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2021/01/28
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模擬裁判を上演しました!「刑事訴訟法・笹倉ゼミ」(後編)

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法学部の刑事訴訟法ゼミの模擬裁判は、今年度の甲南大学法学部の最後の講義日であった2021年1月20日に本番を迎えました。

 

例年であれば宣伝チラシを作成してSNSなどでも広報を行い、OB・OGをはじめとするたくさんの方に傍聴していただいていました。しかし12月以降の状況を見ると、これまでのような開催方法は不可能であることは明らかでした。

法廷教室の人数制限もあり、来年度にゼミに入る2回生すら傍聴に来てもらうことはできません。相談の結果、本番の模擬裁判を録画して、ゼミの先輩・後輩にはYouTubeで動画を事後的に見てもらうことになりました。

 

今年度の題材は窃盗事件でした。変造した外国の硬貨を用いて自動販売機から釣り銭が盗まれたという事案です(事案は、「事案班」が、長崎地方裁判所佐世保支部の1999年12月22日の判決を参照して作りました)。目撃者の証言、被告人の知人の証言などから被告人が犯人であるといえるのかが問題になったというものです。

 

3時間の審理の結果、無罪判決に終わりました。被告人を犯人であるというには「合理的な疑い」が残るという結論でした。

 

本番は1回だけ、やり直しは許されません。全員が真剣に取り組んだ様子を動画で共有すると、ゼミのOBやOGたちも自分たちの模擬裁判を思い出しながら、感慨深く観てくれたようです。

5年前に卒業したOBから動画を見て寄せられたメッセージの一部をご紹介します。今年はOB・OG会もできませんでしたが、先輩から後輩へ、想いはしっかり引き継がれていきます。

 

「11期生のみなさん、大変お疲れ様でした。このコロナ禍の中、このような模擬裁判を作り上げたことに心から敬意を表します。本当に素晴らしい模擬裁判でした。そして、笹倉ゼミの伝統である模擬裁判を受け継いで頂き、ありがとうございます。私もOBとして、誇りに思います。これから4年生になり、就職活動が控えていますが、みなさんならきっと乗り越えることができると信じています。健闘を祈っています。」

 

コロナ禍の中、大学の生活は一変しました。でも、どのような状況の中でも目標に向かって突き進む姿を見て、私たちの学びはしっかりと前進していたことを、改めて実感しました。

 

 

[法学部教授・笹倉香奈]

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*以下は、ゼミ11期生のゼミ長による、模擬裁判の最後のご挨拶を書き起こしたものです。

 

皆様おいそがしい中、模擬裁判をご覧いただき、ありがとうございました。

このような社会情勢の中、ゼミの活動自体が危ぶまれた一年でもありましたが、まずは無事に終えられたことをうれしく思います。

前期の授業は全てオンライン授業になってしまい、一度もみんなと直接顔を合わせることなく後期の授業がスタートしました。後期は待ち望んでいた対面形式のゼミをできることになり、うれしい気持ちでいっぱいでした。

1月の状況を想像することもできない、先の見えない状態で、摸擬裁判をスタートさせて不安な気持ちもありましたが、「みんなで一生懸命できるところまで頑張ろう」と進んできました。

模擬裁判に対する思いや熱量が高まり、お互いの意見が衝突する場面もありました。時間がないなかで模擬裁判を始めたことによって、ゼミの皆さんに大きな不安やプレッシャーをかけたと思います。しかし、みんなで一つになって模擬裁判を成功させようと思い、班の垣根を越えてアドバイスや意見を言えるようにもなりました。

みんなともこれからは集まることもできなくなり、みんなそれぞれの道に進んでいくと思います。このような未来の見えない状況がいつまで続くか分かりませんが、最後まで一緒にやってきたみんななら、きっと大丈夫だと思ってます。一緒に頑張りましょう。

最後になりました。来年このゼミに入る方が模擬裁判を行うかどうかはまだわかりませんが、皆さんが悔いの残らないゼミの活動ができることを祈っています。きっとこのゼミであれば、有意義なゼミの時間と大切な仲間ができると思います。

以上、笹倉ゼミ11期生の模擬裁判の最後のご挨拶としたいと思います。ありがとうございました。

 

《法学部3回生・白根愛加》

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