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2024/03/01
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【スポ健リレーコラム】[第32回]
中医学にみる春の過ごし方

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 立春を過ぎると、陽の気が増えて暖かくなり、冬に陰の気の働きで土の下で力を蓄えていた草木が芽を出し、冬眠していた動物も起き出すようになります。

 人間も、同じように季節の影響を受けます。体内の陽気が増え、からだの中で眠っていた持病やアレルギーが出やすくなります。この陽気がうまく発散されないでいると、神経痛や皮膚病、のぼせ、また、無気力や不眠などの精神的な不快症状が出てくることがあります。

 心身共にのびのびと過ごし、適度な運動で陽気を発散するよう、心掛けることが重要です。

 

1)早起き、早寝を心がける

 早起きを心掛け、気持ち良い一日の始まりを迎える。

 また、春は季節も社会的な活動も含めて、変化の起こりやすい時期で、心身ともに疲れやすくなります。早めに眠ってしっかり疲労をとりましょう。

 

2)適度に運動する

 春になっても体を動かさずじっとしていると、陽気が体内をうまくめぐらず、この時期に敏感になると考えられる肝(かん。西洋医学の肝臓とは異なる)の働きが悪くなります。肝の働きが弱くなると、気が体の上部に停滞してしまい、目の周りの不快症状、のぼせ、不眠、イライラが起こりやすくなります。適度な運動で、気持ちよく汗をかき、体内の陽気を発散するようにしましょう。散歩やストレッチングなど軽い運動から始めましょう。

 

3)暴飲暴食を避ける
 食べすぎ、飲みすぎは、春に敏感になりやすい臓器である肝の働き(解毒、血の貯蔵など)を弱らせます。肝の働きが弱くなると、目の不快症状が起こったり、怒りっぽくなったりします。

 

4)春にお勧めの食べ物(食べすぎ注意!)

 春の旬の食べ物(春菊やたけのこ、さくらんぼ、セロリ、菜の花、ごぼう、アスパラガス、小松菜など)を積極的に食べるというのがお勧めです。春の旬の食べ物には肝の働きを改善させ、滞りやすい気血を巡らせる力のあるものが多いのがその理由です。また、肝の働きを整えるには「酸味」も有効です。酢や柑橘系の果物、梅干しなども合わせて摂るとより有効です。

 

スポーツ・健康科学教育研究センター/全学共通教育センター 水澤 克子

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