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2022/08/03
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【スポ健リレーコラム】[第13回]
体が暑くて動けない!そんな時、芯から冷やす
『アイススラリー』の勧め!

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 2022年夏、近年まれにみる危険な猛暑に見舞われている。更に7月末現在、新型コロナウィルス感染者数も増加しており、感染者数が世界最多を記録した。
 このような状況の中で、最も危惧されるのが救急搬送者数の増加による医療ひっ迫だ。実際に7月18日~24日までの1週間で全国52の消防では、「緊急搬送困難事案」がなんと6035件発生しているのだ。
 この時期、最も緊急に対応しなければならないのが熱中症。熱中症の中でも最も重篤な熱射病は、何も対処しなければその死亡率は80%にも上る。生存者の20%においても脳の損傷が回復せずに、後遺症が残ることが報告されている。なんとか、無事に夏場を乗り切りたいものだ。

 

 熱中症を予防するための一つの方法として、適切な水分摂取が挙げられる。大量の汗をかいた時は自発的脱水を予防するためにも、塩分と糖質を含む飲料摂取が効果的である。他にも、熱を持った身体を冷やすことも効果的だ。
 例えば、身体を水で濡らしたり、アイスバスに浸かるなど、身体の表面から冷やすことも良いだろう。近年、身体の深部から冷やす方法として、アイススラリーの効果も報告されている。アイススラリーとはシャーベット状の飲料摂取のことで、身体の深部体温の上昇を抑えることが報告されている(図1)。

図1.アイススラリー摂取による深部体温の変化

運動前にアイススラリーを摂取すると、冷水摂取に比べて深部体温上昇が抑えられ、運動時間が10分延長した。

 

 夏場の運動を安全の行うには、正しい知識を持つことが大切だ。ましてや、大学における強度の高い競技スポーツでは、命の危険性と隣り合わせだ。競技力を向上させるためにも、また自らの安全のためにも、夏場の深部体温のコントロールは重要な意味を持つ。是非、アイススラリーも取り入れて、科学的な戦略を考えてほしい。

 

*自発的脱水

 大量の汗をかいた時に、塩分の含まれない水分を摂取すると、浸透圧の関係で水分が体内に貯留せず、飲んでも飲んでも水分が汗として排泄されるため、結局脱水症状に陥る。

 

 

スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 曽我部 晋哉

 

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