
吉本忠弘教授の論文がドイツスポーツ科学学会発行の『Kompetenzorientierung und Bewegungsexpertise im Turnen』に掲載されました。
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今回掲載された論文は以下のとおりです。
Zur Bedeutung der Kinästhese beim Online-Turntraining unter Corona-Bedingungen -ein Lehrbeispiel zum Winkelstütz Tadahiro YOSHIMOTO
コロナ禍におけるオンライン体操競技トレーニングにおける動感の意味について ー脚前挙支持の指導事例 吉本忠弘
(概要)
2020年の3月から8月にかけて筆者(吉本)が本学体操競技部の学生に対して行ったオンラインでの技の指導実践を題材として、オンライン上で指導者と選手による動感意識(運動を実施するときの意識)交流を行うための手段とその意義について述べたものです。コロナ禍ではオンライン会議システムを始め、さまざまなハードウエア、ソフトウエアがその威力を発揮しました。
オンライントレーニングは、このような機器の力がなければ成立しませんでした。しかしながら、オンライン上での運動の指導に関しては、機器の力だけでは解決できないことがあります。運動の指導にあたって指導者は、指導対象者となる選手の動きの観察、選手の動感意識内容に対する借問を通して、選手に合った「わざのコツ」を考え、それをどのようにして伝えるのかを考えます。カメラのアングルを自由に変えることができないため、通常の指導実践よりも、選手の動きを観察しにくくなります。そのため、オンライントレーニングでは、指導者による運動想像力によって限られた動感情報から選手の動感意識の解釈を試み、動きの全体像を想像しなければならないのです。