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2021/11/27
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【経済学部】ベストレクチャーインタビュー①(「キャリアゼミ(4クラス)」、「情報リテラシーB(2クラス)」)

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 経済学部では、毎年、授業改善アンケートの結果に基づきベストレクチャーを選定しています。授業での教育効果が高まる工夫やノウハウを全教員で共有し、学部全体の教育力を引き上げることを目的が目的です。
 今年度ベストレクチャーを授業した教職員のインタビュー内容をご紹介します。

 

***********ベストレクチャーインタビュー***********

 

◆20名未満のクラス 「キャリアゼミ(4クラス)」

担当者:足立泰美先生、亀坂晃司キャリアセンター職員

 

 

1. 授業の概要を教えてください。

 「キャリアゼミ」では、社会人や4年生へのインタビュー、連携先企業・団体等のオフィス見学ツアー(ジョブ・シャドウイング)を実施しています。今後の進路選択に必要な知識や技能を習得しながら、教職員や卒業生、社会人ゲスト等、多様な人との交流を通じて、受講生に「働く」ことについて自身の考えを深めてもらうことが目的です。

 

2. 授業の特徴的な内容は何ですか?

 社会人インタビューとジョブ・シャドウイングが挙げられます。社会人インタビューでは、受講生が職業適性や将来設計について熟慮することを促すため、卒業生をはじめ、さまざまな業界・業種で活躍する社会人にインタビューを行い、たくさんの働き方や生き方があることを学びます。ジョブ・シャドウイングでは、将来の働き方や生き方について具体的なイメージを持ってもらうことを目的に、企業の仕事現場を訪問し、そこで働く社会人から話を聞きます。

 「仕事」という枠に留まらない社会人の本音に触れることや、働く環境をじっくり観察することを通して、働くことへのイメージが深まり、「自身が考える理想の将来」の解像度を高められると感じています。

 

3.  学生が理解を深めるために工夫していることは何ですか?

 受講生の興味を引くため、「無知の知」と「段階学習」を柱に、働くことへの理解を深めてもらいました。具体的には、まずYouTube動画を視聴してもらい、受講生が当たり前と考える職業観を具現化すると共に、全く違う見解を提示しました。自分が知らない世界があるという事実を認識させ、視野を一気に広げることが目的です。

 次に、動画で得た知見と照らし合わせながら、身近な社会人へのインタビュー、ジョブ・シャドウイングを実施。動画の内容よりも更に多様な職業観に触れることで、仕事への考えを見直し、自身の職業観を醸成してもらいました。オンライン授業を実施するにあたっては、理解を深めてもらうため、時間内に投票機能を用いたアンケートを実施し、結果を共有することで学生同士の意見の違いを実感してもらいました。また、Excelを活用したマトリクス分析を行い、各自の分析結果をチャットで共有することで、異なる意見に対して考える機会を与えました。

 

4. 授業の中で最も重視していることは何ですか?

 各自の職業観の醸成です。まず、書籍「科学的な適職」をテーマにした動画を視聴することで、仕事を選ぶにあたって経済的報酬や自分の好み以外に、業務内容・裁量権、社会・自己貢献、社会的評価、人間関係、自己実現などの多様な選択肢があることを説明しました。当初、仕事選びの指針を失ったように感じた受講生もいましたが、その後のグループワークや各所へのインタビューにより、自分と友人や社会人の考え方・価値観が異なることを知ったり、「自分の既存の価値観が今後の職業を選ぶうえで果たして適切なのか」と自問自答したりするステップを踏みながら、仕事選びの要素について自身の考えを深めました。
 このように、動画視聴を自己理解の契機とし、社会人へのインタビューや受講生同士のグループワークによって職業への理解を深め、ジョブ・シャドウイングを通じて社会への理解へと広げることで、受講生が自分自身の職業観を醸成することを重視しています。

 

5. 授業を通じて身に付けてほしいことは何ですか?

