2023年9月12日朝、本学学生25名と一緒に、全米でも有数のアウトドアの聖地であるコロラドのデュランゴへ旅立った。これは、「エリアスタディーズ」という短期留学体験型集中授業によるものだ。この「エリアスタディーズ」という本学独自の留学プログラムは、長坂悦敬理事長が国際交流センター所長の時に立ち上げたものだ。「学生はどこでスイッチを入れてあげるかが大切。ほんの一瞬の経験で行動や人生が変わるものだ」とおっしゃっていた。その意味は本当によく分かる。今回、私が2016年、2017年とデュランゴにあるFort Lweis Collegeで客員研究員として滞在していたこともあり、本プログラムを立案・計画した。
まず、日常が英語という中で生活してみる。英語でコミュニケーションを図る、エリアスタディーズの基本だ。しかし、言葉は単なるコミュニケーションのツールに過ぎない。もっと大切なことは、人々が生活している空気感や日本との違い、そしてそこに内在する問題点を感じとること。目の前で起きる色々な出来事に心が揺れ動き、自分の中に湧き出る新しい感情に気づくこと。さらに、豊かな自然の中に身を置いて、日本では改めて感じることが少ない五感を限界まで働かせて感性を研ぎ澄ますこと、である。
フォートルイス大学学長と シルバートンへ向かう蒸気機関車から
はじめは、不安な顔をしていた学生たちも、時間の経過とともにこちらが見ているだけでもキラキラ輝いていくのが分かる。満天の星空の中でのキャンプファイヤーでは、自然にみんなの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
「英語が聞き取れない、しゃべれない、どうしよう。。」「簡単な英語でも通じた!!」「こんな絶景見たことがない!」「困ったときに助けてくれた友達に本当に感謝」それぞれの思い、たくさんの感情があふれ出た。
仲間とキャンプファイヤー 見上げると満天の星空が広がる
心が動きづらくなった現代社会こそ、この経験はみんなの宝物だ。大学4年間という時間をどう過ごすかは、君たち次第だ。しかし、この4年間は人生にとって二度と取り戻すことのできないかけがえのない時間だということを自覚した方がよい。さあ、日本を飛び出して、世界の空気を吸ってみよう。そして、ありのままの自然の中に身を置いて、本当の自分を見つめてみようではないか。
学生時代は一生懸命学ぼう
ずっと付き合える仲間を作ろう
そして全力で動いてみよう
仲間とともに体を動かし、心を動かし、本物に触れる。
それらすべては君たち 未来の糧となる。
メサベルディ―に向かう途中の絶景にて
(スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 曽我部 晋哉)