中医学の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』には四季に応じた過ごし方をすることが健康を保つ秘訣だと述べられています。夏については「すべてのものが繁茂し、勢いが盛んになる。万物は花咲き、実がなる。自然界の一部である人もこのようにあるべき」。そして、具体的な行動として、こんな過ごし方をすすめています。
・早寝早起き(太陽のリズムとともに生きる)
・適度に運動して汗をかくようにする
・怒らないようにする(ストレスをためない)
・体と心を十分に解放する
・積極的に外に出て活動する
皆さん、ちょっと早起きして、地域のラジオ体操に参加してみてはどうでしょうか?
ここ数年来の猛暑、外は暑いが室内はクーラーがガンガンに利いていて、かえって体調を崩すということもあるのではないでしょうか。江戸時代の医書『牛山活薹(ぎゅうざんかっとう)』には、「外からは風を送り、食べ物や飲み物で体内を冷やし、内外ともに冷えるために、夏ばてが起こるのだ」という記述があります。今の時代と同じですね。クーラーで外から体が冷え、冷たい食べ物で中から体を冷やす・・。四季を通じて体を冷やしすぎないようにしましょう。
暑さを避けて過ごし、胃腸を健やかな状態にしていれば夏ばては起きません。では、そのためにどのようなことに気をつければよいのでしょう。具体的には、以下のような養生が大事だといえます。
・暑さを避ける
・正しい水分補給をする(こまめに少しずつ)
・大汗をかかない(汗をかいたらすぐ拭う)
・冷たい飲食は控えめに(アイスクリームやかき氷、冷たいスイカも注意。毎日そうめん、なんていうのも体を冷やします)
・衣服を工夫する(風通しの良い、色の薄い服を)
・寝不足や無理をしない
ここで、夏にお勧めの食材を。
ゴーヤ、セロリ、レタス、茄子、トマト、あずき、緑豆、もやし、きゅうり、とうがん、スイカ、メロン、梨、そば、豆腐、こんぶ、のり、わかめ、緑茶・・。
やはり、夏に旬を迎える食材がよいようですね。
また、エネルギー源である糖質の代謝を進めるビタミンB1を多く含む豚肉、レバーなどもしっかりとりましょう。豚キムチはお勧めですよ!
おいしく、しっかり食べて、夏を乗り切りましょう!
(スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 水澤 克子)