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2022/11/28
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映画『劇場版ごん』の上映会を実施 監督の八代健志さんにご登壇いただきました

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11月1日に甲南大学岡本キャンパスで、映画『劇場版ごん』の上映が行われました。上映後には、この作品を監督された八代健志さんと、制作スタッフの加倉井芳美さんが登壇され、文学部准教授の友田義行が対談形式でお話をうかがいました。

 

200名近くの学生・教職員が参加しました

 

『劇場版ごん』の原作は、国語教科書でもおなじみの新美南吉「ごんぎつね」です。映画に登場する動物や人物は、木彫の人形たち。静止している人形を一コマごとに少しずつ動かしてカメラで撮影し、それらを連続映写することで、まるで人形がひとりでに動いているような映像に仕上がっています。

 

映画に登場した人形たちもやって来ました

 

ストップモーション・アニメーションと呼ばれるこの技法によって、「ごんぎつね」に新しい生命が吹き込まれました。対談では八代監督が8ヶ月かけて人形を手彫りし、さらに1年かけて撮影を行ったことが語られ、作品にかける情熱と職人技に圧倒されました。

 

八代監督のスタジオの名称は「TECARAT(テカラ)」
この“手から”作品が生み出されます

 

対談では、ストップモーション・アニメーションの製作法や、原作にはないオリジナルの要素、絵本との比較などが話題にあがりました。また、たくさんの創作秘話をうかがうことができ、作品の見方をより深めることができました。

 

参加者からは多くの質問が寄せられ、八代監督も熱心に答えて下さいました

 

参加者からは次のような感想が寄せられました。
・きっとこの映画のことは、何十年経っても忘れないのだと思います。言葉になりません。
・表情の変化や風景など、アニメーションとは思えないぐらいリアルで、感情移入してしまいました。
・はじめからおわりまで、全て知っているお話なのに、「ひとりぼっち、ふたり」の物語だったのだなと、はじめて気付きました。
・月明かりの夜や、あたたかな陽のさす彼岸花の風景など、光の表現がとても美しく、胸に迫った。
・映画はもちろん、裏話や監督のキャリアの話もたいへん興味深かったです。
・これまで映像作品を手がけられた監督のお話を実際に目の前でお聞きするのは初めてで、様々なこだわりや製作過程を知ることができてとても良い経験になりました。
・人形の脚の動きのお話の中で、西洋と比べて日本人はあぐらや正座などの種類が多いということに改めて驚きました。
・この物語では悪い人はいない、それぞれ良い行動をしようと生きているのだというメッセージが込められていると説明されているときに、新しい発見をしたような気持ちでした。「ポジティブにとらえられるんだ」と初めて気が付きました。
・八代監督のお話を聞いて、大学時代に色々なことを試してみて、自分の好きな分野ややりたいことを見つけたいと思いました。
・芸術をやる際にそれのみをやるのではなく、色々な物に触れることで自分の表現したいものを養うことが重要であるというのは、その通りだと思う。そのことをプロの方からうかがえて良かったです。

 

 

甲南大学図書館でも、新美南吉と「ごんぎつね」の関連本が特集されるなど、文学と映画をつなぐ様々な企画が展開されました。これからも、楽しく学べる学術イベントを、教職員そして学生もいっしょになって、作っていければと思います。

 

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(文学部准教授・友田義行)

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