 受講生には、当たり前と考える自分の価値観に疑問をもち、そこから考え巡らす思考力を身につけてほしいです。受講生の多くは当初、漠然とした将来への不安や焦りから授業を受講しますが、動画視聴や身近な人・社会人ゲストへのインタビューを通じて、曖昧であった仕事へのイメージを自分なりに形にすることができ、将来の就職活動に向けて今自分が何をするべきであるかが明確になったように感じました。

 

 


 

◇20名~59名 「情報リテラシーB(2クラス)」

担当者:宇野伸孝先生

 

 

1. 授業の概要を教えてください

 大学生活では、レポートや論文の作成、ゼミでの発表など、Officeソフトを利用する場面が多くなります。「情報リテラシーB」では、主に表計算ソフトExcelの基本操作を習得し、データ処理や分析方法、他のOfficeソフトとの連携などを学んでいきます。大学で培ったこれらのスキルは、卒業後にも必ず活かされるはずです。

 

2. 授業の特徴的な内容は何ですか?

 多くの学生はExcelが不自由なく使えるようになりたいという意欲を持って受講しています。それに応えることが私の役目だと思っているので、基本を疎かにせず、様々な例題や課題を積み重ねていくことで、応用力をつけてもらうことを最終目標としています。
 Excelに限らず、Officeソフトはバージョンアップするたびに、新しい機能が追加されますが、古いバージョンを使っている自宅や企業のPCでファイルを送受信する際には、まったく無意味になることがあります。そのような観点から、学生には従来の手法を組み合わせ、工夫することによって問題解決できた方が、汎用性があって良いと常々話しています。最終課題の提出の際、学生コメント欄に「最初はまったくExcelに自信がなかったが、この授業を通じて自分のやりたい操作ができるようになり嬉しい」という感謝のメッセージを入れてくれることも多く、少しでも役に立てたことを誇りに思います。

 

3. 学生が理解を深めるために工夫していることは何ですか?

 授業期間前半は、基礎固めに十分な時間を充てています。後半は、雑誌や新聞から時事問題に関する記事を選び、そこに掲載されているグラフを再現する課題や、述べられている内容を検証する課題に取り組んでもらいます。はじめのうちは学生間でスキルに差があることが多いですし、教えることで理解が深まることもあるので、わからないことは教え合うことを推奨しています。コロナ禍では実現できませんでしたが、通常時は期末試験の代わりに、各自が選んだテーマに沿ってプレゼンテーションをしてもらいます。基本的には少人数のグループでの共同作業です。この際、私だけの評価ではなく発表グループ以外のクラスメイトにも評価をしてもらい、平均点を加味します。これにより、発表時は独特な緊張感に包まれます。

 コロナ禍以前から、教卓PCと学生のPCを連動させて操作指導や解説を行っていたため、Zoomに移行しても大きな問題はありませんでした。特にリアルタイムの場合は、質問に即座に応えることができました。しかし、受講生全員の進行状況が把握できない状況ではあったため、課題ファイルはオンラインでもわかりやすいよう、操作手順や内容を追加・変更しました。

 

4. 授業で大切にしていることは何ですか?

 この授業で主軸となるExcelは、他のOfficeソフト(WordやPowerPoint)に比べると、日常的に利用する機会が少なく、授業中に与えられた課題を解くだけでは、せっかく身につけたスキルが失われていきます。そこで、宿題を出すことはもちろん、住所録や小遣い帳を作ってみること、電卓代わりでもいいのでとにかく授業以外でExcelを使う習慣をつけるよう指導しています。

 

5. 授業を通じて身に付けてほしいことは何ですか?

 学生には情報を収集・整理し分析する力と、それを適切かつ効果的に表現する力を身につけてほしいと思っています。はじめは「Excelって何?」と苦手意識が先行していた学生も、後半になると難なく作業をこなしている姿を見て感心することが多いです。

 

 

以 上

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