しかし特別参拝はそれだけではなく、高倉殿に入ることができ、御神宝や孝明天皇行幸絵馬などの特別な展示物を拝見できました。様々な貴重な展示物があり、驚きや感動でいっぱいでした。今回の参拝では、上賀茂神社の知らないことを多く学べ、より考えを深めることができたのが大きな成果でした。(一回生・加島昌昇)

歴文的部活動の紹介03:人文地理学研究会

甲南大学の文化会にあたる「人文地理学研究会」では、地理情報をもとに地域の観光や成り立ちの調査を行っています。現在は1年生から3年生の部員で構成されており、標高をもとにした地形図の作成や、対象地域の産業から観光など様々な分野について部員それぞれが調べています。毎年の文化祭では地理模型の作成を行うなど、地理や観光について楽しみながら活動しており、地理や観光に興味のある方にはとてもおすすめの部活動です。昨年度は淡路島の模型を作成し、その中で特に南あわじ市の地理観光について調査しました。今年の文化祭でも地理模型を作成予定なので、ぜひ足を運んでみてください。(4回生・前田彩花)

「れきぶらまっぷ」展を開催中

現在、「れきぶらまっぷ」展をギャルリー・パンセ(5号館1階カフェパンセ前)にて開催しています。この展示は、文学部・歴史文化学科の学生有志による歴らぼ探検隊(メンバー13名)が作成した 「れきぶらまっぷ1&2」を紹介するもので、 その作成には2022年甲南大学父母の会・学生GP企画「甲南大生の為の歴史文化的ガイド@岡本界隈:歴らぼ探検隊、地図を作る」の支援を受けました。展示の期間は5月22日(月)のお昼までです。展示では作成した地図の配布も行っています。みなさんも「れきぶらまっぷ」展を見にギャルリー・パンセに来てみてはいかがでしょうか。(4回生・前田彩花)

歴たび企画班:中之島香雪美術館

2023年4月22日(土)、歴史の旅企画班の第一回巡検として、大阪の中之島香雪美術館の「修理のあとにエトセトラ」展へ行きました。初めての試みでしたが、多くの新入生が参加してくれました! 今回の展覧会は「文化財の修理」に焦点をあてた内容で、文化財を後世に守り伝えていくための取り組みを様々な展示品を通して観ることが出来ました。絹本着色の絵画の裏彩色や、一木造の仏像の修理など、その精巧な技術の数々から文化財修復の難しさと熱意を感じ取り、学ぶことの出来るとても興味深い展覧会でした。個人的に印象的だったのは木造薬師如来立像で、どこかエキゾチックな顔立ちや不規則に刻む衣文が魅力的。これほど見事な仏像ながら伝来が一切不明というのも面白いと感じました。(3回生・山田伊吹)